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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

傲慢なボスに片想い

傲慢なボスに片想い


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

密かに憧れてきたボスに、愛されたかったはずなのに……。

苦境に追いつめられたCEO秘書のバージニアは今夜、ボスのマルコスのペントハウスを訪れていた。優秀な経営者だった父が妻に先立たれて身を持ち崩したため、バージニアはその借金を肩代わりしようと、密かに慕っているボスに、恥を忍んで給金の前借りと支援を願い出た。するとマルコスは見返りとして、1週間恋人役を演じるよう求めてきた。復縁をもくろむ身勝手な元恋人に見せつけるために。わたしは小道具にすぎない。なのにそれでも、胸がきゅんとしてしまう。演技のキスが、やがて情熱に火をつけ……。でも、これは見せかけ……。しかし気づけば、バージニアはマルコスの子を、身ごもっていた――

■偽りの恋人を演じるうち、いつしか情熱を止められなくなってしまったふたり。約束の1週間を過ぎても逢瀬を重ねるうち、バージニアはもはやどこからが演技でどこまでが真実なのかわからなくなって煩悶します。それゆえ予期せぬ妊娠のことも告げられず……。

抄録

「ぼくには協力者が必要だ。とりわけ――」マルコスは腕を組み、謎めいたまなざしでバージニアを見つめた。「ぼくの恋人のふりをしてくれる女性が」
 恋人。
 バージニアは汗ばんだ手をそっと服の脇でぬぐった。マルコスがそばまで来ると、彼女は思わずあとずさった。ふくらはぎがオットマンにぶつかった。
 マルコスは落ち着き払った様子で本棚に向かった。「協力してくれないか?」
 バージニアの胸は困惑と期待で満たされた。「ええ、もちろん」マルコスとメキシコに行く。「でも、わたしはなにをすればいいの? それに、どれくらいのあいだ?」
 マルコスは棚の本を一冊ずつ確かめていった。「ぼくの連れとしてモンテレイに一週間同行してほしい。そのあと交渉が終わるまでのあいだ、時間外にも手伝ってもらう。代わりにきみの……ささやかな問題は必ず解決するよ」
「それだけ?」
 マルコスは信じられないといったふうに彼女を見た。「それでだけではないと思うのか?」
 バージニアはほほえみ、マルコスを見つめて待った。
 マルコスはいちばん上の棚に手を伸ばして大きな革装本を引き抜いた。「そのあと、ひと月後に催されるフィンテック社のディナーパーティにも同行してもらうかもしれない」彼は眉根を寄せて続けた。「気になるかい? ぼくと出席するのは?」
 バージニアは落ち着かない仕草でネックレスをもてあそんだ。「いいえ。いつでも日程を調整できるわ」
 マルコスは唇をかすかにゆがめ、分厚い本を彼女に向かって軽々と振ってみせた。「よかったらこれを読むといい。モンテレイに関する本だ」彼はその本をオットマンに置いた。
「あなたの好意に一方的にすがっているようで気が引けるわ」バージニアは本を手にとりながら言った。
 マルコスは彼女を見つめた。「ぼくがそれでいいと言っているんだ。気にすることはない」
 彼の笑みを見ると胸の先端がうずいてしまい、バージニアは本を胸に押しつけた。
「きみは優秀な部下だ」マルコスは机に戻りながらハスキーな声で言った。「一週間つきそってくれれば助かる。きみは仕事熱心で頭がいい。それに忠実だ。きみのことは信頼しているし、評価しているよ、バージニア。きみは特別だ」
 バージニアは鳥肌がたった。愚かにも、ただ見つめ返すことしかできそうになかったので、いつも気持ちを落ち着かせるためにすることをした。彼女は本を置き、マルコスの机の隅にあった書類を整え始めた。「褒めてくれてありがとう。わたしはフィンテック社での仕事をとても楽しんでいるわ。そしてもちろん……あなたのために働くことを。だからこそ、自分の立場をあやうくしたくはないの」
 マルコスの視線を意識しながら整理を続ける。彼はオフィスでもときおり手を止めて、あの黒い瞳でバージニアを見つめていることがあった。
「同僚になんて言えばいいのかしら?」バージニアはつぶやいた。
 オフィスでは噂はすぐに広まる。リンゼイやミセス・フラーに、ボスと出張するためによからぬ手を使ったと思われはしないだろうか?
 マルコスが答えないので顔を上げると、彼の瞳はいたずらっぽくきらめいていた。腰のあたりをじっと見つめられていたことに気づき、バージニアは奇妙な興奮をおぼえた。
「ぼくに同行を命じられたと、正直に言えばいい。結局のところ、きみはぼくの秘書なのだから」マルコスは眉根を寄せ、反論を待つかのようにバージニアを見つめた。
 バージニアは胸に痛みをおぼえた。自分が秘書以上の存在には決してなれないことはわかっていた。彼はマルコス・アジェンデ――わたしなんかには手の届かない存在。
 書類の山をこれ以上ないほど完璧に整え終えると、バージニアは答えた。「喜んでつきそうわ」
 マルコスはゆっくりうなずいた。「いいね。ぜひとも頼む」彼の声はそっけなく、それでいてバージニアの心の奥までしみこんだ。「ぼくらは合意できると思っていた」
 気持ちを隠したまま、乱れた感情を整えるのは難しかった。興奮と不安、感謝と欲望とがせめぎあう。メキシコでマルコスと一週間過ごす。彼に同行し、恋人役を演じる。それはバージニアがこれまでひそかに願い続けてきた関係だったが、今回はあくまで演技でしかなかった。男性経験が乏しくうぶな彼女が、誰よりもセクシーな男性の恋人のふりをするなんて。絶対に後悔するとわかっているけれど、思いきって大胆になれば、彼にキスすることだってできるかもしれない。
 でも、そんなことが本当にできる? 思いきって跳べる? 魔法を使える? マルコスはいつも女優や有名人、モデルとデートしている。そんな彼の恋人役を、わたしに演じられるの?
 落ち着かなくなり、バージニアはモンテレイの紹介本をふたたび手にとって、最後にもう一度マルコスに目をやりながらドアに向かった。「ありがとう、マルコス。その……なにからなにまで。おやすみなさい」
「バージニア」マルコスは彼女が廊下を途中まで進んだところで追いついて、手首をつかんで振り向かせた。「モンテレイまでは五時間のフライトだ。出発は明日の午後の予定だ。それまでに準備できるかい?」
 マルコス・アジェンデとふたりきりになる心の準備なんてできるはずがない。けれどもバージニアはほほえみ、とっさにうなずいていた。
 マルコスに顎を軽く持ちあげられ、バージニアは息をのんだ。胸の先端が彼の胸をかすめる。
「本当に大丈夫なのかい、バージニア?」マルコスはきいた。
 脚が震えた。体のなかでなにかがうごめく。顔にマルコスの熱い息がかかる。彼の豊かな唇があまりにすぐそばに見える。バージニアは思わずうめきそうになった。
 マルコスに触れられたらどんなふうに感じるだろう。彼の唇で? 彼の両手で?


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