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よみがえる愛【ハーレクイン文庫版】

よみがえる愛【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャーロット・ラム(Charlotte Lamb)
 第二次大戦中にロンドンで生まれ、結婚後はマン島で暮らす。大の子供好きで、五人の子供を育てた。ジャーナリストだった夫の強いすすめによって執筆活動に入り、百作以上の作品を著す。二〇〇〇年秋、多くのファンに惜しまれつつこの世を去った。

解説

夫を亡くしたオーリエルは、13年ぶりの故郷へ帰ってきていた。懐かしいチャーントリ屋敷。そこには愛した人がいる。デヴィル――悪魔と呼ばれ、一族から虐げられた伯父の非嫡出子。13年前、愛し合うふたりをある悲劇が引き裂いた。従妹の悲鳴、父の怒号、信じていたのに出てきた、裏切りの証拠。そのせいで、17歳の彼女は、老富豪の幼妻となったのだ――そこへ一頭の黒馬が駆けてくる。黒髪の騎手は馬をとめると、今ごろ何をしに戻ってきたのだと言いたげに見おろした。私が悪いとでもいうの?腹黒い残酷な私のデヴィル……。

*本書は、ハーレクイン・セレクトから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「オーリエル! どこに隠れてる?」
 窓に歩みよって庭をのぞくと、デヴィルが砂利道に突ったって屋敷を見あげていた。ふたりの目が合う。オーリエルははじかれたように窓辺をはなれた。鼓動が激しい――だいじょうぶ。デヴィルは家の中には入れないのよ。鍵を持ってないんですもの。まさか、押し込みを働いたりはしないでしょう。
 耳をすます。窓ががたがたいう。風のせいだ。つたの葉音が、シャッターのはためく音が聞こえる。デヴィルはいったいどこにいるのだろう。あきらめて、帰ってしまったのかしら?
 ふいに、オーリエルは悲鳴をあげる。窓にぬっと人影が現れたせいだった。いったい、二階まで、どうやってのぼってきたのだろう? 樋をよじのぼったのかしら? 落ちたら命までなくすのに! なんてばかなの!
 オーリエルは反対側の壁に背中を押しつける。デヴィルは思いっきりブーツで窓を蹴った。朽ちかけていた窓枠がふっ飛び、ガラスの破片が部屋じゅうに散乱する。その中に、すっくとデヴィルは立っていた。
「近よらないで」
 オーリエルは、鞭をかまえながら、かすれ声で言う。たったの二歩で、デヴィルはオーリエルの目の前に立ちはだかり、両手でオーリエルの両肩をつかんで力まかせにゆさぶる。怒りに燃える青い瞳があった。
「鞭の礼をするぜ、奥さん」
 デヴィルはオーリエルの手から鞭を奪った。オーリエルは横っ跳びに逃げて、部屋を出ようとする。が、デヴィルのがっしりとした手が、オーリエルの二の腕をとらえた。
 デヴィルはどっかと椅子に腰をおろし、力強い手首のひとひねりで、無理やりオーリエルをひざの上にねじ伏せてしまう。相手が何をしようとしているのかわかると、オーリエルは相手にののしりと脅迫の言葉を浴びせる。
「地獄に堕ちればいいんだわ、あなたなんか! まさか本気で……殺してやる……性悪な豚め! きっと殺してやる……ああ……ああ……!」
 鞭打ちは五回。容赦なくオーリエルの尻を打ちすえる。ふいに、デヴィルはオーリエルをひざから押しのけ、オーリエルはぶざまに床に仰向けに転がる。怒りの涙がにじんでいた。
 デヴィルはオーリエルを抱きおこし、じっと両腕で抱きしめる。たくましい胸板。青い瞳がオーリエルの頭から足の先まで、まさぐるように見回す。
「よそに行ってるあいだに、ぼくが仕返しはかならずやってのける男だということを、忘れてしまったらしいな」
 おだやかな口調だった。オーリエルは震えながら、息をついた。
「わかったわ。仕返しはすんだんでしょ? もう、わたしの家から出て行ってちょうだい……私生児のくせに!」
 最後の言葉で、ふたりの視線がぶつかり合う。この侮辱の言葉を聞くと、デヴィルはいつも、怒り狂ったものだった。
 ゆっくりと、念をいれるように、デヴィルはオーリエルの長い髪に指を差し込み、ふいに力をみなぎらせて、オーリエルの顔を仰向かせる。
「ぼくらは‘がき’みたいに野蛮な遊びをやってしまったが」デヴィルの声は低く、にがかった。「でも、昔、きみがぼくに対してやってのけた裏切りほど残酷じゃなかった……これが最後の警告だぞ。二度と、そんな言葉でぼくを呼ばないでくれ」
「どんな言葉? 私生児ってこと?」
 オーリエルは楽しんでいるように言った。デヴィルの顔が怒りに黒ずむ。
「その言葉だけでも、デヴィルズ・リープのてっぺんから投げ落としたっていいんだぞ。そんなに、お尻をぶたれるのが好きなのか、オーリエル? ほんとうにそうか? きみの金持の夫がかまってくれないものだから、ロンドンの屋敷で金を数えるよりはるかに刺激的な暇つぶしを求めて、ここに戻ってきたのか?」
 オーリエルは自由になろうともがく。デヴィルの言葉に傷つけられて。
「はなしてよ。出て行って……」
「まだだめだ。もうひとつ、しなくちゃいけないことがある……」
「何よ?」
「これさ」
 デヴィルはしっかりオーリエルの髪をつかんだまま、力まかせに引きよせる。オーリエルは苦痛にうめいた。が、それも、デヴィルの唇にふさがれてしまう。
 そのまま、ふたりは争いながら、長いあいだ立ちつくしていた。オーリエルの顔は、髪をつかまれて無理やり仰向かされ、デヴィルの片手は、ひしとオーリエルを抱きしめていた。
 くすぶるような情熱的な沈黙を、オーリエルが破る。かろうじて身をよじり、荒々しく唇をぬぐいながら。
「出て行って! いますぐ、ここから出て行ってったら!」オーリエルは壁に体をもたせかける。まっ青な顔が震えていた。
 デヴィルはオーリエルをじっと見つめていた。かろうじて荒々しい行動に出るのを抑えているような、凶暴な目で。
「ジェリマイア伯父さまは賢かったのね、あなたをハガードの土地に近づけようとしなかったもの。腹黒い、残酷な悪魔じゃないの。あなたがなぜクレアと結婚したか、伯父さまにはわかってたのよ。チャーントリに手をかけたかったからじゃないの! そして、何の役にも立たなかったとわかると、たちまちクレアをほうりだして、かわいそうに、ノイローゼにしてしまったのよ。いまはどんな悪だくみをしてるの、デヴィル? 誰か未亡人でも手にいれたの? それとも、奥さんの看護師を口説くので手いっぱいなのかしら?」
 デヴィルは、両手を腰にあてて、オーリエルの悪口を平然と聞き流していた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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