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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

金の鳥かごの寵姫

金の鳥かごの寵姫


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・スティーヴンス(Susan Stephens)
 プロのオペラ歌手として活躍していた経歴を持つ。夫とは、出会って五日後には婚約をし、三カ月後には結婚したという。現在はチェシャー州で、三人の子供とたくさんの動物たちに囲まれて暮らしている。昔からロマンス小説を読むのが大好きだった彼女は、自分の人生を“果てしない、ロマンティックな冒険”と称している。

解説

海の向こうから、初恋の人は帰ってきた。彼女を王のベッドに横たえるために。

クリーニング店で働くミリーは、金色のシーツの洗濯を任された。その依頼は、ハリーファ王室所有の豪奢なヨットから来たという。15歳のとき、私はハリドというハリーファの王子に恋をした。せめてもう一度だけ、彼と会って話せたら。王族であるハリドが、私を覚えているとは思わないけれど……。だがシーツを届けた際、ミリーは現れた男性の姿に仰天する。ハリド!今や王である彼が、なぜわざわざ平民の私の前へ?しかも大人になったミリーに、王は熱い視線で告げていた。“ここに来た以上、君は僕の愛人になる。これは運命だ”と。

■おとぎばなしに出てくるような異国の王がある日、海を越えて迎えに来たら――。ヒロインは驚きと喜びの中で初恋の男性であるヒーローに身を捧げますが、王たる彼は自分で花嫁を選べない立場にありました。ドラマチックな展開と、愛の奇跡をご堪能ください!

抄録

「本当に座らなくていいのか?」ミリーがよく知っている、それでいて少しも知らない男性が言った。
 座れば見おろされる。そうなるのはなんとしても避けたかった。「あなたが立つなら、私も立つわ」ミリーはデスクを離れたハリドに言った。彼はおもしろがっているようだ。しかも今も私は見おろされている。それはそれでいい。王に負ける気はないからだ。たとえ、抑えきれないほど脈が速くなっていても。
「待たせてすまなかった」ハリドは心を見透かすような目で言った。「公務がたくさんあってね」
「そのようね」ミリーは冷静に同意した。
 ハリドが彼女を見つめたので、ミリーも彼を見つめ返した。けれど吸いこまれるような、すべてを見通す瞳は避けた。ハリドが頭にかぶっているカフィエと呼ばれる布が、彼が動くたびに流れるように揺れてはまたもとに戻る。できるだけ冷静でいようとしても、うっすらとひげの生えた顎を傾けた彼の、視線の誘惑にはあらがえなかった。どんなに憎もうとしても、ミリーの中の女性らしい部分はハリドがほしいと訴えていた。
「今は君だけのものだ」ハリドがごくかすかな笑みとともに宣言した。
 それは疑わしい、とミリーは思って、理性を保つために上品な王のローブに目を凝らした。カフィエをとめているイカールという飾りはロープに似ていて、きちんと編まれた金色の紐はまるで王冠だった。
 しかし、ハリドの波打つ髪はほとんど隠れていなかった。豊かな黒髪は八年前の夜の記憶と、その後の夢で見たとおりだ。夢の中で、ミリーはその巻き毛を何度も指ですいた。そして夢から覚めたあとで、必ず罪悪感に襲われた。
 軽蔑すべきハリーファ家の一員に、どうして触れたいなんて思ったの?
 それだけでも腹がたつのに、今のミリーはハリドと――触れてほしくてたまらない男性と向かい合っていた。
「久しぶりだな、ミリー」親友同士のようにハリドが言った。たしかに、彼に憎まれる理由はない。けれど、二人が出会ったからにはもう違う。「君は大学へ行き、技師になろうとしているんだろう?」
 ミリーは驚いた。私のことを、どこまで知っているの? いいえ、ハリーファの王は相手のすべてを知るのが仕事なのだ。彼女はそう自分を納得させた。「私がなりたいのは造船技師なの」それ以上の質問は受けつけない、という口調で言う。
「だが、住まいはキングスドックからあまり離れていないんだな」
「どうしてそう思うの?」ハリドが事実を口にしたのか質問したのかを判断する前に、ミリーは鋭く返した。どちらにせよ、私がどこに住んでいるか彼には関係ない。「ミス・フランシーンには、返しきれないほどの恩があるもの。それに、彼女のことは大好きだし」どこか挑戦的につけ加える。
 むっとする代わりに王はやさしい目になり、向きを変えてきいた。「なにか飲むか?」
「ええ、いただくわ」ミリーはどんなに喉が渇いていたかを忘れていた。ハリドは自分で飲み物を取れと言うか、ベルを鳴らして客室係に持ってこさせるかするに違いない。だからデスクの後ろの鏡板が押され、なんでもそろっているホームバーが現れたのはうれしい驚きだった。ハリドが二つのグラスに水を注いで一つを差し出すと、受け取ったときに指が触れ、ミリーはすばやく息を吸った。
「僕たちにはもっとたくさんの時間が必要だ」ハリドは彼女の反応には気づかなかった。「肩の力を抜いて、僕を信用してくれないか」
 信用する? 本気で言っているの? 私たちはそんな関係とはほど遠い。ハリドは年上で、人生経験も豊富かもしれないけれど、私はばかじゃないし、頭もはっきりしている。
 ハリドが水を飲んだ拍子に、ミリーの目は彼の顎から太い首までに生えた黒々としたひげに吸い寄せられた。裸になったら、どんな感じなのかしら――。
 今すぐやめるのよ。そんな考えは危険なうえに、ふさわしくない。
「もう一杯飲むか?」
「ええ、お願い」指が触れ合ったことに、今度はハリドも気づいたはずだ。過去は忘れなさいというように、私の秘められた場所が熱くなっているのも感じ取ったに違いない。
 ヨットの乗務員を見つけて、八年前のことをきけばよかった。なぜそうしなかったの?
 でも、別の選択肢を考えるには遅すぎる。これからどうすればいい? 二人の会話はどんなふうに終わるの? ミリーの体がひとりでに震えた。ハリドの目は彼女を裸にし、心の奥底まで見通しているようだった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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