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身代わり秘書の献身

身代わり秘書の献身


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャシー・ウィリアムズ(Cathy Williams)
 トリニダード・トバゴの出身で、トリニダード島とトバゴ島、二つの島で育つ。奨学金を得てイギリスに渡り、一九七五年エクスター大学に入学して語学と文学を学んだ。大学で夫のリチャードと出会い、結婚後はイングランドに暮らす。テムズ・バレーに住んでいたが、現在は中部地方在住。夫との間に三人の娘がいる。

解説

私は彼の、ただの秘書。同じベッドで眠るとしても。

プレイボーイ富豪ガブリエルの秘書を務めるアビーは、スペイン出張の際に立ち寄った彼の祖母宅で立ち尽くしていた。ガブリエルの婚約者だと誤解され、同じ寝室に通されたのだ。天蓋付きの巨大なベッド、その上に置かれたふたりの荷物……。恋の炎に焼かれて破滅していった前任の秘書たちの運命を教訓に、アビーはこの2年、彼の魅力を必死に無視しつづけてきた。しかし今、冷静な秘書の仮面がはがれ落ちるのを感じながら、彼女はガブリエルの衝撃的な言葉を耳にした。「僕の婚約者を演じてくれたら、君が望むだけの報酬を払おう」

■喜ぶ祖母の病状を気遣うガブリエルに頼み込まれ、うろたえながらも承諾したアビー。しかし、あまりにも親密な彼のしぐさに無垢な心はたやすく奪われ、罪深い喜びに身をやつして……。生真面目な田舎娘を突如襲った、激しくも切ない愛のゆくえをお見逃しなく。

抄録

「きみはぼくのもとで働きはじめてから、ぼくがデートした女性をひとり残らず知っている」ガブリエルが指摘した。
「彼女たちのことはほとんど知りません」アビーはそっけなく言った。「たしかにレストランやオペラのチケットの手配はしました。そのうちのおふたりは、オフィスにいらしたこともあります」
「ぼくが呼んだわけじゃないがね」ガブリエルは手広く恋愛を楽しんでいたが、ルーシーは別として、恋人がオフィスにまで押しかけてくるのには反対だった。それは一緒に食料品の買い出しに行くとか、料理をするとか、テレビを見るといったのと同じレベルの親密な行為で、奨励すべきことではない。
「でも、あなたは開いた本とは言えません」アビーがきっぱり言った。「ある事柄については喜んで自分をさらけだしても、そのほかのこととなると何も見えないんですもの」
 ガブリエルはこれ以上正確に自分を要約してみせた言葉はないのではないかと思った。その考えに落ち着かないものを感じ、ほんの数秒間、眉をひそめた。
「さっきも言ったが」彼はのんびりと言った。「きみは誰よりもぼくをよく知っている」
「それは必要性があって、恐ろしく長い時間をあなたのそばで過ごしたせいです」
「それは昇給を要求しているのかな、アビー?」
 アビーは顔を赤らめた。ガブリエルは彼女をからかっている。アビーは自分が境界線を越えて個人的な領域に踏みこんだせいでそうなったのだと認めざるを得なかった。
 また、彼がそんなふうに話すとセクシーな声がいっそう深くなめらかに響き、体のなかに快い刺激が広がることも認めなければならなかった。そう、これは不適切だ。しかし、どうしようもない。
 女性たちが次々とガブリエルの虜になるのも無理はない。彼に甘い魅力を放たれれば、とたんにまともに考えることができなくなる。
「全然違います」アビーは読むべき報告書を探しだして、画面に見入った。タブレットがなければ、紙をわざとらしくがさがさいわせていただろう。「お給料に不満はありません。この業界にいる者なら誰でも、あなたがいかに気前がいいか知っています」
「忠誠に対する報酬はいくら払っても払いすぎることはない」ガブリエルが認めた。「それにテクノロジーの世界では、飢えた競合他社が秘密を手に入れようと狙っているから、忠誠には非常に価値がある。きみがタブレットに指を打ちつけているのは、そろそろ仕事の話をさせろということかな?」彼が静かに笑い、アビーはぞくぞくしてうなじの毛が逆立った。「オーケー、始めてくれ。そんなに必死に見つめている報告書だ、早く内容を言いたくてしかたがないんだろう?」
 アビーはガブリエルに向き直り、大きく息を吸いこんだ。この雰囲気のなか、彼はアビーを動揺させ、ふたりのあいだの境界線を忘れさせた。自分にも責任の一端があるのはわかっていたが、それはどうでもいい。大事なのは、ガブリエルのもとで働きはじめた最初の日にアビーがふたりのあいだに引いた線だ。
 それは、前任の秘書たちの運命を知っているからというのもあった。みな、その線を踏み越えたせいで恋の炎に巻かれて破滅していったのだ。アビーが調べたところ、ガブリエルはいつも周囲に美人をはべらせて楽しんでいた。そして当然ながら、その美女たちは最後にはセクシーで魅力的なボスの魅力にまいってしまうのだ。ガブリエルの手にかかれば、話をしている相手は、彼が興味を持っているのは地上で自分ひとりだと錯覚してしまうのだから。
 アビーも取り引きに関して報告するとか、開発中のプログラムについて何か提案するといったときに、彼がその魅力を発動させるのを目撃したことがあった。ガブリエルは社員からの提案を奨励しており、それもまた社長と話すことで社員に自分を貴重な戦力だと感じさせるやり方のひとつだった。
 けれども、今のこれは……危険だ。彼は仕事の話をしているのではないのだから。
 アビーはこれ以上ガードをさげるつもりはなかった。ガブリエルにそれを理解させるのは、早ければ早いほどいい。
 なぜならアビーは常々心のなかで宣言していたからだ。自分に彼の魅力は効かない、と。魅力的な男に捨てられた経験のある彼女は、二度とそういう男にだまされるまいと思っていた。特に、多くの女性たちが簡単にまいってしまうのをこの目で見てきた、ガブリエルのような男性には絶対にだ。アビーは彼のために、関係を終わらせる挨拶代わりの花束を何度買いに行かされたか!
 しかし、ガブリエルもいつもとは勝手が違うらしい。たとえ彼がそう認めなくても、“悪魔は暇な人間に仕事を見つける”の諺どおり、低俗なからかいでアビーを悩ませている。それはまるでアビーの肌を羽根でくすぐるようなもので、彼女は赤面するしかない。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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