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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

孤高の富豪と片恋妻

孤高の富豪と片恋妻


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 タラ・パミー(Tara Pammi)
 子どもの頃から本の虫だった彼女は10代でロマンス小説に夢中になり、教科書の陰に隠して読みふけっていた。修士課程修了間近のある日、卒業論文を書くためにパソコンに向かっていたはずが、気がつくと物語のプロローグをタイプしていた。無事卒業し、世界一理解のある夫のサポートを得て小説を書き始め、現在はアメリカのテキサス州で執筆に勤しんでいる。

解説

3カ月後、彼を後悔させてみせる。妻を捨てなければよかったと。

ヴァレンティナはギリシア富豪カイロスの熱烈な求愛を受け、祝福されて結婚した。それがすべて計算ずくとは知らずに。夫はCEOになりたくて、恩人の娘の私に偽の愛を囁いただけ。その残酷な現実に耐えきれず、家を出たヴァレンティナの前に9カ月後しかし、突然夫が姿を現す。結婚直後から、私を浅はかで無能な妻と罵倒し続けた彼がなぜ?カイロスは莫大な金と引き換えに、3カ月間ギリシアで完璧な妻を演じろと迫った。体の相性だけはいいから存分に味わわせてもらうと、嘲りの笑みを浮かべて。

■理不尽きわまりない夫の言動に、またしても絶望の底へ落とされたヒロイン。再開した同居生活は波瀾の連続で……。型破りなストーリー展開で人気沸騰中のT・パミー。一度読んだらやみつきになること請け合いです!『大富豪の秘密の愛し子』関連作。

抄録

「いいか、かわいい人《ペテイ・ム》、僕たちがこの結婚生活において意見の一致を見るのは、ベッドの中だけだ」
 カイロスは誰にも渡すまいとばかりに妻のうなじをつかんだ。その顔には、興奮だけではない何かが色濃く刻まれていた。
「結婚の誓いを破ったのは君のほうだ。あっと驚く行動や情熱的な言葉で、繰り返し愛を伝えてきたのも。僕の望みは平穏な結婚生活を送ることだけだった。なのに、気まぐれで駄々っ子の君は逃げ出した。女王である自分の足元に僕がひれ伏すという妄想が打ち砕かれたからだ。書き置きも電話もなく、“兄たちに会いに行く”と護衛に告げただけで。僕は肝を冷やしたよ。誘拐犯が身代金を要求してくるんじゃないかとか、君は事故死して遺体安置所に横たえられているんじゃないかとか、君に侮辱された誰かが我慢の限界に達してその首を絞めたんじゃないかとか……」
 ヴァレンティナは胸をどきどきさせながら夫を見つめた。カイロスの指が柔肌に食いこんでくる。夫がそんなふうに感情をあからさまにする姿を見るのは初めてだった。
「しまいには、僕を不憫に思ったレアンドロが教えてくれたよ。君は無事だ、僕との結婚生活から身を引いただけだ、と」
 ヴァレンティナは胃のよじれる思いがして、壁にぐったりともたれた。夫が私の身を案じ、怯えていたなんて。「私……ごめんなさい。そんなことになっているとは……」
「今ごろ謝られても遅い」
「私はあなたとレアンドロに腹を立てていたのよ。だって、知ってしまったんだもの。私は実は、母とお抱え運転手の間にできた子供で、コンティ家の血を引いてはいないことを。あなたが私と結婚したのは、愛情ゆえではなく、兄との取り引きの一環だったということも。実際、あなたは九カ月も私を捜しに来なかった」悲痛な心の叫びが口からもれる。
 その瞬間、カイロスの目からいっさいの感情が消えた。うつろな目をして一歩下がり、妻の体から手を離す。「君が結婚生活を放棄したと知ってから、僕は君のことを考えるのをやめた。つむじ風のような妻を捜しまわるより、ずっと重要で差し迫った問題を抱えていたからな」
 ヴァレンティナは胸が張り裂けそうになった。だけど、これでよかったのだ。夫の口から今の言葉を聞けたのだから。これでもう、真夜中に独りベッドの中で考えずにすむ。家出したのは間違いだったのではないか、結婚生活をやり直すチャンスはあるのだろうか、と。明日からはカイロスと会うことなく、二度と憎まれ口を聞かずにすむのだ。
「オーケー。あなたは重要な問題を抱えていたし、私は決断を下すためにじっくり考える時間を持てた――そういうことね。気づくのに九カ月かかったけれど、衝動的に家を出たのは正解だった。離婚後の扶養料はいらない。なんとか自分で生計を立てるつもりだから」
「物乞いみたいな服を着てロシアの投資家たちに体を売ることでか? 君がこの九カ月で手に入れたのは体目当ての男だけだろう。認めるんだ、ヴァレンティナ、君にはなんの才能も特技もない。君の価値はコネだけだ」
「ええ、わかっているわ。この九カ月で一生分の教訓を得た。でも、よかった点がひとつだけある。あなたは私と結婚してコネを手に入れるつもりだったのに、もはやそんなコネはなくなったということよ」
「お兄さんたちは君と縁を切っていない」
「私は兄たちと完全に縁を切ったわ。あの贅沢な暮らしとも。今や私はまったくの役立たずよ――少なくともあなたにとっては」
「それは僕へのささやかな復讐か? 一時的に彼らと縁を切り、僕が得ようとしていたものをだめにする気か?」
「私の夫になれば必ずコネが手に入ると思っていたなんて、あなたも甘いのね。愛する兄たちと距離をおいて過ごすのは、胸がちぎれるほどつらい。でも、それは私が自分と向き合うために払わなければならない代償なの」
 ようやく私の本気度が伝わったみたい、とヴァレンティナは思った。なのに、カイロスの顔つきは依然として非情に見えた。
「この結婚生活は、僕が終わりだと言わないかぎり終わらない」
「私が望むのは、あなたが紙切れに署名してくれることだけ。あなたから私への財産譲渡についても、権利を放棄してくれと言われれば、そうするわ。九カ月前に私を追いかけてこなかった時点で、あなたはもう自分の人生から私を抹消していた。なのに、どうしてこの結婚を長引かせようとするの? 男としてのプライドが傷つくから?」
「たとえ君が望まなくても、僕の財産の半分は君のものになると決まっている。僕は“永遠の愛”という愚かな妄想を君にいだかせ、君の体から快楽を得てきた。その代償として莫大な金を払うから、離婚は三カ月先にしてくれ、いとしい人《グリキア・ム》。君の体も、もう少し味わわせてほしい。僕が払う金額の分だけ」
「払う金額の分だけ、私の体を……」その言葉は、ただでさえずたずたになっていたヴァレンティナの心を容赦なくえぐった。彼女は全身に怒りをみなぎらせ、夫に向かって手を振り上げた。
 カイロスは電光石火の早業で身を翻し、妻の平手打ちから逃れた。そして強靱な体にそぐわない優しいタッチで妻の手首をつかみ、彼女を後ろの壁に押しつけた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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