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カタブツ騎士の溺愛蜜月〜強がり若奥様は甘くとろける〜

カタブツ騎士の溺愛蜜月〜強がり若奥様は甘くとろける〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

可愛がり方がまだ足りないか?
生真面目な旦那様の過激すぎる独占愛!!

幼い頃から好きだったテオドールと結婚したリュシエンヌ。長年抱えていた想いを全てぶつけるように愛してくれるテオドールだが、リュシエンヌには彼に言えない『秘密』があった。素直になれない心と体が、夜ごと激しく繰り返される情熱的な愛撫で少しずつとろかされていく。彼に真実を伝えようか戸惑ううちに、王家主催の舞踏会が近づいて……!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「好きよ……」
 とうとう言ってしまった。口から出た言葉は零してしまったミルクのように取り返しがつかない。
「私もあなたのことが好きだったわ。でも応えられない事情があるの。だから結婚は諦めてちょうだい。ただこのことだけは覚えていて」
 テオドールががばっと立ち上がった。その目が炎のように揺れている。
「本当か? 本当に私のことを想っているのか?」
 その熱っぽい声に胸が熱くなる。この声を聞いただけでもう満足だった。
「本当よ、神様にだって誓える。誰かと結婚してもこの言葉だけは忘れないで」
 するとテオドールはもう一度跪いた。
「他の人となんてするものか。リュシエンヌ、私と結婚してくれ」
 リュシエンヌはぎょっとして彼の顔を見た。引き締まった頬がほの赤く染まっている。
「あなたとは結婚できないと言ったじゃないの! 理由も言えない、とにかく無理なのよ」
 顔を逸らそうとしても、彼の瞳に囚われてしまった。どうしたらこの場を逃れることが出来るだろう?
 テオドールは膝をついたまま、真摯に語り掛ける。
「君こそ、こんな告白を聞いて私が諦められるとでも? 嫌われているならともかく、お互いに愛し合っているならどんな困難でも乗り越えて見せる」
「でも、秘密が」
「秘密ごと君を貰う。リュシエンヌ、私の妻になってくれ」
 美しい青い瞳から新しい涙が溢れた。
「どうして……そこまで私のことを?」
 二年間、ほとんど話もしなかったのに何故自分を想い続けていたのだろう。
 そう尋ねるとテオドールは優しく笑った。
「君の強さが好きだ。正しいと思ったらどんな相手にも折れることはない。そんな強さがまだ君の中にあるはずだ。そんな女性を私の妻にしたい」
 リュシエンヌの中に熱い気持ちが溢れる。
 テオドールの気持ちが嬉しい。
 こんな誠実な人に愛されて、これほど幸せな女がいるだろうか。
 困惑と歓喜が胸の中で渦を巻く。彼に諦めてほしい、でも引き留められると胸が熱くなる。
(本当はどうしたいのだろう)
 彼のことを想えば断らなくてはいけない。だが求められれば求められるほど甘い歓喜が体に満ちた。
(私はなんて身勝手なんだろう)
 彼を振り回して、それを楽しんでいる、自分は本物の悪女になってしまった。
 リュシエンヌはただ立ち尽くし、泣くしか出来なかった。テオドールはそんな彼女の前で忠実な犬のようにじっと待っている。
「お願いだ、君の固い気持ちを変えてくれ。どんな困難でも私が取り除いてみせる。君はただ、そのままで私の妻になってくれればいい」
 もう反論も出来なかった。なにが正解なのか、どうするのが賢明な道なのか分からない。
「君を心に抱いたまま他の女性を妻になど出来ない、それは不幸な結婚生活だ。君は私を不幸せにしたいのか?」
(ああ!)
 その言葉は強い麻薬のようにリュシエンヌの体を痺れさせた。
 気持ちが分かっただけでいいなんて嘘だ、彼と夫婦になり、一生を共にしたい。
 今まであまりに困難な生活だったから気持ちを押し殺していただけだ。
 本当は彼と一緒にいたい。彼を自分だけのものにしたい。
 そんな自分の激情にもう逆らえなかった。
「本当に……本当に私でいいの?」
 彼の両親は自分との結婚を承知しないだろう。代々騎士の家柄で貴族の中でも真面目な家風なのだ。
 テオドールが信頼してくれていても、彼らは自分を受け入れてくれるだろうか。
「あなたのお父上やお母上はきっと反対するわ。そうなったら」
「それは私に任せてくれ」
 テオドールは立ち上がってリュシエンヌの肩を抱く。
「二人に反対されるかもしれないが、私の意思が固いことを知れば分かってくれる。特に父は私のことを信じてくれるから」
 もうこらえることは出来なかった。唇が勝手に震えて、声が出ない。
「返事を聞かせてくれ。ウィかノンだけでもいい」
 リュシエンヌは、苦しい胸を必死で押さえて答えを絞り出す。
「ああ……! 愛しているわ、テオドール。あなたと生きていきたい」
 やっと、やっと言えた愛の言葉だった。二年間心に埋めて隠していた気持ち。
 それが愛の雨を与えられてようやく芽吹いた。
 もうその勢いは止められなかった。
「好きだったの、ずっと想っていたわ……他の誰も愛したことはない、本当よ」
 テオドールはそんな彼女のことを優しく見つめる。
「君の顔を今見せたいよ。今までで一番美しい顔をしている」
 髪は解かれ、化粧もしていない。それでも頬は内側から輝き青い瞳は輝いていた。
「君の唇にキスしたい。いいかい? もちろん節度は守る。婚約の証として」
 その言葉にリュシエンヌは戦慄した。キスという行為は嫌でもあの忌まわしい出来事を思い出させる。
(もし、彼とのキスがあの男を思い出させたら)
 その時はきっぱり結婚を断ろう。
 彼との結婚生活を汚らしい思い出で始めたくはない。
「いいわ……」
 リュシエンヌは目を閉じ、顔を上げた。ほんの少しの間をおいて、温かな感触が唇に当たった。
(ああ)
 彼の愛情がそこから流れ込んでくるようだ。
 ユグーとの行為とは全然違う。
 お互いの気持ちを確かめ合う、優しいキスだった。
「ああ!」
 いつの間にか、リュシエンヌのほうから彼に抱き着いていた。軽いキスは深く絡み合い、呼吸を交換する。
 テオドールも熱に浮かされたように彼女の腰を抱き、口づけを繰り返した。
「リュシエンヌ……この時を、どれほど待ち望んだことか!」
(私もよ、テオドール、あなたを愛している、愛している!)


*この続きは製品版でお楽しみください。

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