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シンデレラを拒んだ秘書

シンデレラを拒んだ秘書


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェイン・ポーター(Jane Porter)
 アメリカ、カリフォルニア州に生まれ、十代から二十代前半は海外で過ごす。イギリスに滞在中、ロマンス小説に出会い夢中になった。文学修士号を持ち、現在は教師をしている。夫と幼い二人の息子とともにシアトルに在住。

解説

いつか結婚するなら真に愛する人と。そのひそかな夢を傲慢な伯爵が引き裂いた。

第6代ラングストン伯爵ランダルの秘書であるポピーは、結婚式の祭壇の前で呆然と立ち尽くす彼を見て、胸が痛んだ。たった今、花嫁を見知らぬ男に奪い去られてしまったのだ。でも、愛のない便宜結婚をするよりはずっとよかったはずよ。じつはランダルは亡父の遺言により、35歳までに結婚しないと伯爵の称号も財産も失うことになっていた。もう猶予はない。突如強引に彼の自家用ジェットに押しこまれたポピーは、手渡された花嫁候補リストに自分の名前を見つけて仰天した。私を花嫁の身代わりに……?甘美な誘惑の旅が幕を開けた。

■不動の人気を誇るJ・ポーターが描く、王道のボスと秘書の愛なき結婚の物語!砂漠の国の王宮で明かされるヒーローの隠された別の顔、そして目眩く愛の罠の行方は……?

抄録

 ポピーは視線を上げ、近づいてくるランダルを見つめた。彼は黄褐色の麻のシャツと黒っぽいズボンに着替えていた。シャツの色合いが明るい金色の瞳によく似合っている。ありえないほどハンサムだ。もっとも、それは今に始まった話ではない。ただ、これまではなるべく気づかないふりをしてきただけだ。彼への思いがつのれば仕事に支障が出るし、事が面倒になるだけなのだから。ランダル・グラントのように見栄えがよくてお金持ちの男性が、私のような女にかまうわけがない。世界に名だたるソフィー・カーマイケル・ジョーンズが手に入るというのに、そんなことをするひねくれ者はいないだろう。
「君の番だ」ランダルがそっけなく言った。「着替えがすんだら、そのドレスは捨ててくれ。もう二度と見たくない」
「私の旅行鞄は?」
「奥の個室のクローゼットの中だ」
 ポピーは個室のクローゼットを開け、自分の旅行鞄を見つけた。だが開けてみると、入っていたのはネグリジェと旅行用の洗面道具とテニスシューズ、そしていちばん好きなジーンズだけだった。ジーンズとテニスシューズは役に立つが、シャツがなければ個室の外に出ることはできない。
 鞄の前にしゃがんだまま、残りの服はどこへ行ってしまったのかと考えた。ソフィーの荷物に混ざってしまったのだろうか? あるいは、ソフィーと一緒に今朝ホテルを出たとき、部屋に置き忘れてしまったか。
 ポピーはため息をつきながら、さっきの椅子のところに戻った。
 乗務員は遅めの昼食のためにテーブルセッティングをしているところだった。折りたたみ式のテーブルには上質な白いクロスがかけられ、金の縁取りのある磁器やクリスタルのグラスや本物の銀器が並べられている。
「着替えていないじゃないか」ランダルがポピーに気づいて言った。
「ブラウスとかシャツが何もなくて……それにブラジャーも……」
「僕のシャツを貸してやろう。ノーブラだってかまわないだろう。男は僕だけだ」
 ランダルの言葉に邪心はまるで感じられなかったが、それでもポピーの顔と体はいっきにほてった。「ありがたくお借りします。私もさっさとこのドレスを脱ぎたいから」
 ランダルが腰を上げて奥の個室へ向かい、ポピーはそのあとをついていった。ただでさえ小さい個室は、彼と一緒に入ると、なおさら狭く感じられた。
 ランダルがスーツケースを開けてシャツを物色する間、ポピーはじゃまにならないよう一歩下がって待っていた。
「シャツに何を合わせるんだい?」ランダルが尋ねた。
「ジーンズです」
 彼は白地にブルーのストライプのシャツを取り出した。「これでいいだろう」
「ありがとうございます」
 ランダルがうなずき、立ちあがって振り返った。ポピーは道をあけようとして動いたが、なぜか二人は同じ方向に移動してしまい、彼女は前のめりになったランダルに押される格好になった。彼がとっさに手を伸ばしてポピーの腰を支える。そのてのひらのぬくもりがシルクの薄い生地を通して焼けつくように感じられ、ポピーは思わずあえいだ。全身が炎に包まれたように熱くなる。
 個室の中にはランダルのコロンのスパイシーな香りが漂っていた。ポピーは彼の胸に顔をうずめ、その香りをもっと深く吸いこみたい衝動に駆られた。
 ランダルはたまらなくいい香りがする。そして触れられると、たまらなく心地よくなる。職場での人間関係に不可欠な一線をいとも簡単に越えてしまいそうになる自分が恐ろしかった。
「どうもタイミングが合わないようだな」ランダルの声が低く響いて、ポピーのうなじの毛が逆立った。ドレスの中で胸の先端が硬くなる。
「すみません」ポピーは吐息混じりに言った。「じゃまするつもりはなかったんです」そう言いながらも、なぜかそこから動く気にはなれなかった。
 ランダルは彼女をしっかりと支えてまっすぐに立たせると、その脇をすり抜けて個室の外へ出ていった。
 ポピーは大きく息をつき、気恥ずかしさに身を震わせた。彼の腕に抱かれて、うっとりしたように動けなくなってしまったのだ。まるで足から根が生えたかのように。
 どうしてこういうことになるの?
 ポピーはきっちりとドアを閉め、そこにもたれた。できることならこの個室にずっと閉じこもっていたい。雇い主にひそかな憧れを抱く程度なら許されるだろうが、触れられたいと願うのは常軌を逸している。そして私は、触れられたいと願っている。彼の手で、ありとあらゆるところを撫でまわされたい。私としたことがそんなことを望むなんて……。
 これまで自分は良識のある人間だと思っていた。私の良識はいったいどこに行ってしまったの?


*この続きは製品版でお楽しみください。

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