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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

ゆるされぬ愛

ゆるされぬ愛


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

彼の目になって、彼の手を引いて。二人で一人なのに、誰よりも遠い……。

「ぼくのもとで住みこみの個人秘書になってくれないか?」失明した世界的大富豪コナーに請われ、エマは複雑な思いでうなずいた。本当は彼に謝りに来たのだった――先日、湖上で事故を起こし、あなたから光を奪ったのは、このわたしです、と。だがコナーの思いがけない言葉に機会を逸し、言いそびれてしまった。せめて彼の目の代わりになって、見るものすべてを伝えよう。そして、日々償いながら、時機がきたら真実を打ち明けるのだ。けれども時が彼女に与えたのは、愛という名の足かせだった。わたしには彼を愛する資格なんてない。なのに、彼の唇に抗えない……。やがてエマの体に妊娠の兆候が現れるが、そう告げる間もなく、コナーがかねてより外部に調査させていた失明事故の原因が明らかに――

■大スター作家ダイアナ・パーマーが1979年に書いた話題作『ボスに囚われて』を下敷きに、新たなエピソードをふんだんに盛りこんだ完全版長編!本作にかける思いを綴った作家メッセージが冒頭に掲載されています。人気シリーズ〈テキサスの恋〉の面々も登場。

抄録

 電話が鳴り、エマが出ると、相手の女性がコナーに代わってほしいと言った。エマは名前もきかずに受話器を彼に手渡し、自分の仕事に戻った。
 そっけない会話のあと、コナーは短い罵りの言葉を吐いて受話器を荒々しくおき、怒鳴った。「この女からの電話は二度と取り次ぐな。わかったか?」
「イエス、サー!」エマが顔を紅潮させて答えた。
 コナーは髪をかき上げ、毒づいた。「女というやつは、どいつもこいつも! ミンクもフェラーリも、卵ほどの大きさのダイヤもやったというのに、まだつきまとうつもりか」
「お気の毒に。家の周りに塀でも作ったらどうですか?」エマがつぶやいた。
「くそっ」コナーは怒りに燃える目で立ち上がった。「冗談じゃないぞ」
 癇癪を起こしたコナーは本当に恐ろしい。エマは息を殺して静かに座ったまま、次の怒りの爆発に身構えた。
「仲直りしたい、だと?」コナーがうなる。「ぼくからさらにむしり取るつもりか。戻れるなら何でもする、とは。いっそ鮫に食われたほうがましだ」
 どうぞ食われてくださいと言いたいのをこらえ、エマは銅像のように固まったまま待った。
「結婚などまっぴらごめんだ。家族などいらない。今のままの生活で満足なんだ。なのにあの女、ぼくの財産を受け継ぐ息子が必要だろうなどと言った。息子だと」コナーがデスクを拳で思いきり叩き、エマは飛び上がった。「要するにあの女はぼくの子を妊娠し、今後一年半の間、ぼくに面倒を見てもらおうという魂胆なんだ。冗談じゃない!」
 エマは一言も発しなかった。
「これまでずっと注意してきた」食いしばった歯の間でコナーがうめいた。「女がピルをのんでると言っても絶対に信用せず、罠をかけて結婚に持ちこもうとする女たちから逃げてきたんだ。ぼくはその場限りの関係だけを求めているのに、女たちは永遠をよこせと言う。この世に永遠などあるものか! そんなものを信じるのは愚か者だけだ!」
 その怒りのすさまじさに、エマは震え上がった。
「そんな女の電話をきみは取り次いだ」怒りに燃える見えない目を、コナーはエマのいるであろう方向に向けた。「ぼくに確認することもせず、そのまま受話器を渡したんだ。いいか、もう一度同じことをしてみろ、寝間着のままで前庭の芝生にほうり出すぞ! わかったか? 返事しろ!」
「わかりました、ミスター・シンクレア」エマはこみ上げる涙をこらえ、震える声で答えた。タイプしようとしても手が震えてできない。
「コーヒーをくれ」コナーが命じた。
「イエス、サー」エマはよろめく足で立ち上がった。
「エマ!」
 エマは足を止めた。「は、はい?」声を震わせる。
 コナーはためらい、眉をひそめた。「ここへおいで」低く優しい声で言った。「おいで」
 不安に震えながら、エマはゆっくりとコナーの前まで行った。
 手探りで彼女の肩に触れたコナーは、そのまま温かくたくましい腕の中に抱きすくめた。彼の胸に頬をつけたエマの涙がシャツを濡らした。
「泣いているのか?」コナーがたしなめるように言った。「おいおい、ぼくは人食い鬼じゃないぞ」
「いいえ、鬼です。鬼のように恐ろしいわ」エマが涙声で答えた。
「人はそう言うな」コナーはエマの髪にキスをした。女の涙に罪悪感を覚えるなど、今までなかったことだ。「泣くのはやめなさい。もう怒鳴らないから」
「電話の人がどういう人か知らなかったんです」エマがしゃくり上げた。
 コナーは彼女をさらに強く抱きしめ、のど元に顔をうずめて柔らかな長い髪をなで、その手で背中を優しくなぞった。「そうだな」
 彼の唇がのど元をかすめ、エマははっと息をのんだ。胸が高鳴る。こんなに密着していると変な気分になる。スティーヴンにさえ感じたことのない、さざ波のような快感がこみ上げてくる。この人には何か独特の官能的な魅力がある。
「いい気持ちか?」彼女ののど元に顔をうずめたままコナーが笑った。
「ミスター・シンクレア、もう行かないと……」
 二人の頬が触れ合う。「行くって?」今にも重なりそうな唇の間でコナーがささやく。
「わたし……」エマがあえぐ。
「どうした?」
 どうすればいいのだろう。つき合った男性といえばスティーヴン一人だけだし、スティーヴンはエマにほとんど触れようともしなかった。今コナーに誘われているような親密な触れ合いなど、まったく経験がない。エマは彼の腕の中で身を硬くした。
 コナーは体を離し、いぶかしげに目を細めた。エマの若い体は棒のようにこわばっているのに、息ははずみ、高鳴る胸の鼓動も伝わってくる。エマが彼に心ひかれているのは間違いない。だがそれと同時に恐れてもいる。「何を怖がっている、エマ?」


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