マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

大富豪と貧しき相続人

大富豪と貧しき相続人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 アンドレア・ローレンス(Andrea Laurence)
 文字が読めるようになって以来、ずっと読書と物語の執筆に夢中。世界中の人たちに自作の小説を読んでもらうのが長年の夢で、ロマンス小説作家として、現代物のみならずパラノーマル作品でも数々の受賞歴を誇る。10年来の恋人とともに、シベリアンハスキー犬や猫たちに囲まれ、幸せに暮らしている。

解説

お金も、豪華な住まいもいらない。ほしいのはあなたの愛だけ。

貧しいルーシーは学費を工面できずに大学を休学し、住みこみで資産家の老婦人の付き添いをして生計を立てていた。ようやく復学のめどがついた矢先、突然老婦人が亡くなり、ルーシーは弁護士から驚くべき遺言を聞かされる。財産のすべてを血縁ではないルーシーに相続させるというのだ。これに異を唱えたのが、故人の親族で大富豪のオリバーだった。彼から、金目当ての詐欺師となじられ、ルーシーも反撃するが、激しい感情のぶつかり合いはなぜか情熱の炎に取って代わり、気づけばルーシーは彼のベッドで朝を迎えていた。やがて彼女はオリバーの子を身ごもっていることに気づいて……。

■『仮面の富豪とエマの秘密』の関連作をお贈りします。ある日突然、資産家の相続人に……という夢のような出来事から一転、不遜なヒーローの子を思いがけず妊娠してしまい、窮地に立たされるヒロイン。ドラマティックな展開に釘付けにされる一作です。

抄録

「きみが正しいのかもしれない」オリバーは認めた。
 彼はルーシーのほうへ顔を向けた。彼女は今夜、白とシルバーのハイヒールをはいているが、それでも彼よりかなり背が低い。庭のテラスを飾るランタンの明かりを受けて、ルーシーの顔がゴールドに照らされ、彼女の顔をさらに美しく見せている。
 急にオリバーが折れたせいか、ルーシーは驚いたようにブラウンの目を見開いて彼を見た。「わたしが正しい? そう言ったの?」
「正しいのかもしれないと言ったんだ。ぼくがめかしこんでプレゼントに大金をつぎこみ、街からだいぶ離れたこのベビーシャワーの会場に来たのは、きみに会いたかったからかもしれない」
 ルーシーは顔をそむけて視線をそらした。「からかわないで。それに、ここで話しているのもどうかと思うわ。テラスにいてはベビーシャワーができないもの」
 オリバーはルーシーのほうを向き、片方の肘を手すりについて寄りかかった。「なかに戻るならどうぞご自由に」
 ルーシーはいぶかしげに目を細めて彼を見た。「なかでなにか企んでいるの? とにかく、もう言い争いはやめましょう。なかに戻ったら言葉も目線も交わしたくないわ」
 話しているルーシーの唇が震えているのにオリバーは気づいた。泣くのをこらえているのだろうか? 彼女が泣く理由はわからなかったが、そう思うと急に落ち着かなくなった。「大丈夫かい?」
「ええ。なぜ?」
「震えているから。本気で怒っているのか?」
 ルーシーは目をぐるりと回して首を振った。「いいえ、寒さのせいよ。ここは冷えるわ。一年のこの時期に外で議論するような服装ではないから」
 オリバーはためらいなく上着を脱いでルーシーに差しだした。彼女は一瞬疑うような目をしたが、背中を向けたので、オリバーは上着をかけてやった。
「ありがとう」ルーシーがためらいがちに言った。
「ぼくにだっていいところはある」
「それがわかってよかったわ。あなたと一緒に育ったなんてハーパーが気の毒だと思っていたから」
「ああ、それはかまわないよ。実際、ぼくはひどい兄だからね」妹への数々のいたずらを思いだして、オリバーはにやりとした。「妹が八歳のときには、父が購入した明王朝の花瓶を、床に落としたら弾むと妹に信じさせた。それで妹はさんざんな目に遭ったんだ。いくらぼくから聞いたと言っても父は信じなかった。妹は嘘をついた罰として、それから一週間は外出禁止だった」
 ルーシーは口もとがゆるむのを手で隠した。「なぜ急にわたしにやさしくするの? わたしと口喧嘩をするために来たのではないのに、あなたはなかにいるジョナや友達のところへ行こうとはしない。なにが狙いなの?」
 いい質問だ。オリバーはじつのところ、なにも考えていなかった。周囲の客たちの注目を集める前にルーシーを連れだしたかっただけだ。だが言い争いをやめると、彼女との会話を楽しんでいる自分に気づいて驚いた。一緒にいればいるほど、もっと一緒にいたくなる。
「狙いなどないよ、ルーシー」あるとしても、オリバーは教えないだろう。「大おばがきみをどう見ていたか知ろうとしているのかもしれない」
 ルーシーは反論しようと口を開けたが、彼は両手をあげて制した。
「責めるつもりはないから、そうむきにならないで。ぼくはただ、大おばが本当に五億ドルの財産を遺そうと決めたのなら、きみはさぞすばらしい人物なのだろうと思ったんだ」オリバーは身を乗りだし、無意識にルーシーとの距離を縮めた。「きみがどんな人なのかもっと知りたい」
 ルーシーは鼻にしわを寄せたが、これまでとは違って当惑しているようには見えなかった。「それで、これまでのところはどう思うの?」
「これまでのところ……」気のきいた答えが見つからず、オリバーは本音を話すことにした。「きみに好意をおぼえている。必要以上に。きみは刺激的で、知的で、美しい」
 ルーシーの唇がかすかに開いた。「わたしは美しい、と言ったの?」
 オリバーはうなずいた。
 彼がなにか言う前に、腕のなかにルーシーが飛びこんできて、ピンク色の唇を彼の唇に重ねて体を押しつけた。彼は一瞬、動けなくなったが、すぐに両腕をルーシーの腰に回して強く抱き寄せた。
 キスされるのは予想外だった。まったく考えてもいなかった。
 ルーシーは唇を重ねたまま、大胆に彼の舌を探している。オリバーはつい反応してしまった。ルーシーはいままで彼がキスしたどの女性よりも情熱的に求めてくる。
 これは賢明ではないし、適切でもなかった。だがオリバーはルーシーから体を離せなかった。彼女はベビーシャワーのパンチのように甘く、ラベンダーのような香りがする。彼女の香りを胸の奥まで吸いこんで、いつまでもとどめておきたい。
 しかし、それは唐突に終わった。
 ルーシーが体を離すと、オリバーは下腹部が欲望にうずくのをおぼえた。いまはどうしても抑えなければならないのに、ルーシーが近くにいると感情があふれそうになる。腕を伸ばして彼女を再び引き寄せないようこらえるので精いっぱいだ。
 自制心を奮いおこしてなんとかこらえられたのはよかったが、いきなりルーシーに拳で鼻を殴られ、欲望はどこかへ飛んでいってしまった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。