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幼な妻の憂い【ハーレクイン・セレクト版】

幼な妻の憂い【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ケイ・ソープ(Kay Thorpe)
 シェフィールドで生まれる。学校を卒業後、さまざまな職種を経験。趣味で書いた最初の作品が1968年のデビュー作となり、小説家の道を歩む。それ以後、50作以上を発表している。現在は夫、息子、愛犬のシェパード、幸運を呼ぶ黒猫とともに、イングランド中部のチェスターフィールド郊外に住む。読書、ハイキング、旅行が趣味。

解説

18歳年上の銀行家マークとダナが結婚して、2週間。冷静で思慮深く、大人の魅力をたたえた彼にひと目で心奪われ、周囲に祝福されて花嫁となった。でも、幸せの絶頂にいるはずのダナは無垢なままでいることに不満を募らせていた。結婚初夜、夫は17歳の妻とはベッドを共にしないと宣言したきり、ダナに指一本触れようとしない。わたしは身も心も彼と結ばれたいのに。ところが、マークがつい口にした言葉を聞いて、ダナは愕然とする。“脅迫”――この結婚はダナの父親に脅された結果にすぎない、と。打ちのめされたダナが、優しく慰めてくれる夫の弟に心を許すと、それに気づくや、マークは怒りを露わにし、妻を我が物にしようと……。

■初々しい幼な妻と年上の夫の情熱的な愛をクラシカルな雰囲気たっぷりに綴った、名筆ケイ・ソープの秀逸作のリバイバルをお届けします。いつまでも子供扱いされたままではいたくないと思っていたダナですが、所有欲に燃えたマークが突如、夫の権利を行使し……。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 コンサートはすばらしく、観客の反応は熱狂的だった。指揮者がお辞儀をすると、ダナはほかの客たちといっしょに拍手を送りながら、今夜、この会場でわたし以上に緊張している人はいるだろうかと思った。マークの隣に座っていたこの数時間は、音楽という気晴らしがあったにもかかわらず、ダナにとって人生でもっとも厄介なひとときだった。マークがコンサートのあいだずっと、音楽も含めてすべてを無視して、なにか考えこんでいるようすだったのだ。
 客席の同じ列の人たちといっしょに立ち上がり、ダナはマークに言った。「すばらしかったわね? とくにチャイコフスキーがよかったわ。チャイコフスキーはもう卒業したかと思っていたけれど、わたしには無理みたい!」
 マークは皮肉っぽくほほえんだ。「きみがなにかを卒業するなんて早すぎる。経験もかぎられているだろう」
「いろいろ学んでいるところよ」ダナは思わず口にした。「わたしはまだまだ未熟だから、たくさんのことを見たり聞いたりしないと」
「それでは、きみが傷つくようなことにもなりかねない」マークは言った。「けっしていいことではない。ゆうべ、お父さんから話を聞いたようだね」
 ダナははっと目が覚めたように、どきりとした。「父はあなたになにを話したの?」
「きみに話したことをそのままさ」ダナがさらに尋ねようと口を開くと、マークは彼女の肩に手を置いて、そっと通路のほうへ導いた。「その話はここではできない。うちへ行こう」
 マークの家はナイツブリッジにあり、ジョージ王朝時代の優雅な建物の二階部分をすべて借りきっていた。ダナの父親のアパートメントとはちがって、現代的でも機能的でもない。精巧な造りの家具はどれも個性的で、時代を超えた魅力があり、その多くが骨董品だった。暖炉のそばに座り、通いの家政婦が用意してくれていた食事をとりながら、ダナはこの数週間にはなかったほど穏やかな気分だった。骨董品には人を癒やすなにかがあるようだ。心まで温かくなる。
 食事を終えると、マークは葉巻に火をつけてブランデーを飲みはじめた。ランプと暖炉の炎に照らされて、マークの肌がブロンズ色に光る。やがて、彼が落ち着いた声で言った。
「ダナ、真相を知りたい。僕のような年齢の男と結婚することを、実際、どう思う?」
 ダナはすかさず答えた。「してみたいわ」
「なぜ?」
 マークにじっと見つめられ、ダナはちょっとたじろいだ。「その……だって、当然でしょう?」
「結婚するなら、若い夫のほうがよくないか?」
 ダナははっきりと首を振った。「若い男性は好きじゃないの」
 なにも言わずにダナを見つめるマークの表情が微妙に変化した。そっと葉巻を置いて、ダナに手を差し伸べる。「こっちへおいで」
 ダナはゆっくりとマークに近づき、引き寄せられて膝に座らされても抵抗しなかった。ほんの数センチ先に彼の口があり、細められた目がダナの反応をうかがっている。マークはダナにキスをした。前の晩のような一瞬の接触ではなく、その先を予感させる長いキスだった。ダナは顔を引こうともせず、無意識のうちに、彼の唇の動きと自分のなかにわき上がる感覚に反応した。胸に手が伸びてくると、一瞬、体をこわばらせたが、その感触のあまりの心地よさに拒めなかった。もっとつづけてほしい、もっと知りたいと思った。
 体を引いたのはマークのほうだった。急に立ち上がられ、ダナはよろめきながら床に立った。
「きみには驚かされてばかりだ」マークはこわばった声で言った。「そんなキスのしかたをどこでおぼえた?」
「あなたからよ。たった今」もう一度彼の腕のなかにもどりたくてたまらず、目をきらめかせながらマークを見つめた。「こんな気持ちになったのははじめてだと言ったでしょう。もう一度キスして、マーク」
「だめだ!」きつい声だった。「家に送っていかないと。きみのコートを取ってくるから、ここで待っていてくれ」
 もどってきたマークが広げたコートに腕を通しながら、ダナは小さな声で言った。「ほんとうにあなたと結婚したいの、マーク。学ぶ必要のあることはなんでも学ぶわ。あなたが求めるとおりの妻になる。あなたの気持ちが変わってしまったとしたら、とても耐えられない」
「変わりはしない」マークは荒々しい声で言った。「変えられないよ。今こんなことをしている僕は、いつかきみに嫌われないだろうかと、それだけが心配なのに」
「嫌うわけがないわ!」ダナはほっとしてほほえんだ。「あなたがなにをしても、なにを言っても、嫌いになんかならない!」
 マークはブルーの目に皮肉をたたえて言った。「それを忘れないでいてほしい。きみはおおっぴらな付き合いは望まないだろうな。マスコミがうるさいし」
「わたしは気にしないわ。でも、あなたがそうしたいなら、極秘で結婚してもいい。あなたのお父様はどう思われるかしら?」
「予想はつく。しかし、そのうち慣れるだろう。そうなれば、残る問題は、いつ、ということだけだ」ダナの返事も待たず、マークはつづけた。「その件については、お父さんと話し合ったほうがいい。状況からして、彼は長々と待つ意味はないと考えるかもしれないが」
 わたしだって同じ気持ちだわ、とダナは思った。結婚してしまえば、マークは年齢差を気にしなくなるだろうし、わたしを大人扱いしてくれるだろう。ダナがなにより望んでいるのがそれだった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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