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子供じゃないのに【ハーレクイン文庫版】

子供じゃないのに【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

両親を事故で亡くし、バレンジャー家に引き取られたアビー。年頃になって、後見人のカルフーンに恋心を抱くようになった。一回り年上のカルフーンは、端整なハンサムのプレイボーイで、次々と美人と付き合うのに、なぜか誰とも長続きしない。アビーの気持ちを「君は子供すぎる」と拒絶しながら、そのくせ父親づらして、ほかの男性との交際の邪魔もする。私だって、もうすぐ21歳よ。子供じゃない――一人前の大人の女性だと証明するために、アビーはひとりで、男性のストリップショーを見に行くことにするが……。

*本書は、ハーレクインSP文庫から既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「その上着に見覚えがあると思ったんだ」カルフーンが黒い瞳にかすかに怒りの色をちらつかせて見おろしていた。「町のなかを通って帰る気になって、ほんとうによかったよ。兄貴はどこだ? きみがここにいるのを兄貴は知ってるのか?」
「わたし、展覧会を見にいくって言っておいたの」アビーはおどけた調子を抑えることができなかった。ブルーグレーの瞳をきらきらさせてカルフーンを見あげながら、彼がそばに来たときにいつも感じるようなぬくもりを感じる。たとえ彼が怒っていても、そばにいられるだけでうれしかった。「ええと、これもまあ一種の展覧会のようなものよ」疑わしげな顔をする彼を見て、彼女は屁理屈を言った。「男の人の彫像のかわりに、生きた……」
「なんてことだ」カルフーンはおもしろがっている女たちの行列をにらみつけると、アビーの手を引いて、自分の白いジャガーのほうへ歩きだした。「行こう」
「帰らないわよ」アビーは身をよじりながら、きっぱりと言った。彼を怒らせるのは胸がわくわくする。「チケットを買って入るのよ。ちょっと、カルフーン!」彼の力強い両腕にあっさり抱えあげられて、アビーは抗議の叫び声をあげた。カルフーンは車のほうへどんどん歩いていく。
「ぼくが一日でも留守にしようものなら、必ずなにかばかなことをしでかすんだからな」彼は低いハスキーな声で言った。「この前仕事で出かけたときも、帰ってみたら、例のミスティ・デイビスとタホー湖へ行こうとするところだったじゃないか」
「ええ、そうよ。すんでのところでわたしを週末のスキー旅行から救ってくれたってわけよね」アビーは皮肉っぽく答えた。とはいえ、彼に抱えられて運んでもらうのは、なんとも気持ちがいい。彼のたくましさをこんなに身近に感じられるなんて。かすかに漂うスパイシーな香りと顔にかかる温かい息に、彼女はいままで感じたことのないうずくような興奮を覚えた。
「確か、大学生の男がふたり、一緒に行くことになってたはずだったな」
「わたしの車はどうするのよ。ここに置いてくつもり?」
「あんなものを盗むようなばかはいないさ」
「小さいけど、とてもいい車なのに」
「ジャスティンのかわりにぼくが一緒に行ってやったら、絶対にあんな車は買わなかったさ。兄貴はきみをすっかり甘やかしてるな。甘やかしたいのなら、シェルビーと結婚して、自分の子供をつくればよかったのに。かわりにきみをこんなふうに甘やかすなんて。あのスポーツカーは危ないんだぞ」
「わたしはあの車が気に入ってるのよ。お金は自分で払ってるし、あれはわたしの車よ」
 カルフーンは間近に顔を寄せて彼女を見おろした。
 アビーははっと息をのんだ。だめよ。わたしがいまどんなふうになっているか、彼に気づかれてしまう。
「わたし、もうすぐ二十一よ」
「いつもそう言ってるよな。それなのに、必ずこんなばかげたことをするんだから」
「大人になるのよ、どこがいけないの」アビーはぶつぶつ言った。「でもわたし、ほんとにちゃんと大人になれるのかしら。あなたなんか、まるで一生バージンのままでいてほしいみたいなんだもの」
「こういうところに入り浸ってりゃ、すぐに純潔なんてなくしてしまうに決まってるさ」カルフーンは怒ったように言いかえした。アビーがこういう話題を口にするたびに、彼は不機嫌になる。いまも車に向かって足を速めながら、彼のブーツは敷石の上で怒ったような音をたてていた。
 アビーはカルフーンの腕のなかで、彼を観察した。クリーム色のカウボーイハットの下の濃いブロンドの髪、エキゾチックなコロンの香り。そして浅黒い顔はきれいにかみそりがあてられている。なんてハンサムなのかしら。それに、とてもセクシーでたくましい。その男らしいからだのすべてを彼女は愛していた。だが、それを悟られてはならない。アビーはいつものようにユーモアでくるんで自分の気持ちを隠そうとした。
「わたしはもう大人よ。去年専門学校も出たし、卒業証書ももらってるわ。一人前のれっきとした秘書よ。飼育場のオフィスで、バンディさんについてちゃんと働いてるじゃない」
「わかってるよ。学校の授業料を払ったのも、くだらない仕事を世話してやったのもぼくだからな」カルフーンは車の助手席のドアをあけると、なめらかなレザーシートの上に彼女を座らせ、ばたんとドアをしめた。そして車の前をぐるりとまわって運転席に乗りこむ。
 車はすごい勢いで歩道のわきから飛びだし、町の大通りをつっ走っていった。
「アビー、きみが本気で男の裸を金を払ってまで見たいと思ってるなんて信じられないよ」
「わたしの服を脱がせようというのよりましでしょう」彼女はふりかえっておかしそうに言った。「わたしがだれかとデートしようとすると、いつもやっきになって怒るんだから」
 カルフーンは顔をしかめた。それはほんとうだった。どんな男であれ、そいつがアビーを誘惑すると思っただけで頭に血がのぼる。ほかの男がアビーにふれるなんて、許せなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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