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億万長者に買われた天使

億万長者に買われた天使


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

私を買った異国の富豪――彼を嫌いになれたらいいのに。

放蕩者の父の代わりにエミリーが切り盛りする社交クラブは、父が賭事で大負けしたせいで経営の危機に直面していた。もはやあの大富豪の買収話に応じるしか道はない。ラモン・デ・ラ・ベガ――スペイン公爵家の末裔で、公私ともにゴシップ誌を賑わせている美貌の辣腕実業家だ。彼は罪深い微笑みを浮かべた。「今日から君は僕の部下だ」傲慢なラモンに反感を抱きながらも彼の巧みな誘惑に負け、エミリーは熱に浮かされたようにわが身を捧げた。一夜限りの喜びが、小さな命をもたらすとは夢にも思わずに。

■独身主義者のプレイボーイとして名を馳せていたラモンでしたが、エミリーの妊娠を知るやいなや結婚を申し出ます。しかし、愛のない家庭生活に恐れを抱くエミリーは深く苦悩して……。注目の作家A・ビッセルが繊細に描く、熱く切ないシンデレラ・ロマンスです。

抄録

 ラモンは携帯電話を机に放り投げた。一時間半前に最新情報を報告してからというもの、兄からのもう少し熱心な返事を期待していた。
 しかし、ザビエルは感情に支配される男ではない。それを思い出すべきだった。
 扉が突然開かれ、ラモンは現実に引き戻された。顔を上げ、乱入者を見つめる。
 戸口に立っていたのはエミリーだった。
 片手に一枚の書類をつかみ、このオフィスまでの長い廊下を全速力で駆けてきたかのように荒い呼吸をしている。
「ここを使っていいと誰が言ったの?」
 ラモンは立ち上がり、ズボンのポケットに両手を突っ込んだ。「きみのお父さんだ。何か問題でも?」
 エミリーは早足に入ってくると書類を掲げた。「問題はこれよ」彼女はコーヒーテーブルに書類を放り投げた。「説明して」
 ラモンは書類を見下ろした。手を加えた最新版の同意書だ。よく見なくても、どの修正事項が彼女を激怒させたかはわかっている。
 ラモンが扉を閉めた瞬間、エミリーが非難するように眉根を寄せたのに気づき、彼は言った。「誰にも聞かれたくないだろう?」
 エミリーはコーヒーテーブルから書類をひっつかんだ。
「議論するつもりはないわ。これをあなたの弁護士に渡して――」彼女は書類をラモンの胸に叩きつけ、そのまま手のひらで押さえた。「株主全員の合意が必要な事項に関する規約を元に戻すよう伝えて」
 ラモンは自分の胸の上に広げられた小さな手のひらを見下ろし、エミリーの上向いた顔を再び見つめた。これほど近いと、彼女の長いまつげが茶色で柔らかそうなのも、虹彩の外側がより濃い灰色なのもよくわかる。
 息を吸い込んだとき、かすかな香水の香りがした。女性らしい麝香の香りだ。
 一瞬、二人の動きが完全にとまった。
 エミリーが目を見開き、手を引っ込めて、あわててあとずさりする。弾みで彼女がバランスを崩しかけた。
 ラモンはとっさにエミリーの腰をつかみ、倒れる前に彼女の体を引き寄せた。書類がはらりと落ちる。エミリーの胸の柔らかさとヒップの形のよさは、瞬時にラモンの体に刻み込まれた。
 ラモンはエミリーの口元を見つめた。先ほどまで怒りですぼまっていた唇がわずかに開いていることに気づき、たちまち体が熱くなった。不機嫌にねじ曲げられていないと、彼女の唇はなまめかしい。キスしたくなるほど……。
「やめて」
 切羽詰まった声で低く命じられ、ラモンの全身に衝撃が走った。彼は無意識のうちに顔を近づけていたようだ。いまやエミリーの唇はすぐそこにある。頭を上げると、彼女の頬骨のあたりが赤く染まり、息遣いが荒くなっているのがわかって、このうえない満足感に襲われた。
 ぼくらは互いに惹かれ合っている。
 エミリーは体を硬くした。「離して」
 彼の興奮しきった体はいやだと言っているが、理性の声は“離せ!”と叫んでいる。
 なんとか理性を取り戻したラモンは彼女の腰から両手を離し、あとずさりした。
 エミリーは床から書類を拾い上げると、ラモンとの間に十分な距離を置き、非難するように言った。「これがあなたのビジネス・パートナーに対するやり方なの? キスで意見の相違をなくそうとするなんて」
「相手が美しい場合だけだ」
 エミリーは厳しい一瞥をくれた。「ちっとも面白くないわ、ミスター・デ・ラ・ベガ」
「ラモンと呼んでほしいと言ったはずだが?」
 エミリーは書類をひらひらとさせた。「あなたはこの取り引きを真剣に考えているはずじゃなかったの?」
 彼女の切り返しに、ラモンは真顔になった。「ああ、そうだ」
「だったら、なぜわたしから議決権を奪う提案をしたの? 理由を説明して」
 ラモンはポケットから両手を出した。「きみは日常業務を管理できる裁量権を求めている。ぼくもきみにそれを与えるつもりだ。だから筆頭株主としてザ・ロイスのささいな方針転換を決めるのに、わざわざきみの同意を得る必要はないと考えたんだ」
 エミリーは信じられないと言いたげに彼を見た。「規約はささいなことなんかじゃないわ。クラブの基本となる大切なものだし、会員にとってなくてはならないものよ。エチケットや服装、入会に関する規約は――」エミリーは唐突に口をつぐんだ。「だからなのね?」とがめるような口調で続ける。「あなたのクラブの会員も入会できるよう、うちの会員規約を改定するつもりなんでしょう?」
「違う。だが会員規約は見直したい」
 エミリーは目を細めた。「どうして?」
 兄がこの買収を機にヘクターの追い落としをもくろみ、一発逆転を狙っているからだ。ヘクターは金でほかの株主たちの忠誠心を買えたと思っているが、世界一の権力と影響力を誇る男たちとつき合えるザ・ロイスの入会資格ほど魅力的な褒美があるだろうか?


*この続きは製品版でお楽しみください。

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