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鷹の王と無垢なメイド

鷹の王と無垢なメイド


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

この子は誰にも渡さない。たとえ相手が絶大な力を持つ王でも。

サルデーニャ島のホテルで働くハンナは、その誠実さを買われ、ザフリスタン国王クラルの専属客室係を任された。尊大で気難しい王の世話は気苦労が絶えなかったが、ある日彼に命じられて着飾り、パーティへ連れだされて驚く。なぜ今日は優しいの?月光の下のダンスは熱を帯び、誘惑されるまま、ハンナはクラルに純潔を捧げていた。やがて妊娠に気づいた彼女はザフリスタンへ向かうが、待っていたのはあまりにも残酷なクラルの言葉だった。「君に一生使いきれない金を渡そう。その子と引き替えに」

■人気作家シャロン・ケンドリックの筆が冴える、予期せぬ妊娠から始まるドラマティックなロマンスをお楽しみください。思いがけず国王の後継ぎを身ごもったヒロインに次々と試練が降りかかり……。

抄録

「今夜はありがとうございました、陛下」ハンナは丁重に言い、ドアを押し開けた。「ドレスと靴とネックレスを鞄に入れ、真っ先にお返しします。では、おやすみなさい」
 シークは聞いていないようだった。ハンナの肩越しに部屋を見るのに気を取られ、何か考えこんでいるように見えた。
「ずいぶん狭いな」小さなベッドと実用的な家具を見ながらクラルは言った。
「もちろんです」ハンナはむきになって言った。「わたしはスタッフですから」
 だが、クラルの頭の中には彼女の身分のことなど、かけらもなかった。彼の血をたぎらせ、理屈で冷まされるのを拒否している欲求不満以外のことは、本当に何も考えていなかった。
 善意で始めたダンスに欲望をそそられてクラルはひどく興奮し、彼女のなまめかしい胸のふくらみを指先でなぞりたくなった。そのときハンナが彼から離れ、帰りたいと言った。そんな経験はこれまでになかったので、彼は驚いた。そしていま、彼女は心から望んでいるというように堅苦しく“おやすみなさい”と言っている。だが、淡い青緑色の目が濃くなるのを見て、互いに欲望を抱いているのは間違いない。
 クラルに分別があれば、背を向けて立ち去っただろう。部屋に戻り、冷たいシャワーで情熱の火を消し去るだろう。そして明日、まっすぐザフリスタンに戻らず、スウェーデンに寄って、ここ数年ベッドを共にする時間がなかったあのすばらしいブロンドの女優を呼び寄せてもいい。先日、彼女からメールが届き、彼の女性関係が破綻して気の毒に思っていると言ってきた。さらに、追伸で彼に愛人になってほしいとはっきり書いていた。
 とはいえ、兵器さながらに男の肉体を苛む、骨ばった腰を抱きたいとは思わない。なまめかしさと柔らかさが欲しかった。顔をうずめることのできる官能的な胸のふくらみと、思う存分奪える豊かな唇が欲しかった。クラルは人生で初めて、経験したことのない世界に住むハンナが欲しかった。小柄な客室係にこれほどまでに渇望を覚えるのは、単なる目新しさのせいだろうか?
 ハンナを引き寄せ、彼女の背骨に沿って指先を走らせると、目が大きく見開かれた。
「クラル?」彼女がささやく。
「うん?」彼は曖昧な返事をして、互いの唇が触れそうなほど近くまで頭を下げた。キスができるほど近づいたが、首を横に振ることができるだけの猶予をハンナに与えた。彼から離れる二度目の機会を授けたのだ。クラルの飢えた体は反対していたが、そうするのが正しいと理性は語っていた。
 だが、ハンナは離れなかった。彼女の唇が開き、彼の下腹部で欲望が渦巻いているときに、自室に彼女を連れていくつもりはなかった。常駐しているボディガードは過去には数えきれないほどそうした行状を目撃しているが、いまは彼らの前を通りたくなかった。そのほうがいい。わざわざハンナを怯えさせる必要はないし、彼にとっては斬新だった。もう少し彼女を引き寄せると、彼の下腹部はさらに張りつめた。
「な、何をしているの、クラル?」ハンナは息を切らして尋ねた。
 女性はこんなとき、めったに独創的にはならない、とクラルは思った。ぼくが太陽光エネルギーに関する論文でも書いていると思っているのだろうか? 彼女の首のなめらかな肌に唇を滑らせると、ゆったりとしたキスのせいで声がくぐもった。「二人とも答えは知っている。きみとセックスをしようと思っている、きみが望んでいるなら……望んでいるんだろう?」
 ハンナは息をのみ、体の中で息づく感情と闘おうとした。これ以上進む前にやめるように言わなければ。触れてほしくてたまらない胸をシークが触れる前に。けれど、ハンナは言えなかった。とてもすばらしいと感じているものに背を向けることなどできるわけがない。これまで経験したことがないほどすばらしいものに。
 男性の腕に抱かれてこんなふうに感じるとは思わなかった。空中をふわふわ飛んでいるようだ。シークの唇が彼女の顎をかすめるなり、どうしようもなく声がもれ、まばたきをして目を閉じた。肌の上を官能的で湿った跡をつけているのはシークの舌なの?
 彼が同じことを繰り返すと、ハンナは身震いした。そう、やっぱり舌だ。
 彼が何か返事を待っているのかどうか、ハンナにはわからなかった。けれどふいに、彼の肩にしっかりと腕をまわしたとき、わたしは答えているのだと悟った。
「イエスと取っていいんだな?」クラルはうなるような低い声で言った。
「ノーでないことは確かよ」これほど大胆になれるとはハンナは自分でも知らなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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