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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

海賊富豪と愛の妖精

海賊富豪と愛の妖精


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェシカ・ギルモア(Jessica Gilmore)
 イギリスのヨークに夫と娘、ふわふわの犬、犬嫌いの猫2匹、金魚と共に暮らし、慈善活動や犬の散歩などに勤しんでいる。空想するのが趣味でハッピーエンドをこよなく愛する彼女は、ロマンス小説家になれた幸運が今でも信じられないという。

解説

海賊のようなスペイン富豪の子供を身ごもってしまうなんて!

アンナはリゾートを営む母からの電話でスペインの島にやってきた。1カ月後に盛大な結婚式が行われるから準備を手伝ってほしいというのだ。翌朝、不意に出会ったのはクルーザーを停泊させて島に上陸している人物。その黒髪の精悍な男性は結婚式を挙げる花嫁の兄レオだと名乗り、妹に代わって下見に来たと尊大に告げた。レオがスペイン貴族の末裔の富豪だと知るやいなや、アンナは彼との間に一線を引こうと心に誓った。18歳のころ、同じように魅力的な貴族の男性に惹かれ、ごみのように捨てられたあげく流産した苦い思い出があるから。それなのに彼の真の姿に気づいた夜、体を重ねてしまい……。

■悲しい記憶のせいで、アンナは堅実さと分別を何よりも大事にして生きています。そんな彼女の前に突然現れたのは、まるで海賊のような貴族のスペイン富豪!アンナは彼の魅力にとらわれて……。英国人作家J・ギルモアが贈る極上のロマンスをご堪能ください。

抄録

 海の|精霊《ニンフ》はノートを抱きしめ、レオを睨みつけた。「わたしたち?」
「そう、僕たちだ」レオはくりかえした。「今のままでは、このリゾートはせいぜいハロウィーンの仮装結婚式にしか使えない。君の女性史の知識は水漏れするシャワーの修理に役立つにちがいないが、万一役に立たない場合に備えて、僕が手伝おう」
「本気なの?」鮮やかな青い瞳はよそよそしかった。「そう言うあなたは、蛇口の修理ができるわけ?」
「蛇口の修理も壁のタイル貼りもペンキ塗りもできる。君はできるか?」大工仕事がうまいのは本当だった。慎重に作り上げてきた、親の金で遊び暮らすプレイボーイのイメージが台なしになってしまうので、人には知られないようにしているのだ。同じように、湯水のように使っている金は一ペニー残らず自分で稼いでいることも、誰も知らない事実だ。レオは十八歳のとき家を出て以来、父からはお金をもらっていない。
 金欲しさに息子が悔い改め、従順になることを期待していた父は、思いどおりにならず腹を立てており、同時にまた、息子が贅沢な暮らしを続ける資金をどこから得ているのかわからず戸惑っているはずだ。何より未来のオルヴァレス伯爵たる一人息子の放縦ぶり――パーティやカジノにレオが美人のモデルを伴って通う写真が新聞に載るたび、頭から湯気が出るほど激怒しているだろう。オルヴァレス伯爵にとって何より大切なのは体裁で、不品行は隠しておくべきものだったからだ。
 レオは父の主義を逆にして、善行は隠し、不品行を表に出した。実を言うと最近はパーティにもめったに行かず、ニュースのネタとして写真を撮られたらさっさと退散することにしていた。ヴァレンティナに教わったイメージ戦略を実践しているのだ。
 目の前のニンフが昂然と顎を上げた。「教えてもらえれば、蛇口の修理もできると思うわ」
「それを聞いて安心したよ」レオが穏やかに言うと、相手の女性はさらに頬を染めた。
「あなたが不安に思うのもわかるけれど」女性の視線が手近なバンガローに向けられた。「でも本当に万事順調で、心配はいらないのよ」
 レオは相手の視線をたどってバンガローを見やった。壁のペンキは剥がれ、生い茂る草木が今にも建物をのみこみそうになっている。屋根を修理してペンキを塗り直し、大掃除をするのは重労働だろう。
 レオは考えこむように目を細めた。肉体労働にいそしめば、このところ自分に取りついている憂鬱を振りはらえるかもしれない。心から幸福だと思ったことなどないが、この十二年間は金を稼いで自立することで、ある種の満足感を覚えることができた。けれどヴァレンティナが婚約を発表したときから、その満足感さえ覚えられなくなっている。
 さっきまでレオは、何軒かの業者に電話をかけてマリナ島へ呼び寄せ、自分は結婚式のときに島に戻ってくればいいと思っていた。だが、この島で、美しい女性を助手に、しばらく体を動かして働くのも悪くないかもしれない。
 レオは手を差し出した。「レオ・ディ・マルケス・イ・コレアだ」そして女性の反応を待ちかまえた。ところが青い瞳がはっとすることもなければ、まっすぐな眉がひそめられることもなかった。ほとんどの人はレオに会う前に、勝手にイメージを固めている。たいていは彼を非難するか、いっしょに騒ぎたがるか、ベッドをともにしたがるかのどれかだ。ごくまれに情報通が投資を頼んでくることもある。今のように、ばかにしているのかと思うほど何の反応もないのは珍しかった。
 その無反応を欲望に変えてやるのも楽しい挑戦かもしれない。そう思うと、レオの血が騒いだ。
「アンナ・グレイよ」相手はレオの手を取ろうともせずに答えた。「ドクター・アンナ・グレイ」
「フェミニズム史の専門家で、しかも|医者《ドクター》なのか?」レオは自分の魅力を最大限に発揮して微笑むと、冗談を言った。
 レオの目論見ははずれ、相手は笑うどころか、わが身を守るように腕を組んだ。「オックスフォード大学から|博士号《ドクター》をもらっているのよ。ところで、セニョール・ディ・マルケス――」
「レオと呼んでくれ」
「たしかにこの島は少しばかり荒れて見えるし、妹さんの結婚式が世界じゅうの注目を浴びるだろうこともわかっているわ。でも一カ月あれば、すべての準備が整うことは請け合ってもいいわ」
「それなら、手伝いが一人増えれば助かるだろう、ドクター・グレイ? 僕は自分の船で眠るから、働く見返りに食事だけ出してくれればいい。島がどれほどひどい有様か、妹には一言も知らせない。さて、君にこの申し出を断ることができるかい?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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