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かなわぬ恋にこの身を捧げ【ハーレクイン・セレクト版】

かなわぬ恋にこの身を捧げ【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・メイジャー(Ann Major)
 USAトゥデイのベストセラーリストに載り、他の大人気作家たちからも賛辞を寄せられる。中でもサンドラ・ブラウンは“表紙に彼女の名前がある――すなわち、その本はいい読み物を意味する”と絶賛。生粋のテキサス人で、英文学とスペイン文学の修士号を持ち、二年間教師をしていたこともある。英語、スペイン語はもちろん、フランス語も堪能。作家としての輝かしいキャリアに加え、三十年続けてきたピアノのほうもプロ並みの腕前。旅行に行くのが好きで、趣味は夫とコロラド山中をハイキングすることだという。

解説

マディは、恩師を見舞うため6年ぶりに故郷に帰った。かつて狂おしいほど愛した、コールの子を連れて。名家の御曹司コールと結ばれることは、かなわぬ夢だった。あの日――急な事情で町を飛び出したマディは、やがて妊娠に気づき、コールに手紙を書いた。だが、返事はこなかったのだ。マディが帰ってきた。ぼくを捨て、母親の情夫とともに姿を消した恋人が。コールの胸に喜びと憎しみが交錯した。清純なふりをした淫らな娘をまだ忘れられないとは、どうかしている!我知らず足は、昔二人が秘密の逢瀬を重ねた淵へと向かう。そこには先客がいた。マディ!懐かしい菫色の瞳は、悲しげに彼を見た。

■名作を厳選してお届けする人気シリーズ、HQセレクトは、ハーレクイン日本上陸40周年となる今年、記念すべき600作目を迎えることができました。皆さまのご愛読に心より感謝いたします。秘密と誤解と嘘で引き裂かれた二人は……?劇的シークレットベビー物語!

*本書は、ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「早く向こうへ行って」マディがコールをせかした。
「きみが馬房の外に出るまでは、この場から一歩も動かない」コールは言った。
「聞き分けの悪い人ね――あなたがいなくなったら、すぐ馬房から出るわ」馬を怖がらせないよう、抑えた口調でマディが言った。
 彼女の訴えるようなまなざしにうながされ、コールはしぶしぶその場を離れた。数分後、無事に馬房の外に出たマディは裏口から表に出ようとした。そんなにぼくと顔を合わせるのがいやなのか。コールはかっとして彼女のあとを追った。
 彼を見てぎょっとしたマディの両腕をとらえ、その背中を乱暴に壁に押しつける。「許可なく他人の土地に入りこむのは罪なんだぞ! 暴れ馬と一緒にいるきみを見て肝がつぶれたじゃないか!」
「わたしはただ、仕事をしていただけよ」
「仕事?」
「そう、リアム・ロジャースに雇われたの」
 リアムはこの牧場の牧童頭だ。「なぜきみが? もっと優秀な人材がいるはずなのに」
 マディがいやな顔をした。「わたしが雇われたのは、与えられた仕事をこなす能力があるからよ。お気楽な大学生のあなたとは違うわ。わたしはここで無料の乗馬レッスンを受けるために厩舎の掃除をしているの。リアムはわたしの手で馬場に引き出されたワイルド・シングがおとなしく鞍をつけられるのを見て卒倒しそうになったわ。わたしを調教師として雇う気になったのは、わたしがワイルド・シングをみごとに乗りこなしてみせたからよ」
「きみには専門的な知識などないはずだ」
「たとえそうだとしても、ほかの誰にもできなかったことをしたわ!」
「運がよかっただけだ! 馬の体重は五百キロほどだが、脳はトマトくらいの大きさしかない。人間に対する警戒心も強いんだ」
「それくらい、わたしだって知ってるわ!」
「ワイルド・シングは手のつけられない暴れ馬だ。もう二度と、あの馬に近づくんじゃない!」
 マディが反抗的な目でコールを見た。
 それが彼の怒りをあおった。「きみはあの馬に蹴り殺されていたかもしれないんだぞ!」
「あなたが厩舎に入ってこなければ、あの子はあんなふうに暴れなかったわ!」
「そうか! 悪いのはぼくだと言うんだな? このことを牧場主に報告したほうがよさそうだ」
「だめよ! あの子が処分されてしまうわ」
「処分されて当然だ」
「そんなことないわ! お願いだから見逃して……。あの子はあれでもずいぶんおとなしくなったのよ。あの子の訓練には時間と忍耐が必要なの。前の飼い主にひどい目に遭わされたから」
「このまま放置したら死人が出る」
「あなたのように何不自由ない生活を送ってきた人には、虐げられたものの気持ちがわからないのよ!」
 ワイルド・シングのために切々と訴えるマディの声に自己憐憫の響きはなかった。涙に濡れた彼女の瞳がアメジストのように美しくきらめいた。
「あの子はリジーのお気に入りでもあるの。だからお願い、許してやって!」
 情熱的で心優しいマディは……擦り切れたジーンズと色あせたシャツを着ていても魅惑的だった。
 ラベンダー色の光と影を宿した宝石を思わせる彼女の瞳がコールを狂わせた。薄暗く、人目のない厩舎でマディと体を密着させていたせいだろうか。欲望が頭をもたげ、女らしい曲線を描く柔らかな体の感触が情熱をかき立てた。
 この場でマディを自分のものにするのは簡単だ。
 彼女のふっくらした唇にキスしたい。口のなかへ舌を差し入れたら、マディはいやがるだろうか?
 コールは彼女の熱いまなざしが口づけを誘っているような気がした。
「何をするつもり?」マディがコールを見つめながら身を硬くした。「放して!」
「心にもないことを言うなよ」
 コールは飢えたような目で彼女を見た。マディの胸はみずみずしく、柔らかかった。キスだけではものたりない。コールは彼女のすべてがほしくなった。マディはあの悪名高きジェシー・レイの娘だから、ぼくを拒みはしないはずだ。
 コールはマディの肩をつかんでぐいと引き寄せた。罪の意識は感じなかった。すかさず彼女と唇を重ね、むさぼるようなキスをする。マディがあえぎ、吐息を漏らしながら彼の体を引き寄せて唇を開いた。ところが、ふたりの舌がふれ合うと同時にマディが身をこわばらせ、両のこぶしでコールの胸板を激しくたたいた。
 それでも抱擁を解かずにいると、マディの顔が怒りに染まった。「相手がリジーだったら、こんな強引なまねはしないはずよ!」
「きみはリジーじゃない。ジェシー・レイの娘だ」
「だから人間らしい扱いをしないでいいと思ってるの? わたしにも感情はあるのよ! わたしは母とは違うわ! もうわたしにかまわないで、聖女のようなリジーのところへ行って! わたしはあなたとつきあってるわけじゃないし、つきあいたいとも思わない!」
 最後のひとことは嘘だ、とコールは思った。屈辱の涙に濡れた菫色の瞳と、苦悩に満ちた声の響きがマディの本心を告げている。マディはぼくを求めているが、安っぽい女のように扱われるのがいやなのだ。彼女の純な恋心に気づいたコールは、不埒なまねをした自分を恥じたが、彼女を我がものにしたいという思いはつのるばかりだった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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