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著者プロフィール
遠野 春日(とおの はるひ)
2月5日生まれの水瓶座。出身地は西方、東京都在住。血液型は「調べてないけど0型のはず」。趣味は舞台鑑賞、習い事はヨガと英会話。おもな著作に<茅島氏>シリーズ、<情熱>シリーズ、<貴族>シリーズ、<金曜紳士倶楽部>シリーズ他がある。月刊体制といえるほどの執筆をこなしながら、さらに同人誌活動も行うなど、精力的な活躍を続ける人気作家。
2月5日生まれの水瓶座。出身地は西方、東京都在住。血液型は「調べてないけど0型のはず」。趣味は舞台鑑賞、習い事はヨガと英会話。おもな著作に<茅島氏>シリーズ、<情熱>シリーズ、<貴族>シリーズ、<金曜紳士倶楽部>シリーズ他がある。月刊体制といえるほどの執筆をこなしながら、さらに同人誌活動も行うなど、精力的な活躍を続ける人気作家。
解説
『俺がおまえを慰めてやる』
真面目で物静かな公英は、兄の婚約にショックを受け酔いつぶれかけていたとき、危険な香りを放つ東と出会った。下心つきの東の甘い言葉に流されるまま公英は身を任せてしまい、ついには自分の兄が好きだと知られてしまう。弱みをちらつかせながら日々公英に迫る傲慢な東。たまに見せる不器用な優しさに悪い男と知りつつも惹かれていく公英。冷たく横暴な男だけど、キスは甘く熱く、躰の奥の疼痛を呼び覚ます――!!
※ 電子版には挿絵は収録されておりません。ご了承ください。
真面目で物静かな公英は、兄の婚約にショックを受け酔いつぶれかけていたとき、危険な香りを放つ東と出会った。下心つきの東の甘い言葉に流されるまま公英は身を任せてしまい、ついには自分の兄が好きだと知られてしまう。弱みをちらつかせながら日々公英に迫る傲慢な東。たまに見せる不器用な優しさに悪い男と知りつつも惹かれていく公英。冷たく横暴な男だけど、キスは甘く熱く、躰の奥の疼痛を呼び覚ます――!!
※ 電子版には挿絵は収録されておりません。ご了承ください。
目次
悪い男
抄録
「もう入ってないようだが」
男は公英の手元をちらりと見て、グラスが空なのに気を回してくれた。
「せっかくだから後一杯どうだ。それとも帰るところか?」
初対面でいささか強引な気もするが、男には有無を言わせない雰囲気がある。関わり合うのも躊躇うが、それ以上に拒絶する勇気が出せない。
じゃあもう一杯だけ、と公英はバーテンダーに頼んだ。
バーテンダーも今度は畏まっている。きっと男が怖いのだな、と公英は勝手に解釈した。こういうタイプに下手に逆らっても面倒なだけだと思うのは、むしろ自然なことだった。
男が手にしたのはバーボンのロックだ。
成り行き上二人は軽く杯を掲げ合って目で乾杯した。
「初めて見るな。名前は?」
「……秋庭です。秋庭公英といいます」
あなたは、と聞く前に、男も名乗った。
繁野東。どうやら彼はこの店の常連客のようだ。
奇妙なことになったが、少なくとも一杯を飲み終えるまでは席を立てそうにない。公英は少し緊張しながらグラスを傾けた。
こういうタイプの知り合いは他にいないので、どう対していいか迷う。
自分から話しかけることはとてもできず、かといって黙りこくったままなのも辛い。
東の方はあっという間に一杯目を干してしまうと、すぐにおかわりを作らせた。まったく顔色が変わっていないところを見ると相当強そうだ。
兄とはまるでタイプの違う男なのに、身に纏っている香水が同じせいか、公英は落ち着かなかった。よりにもよって、兄のことで消沈しているようなときに、こんな偶然がある。これでは意識するなという方が無理だ。
ウイスキーを飲みながら軽く目を閉じる。
するとまるで隣にいるのは兄のような気がしてくる。
頭の芯がじんと痺れた。
下半身も重みを増す。
酔っているのだ。このままではいけない。もうグラスを置いて帰ろう。
そう思ったとき、横合いから兄とは違う低い声で名前を呼ばれた。
「公英」
カアッと顔が熱くなる。
きっと首筋まで赤くなっているだろう。
たった今この場で名乗り合っただけの見ず知らずの男に、あろうことかいきなり呼び捨てにされてしまった。けれどそれは東の雰囲気からはまったく違和感がなく、公英はすでに東と数度会って話したことがあるような気にさせられてさえいた。
「なぜこの店に来た?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
男は公英の手元をちらりと見て、グラスが空なのに気を回してくれた。
「せっかくだから後一杯どうだ。それとも帰るところか?」
初対面でいささか強引な気もするが、男には有無を言わせない雰囲気がある。関わり合うのも躊躇うが、それ以上に拒絶する勇気が出せない。
じゃあもう一杯だけ、と公英はバーテンダーに頼んだ。
バーテンダーも今度は畏まっている。きっと男が怖いのだな、と公英は勝手に解釈した。こういうタイプに下手に逆らっても面倒なだけだと思うのは、むしろ自然なことだった。
男が手にしたのはバーボンのロックだ。
成り行き上二人は軽く杯を掲げ合って目で乾杯した。
「初めて見るな。名前は?」
「……秋庭です。秋庭公英といいます」
あなたは、と聞く前に、男も名乗った。
繁野東。どうやら彼はこの店の常連客のようだ。
奇妙なことになったが、少なくとも一杯を飲み終えるまでは席を立てそうにない。公英は少し緊張しながらグラスを傾けた。
こういうタイプの知り合いは他にいないので、どう対していいか迷う。
自分から話しかけることはとてもできず、かといって黙りこくったままなのも辛い。
東の方はあっという間に一杯目を干してしまうと、すぐにおかわりを作らせた。まったく顔色が変わっていないところを見ると相当強そうだ。
兄とはまるでタイプの違う男なのに、身に纏っている香水が同じせいか、公英は落ち着かなかった。よりにもよって、兄のことで消沈しているようなときに、こんな偶然がある。これでは意識するなという方が無理だ。
ウイスキーを飲みながら軽く目を閉じる。
するとまるで隣にいるのは兄のような気がしてくる。
頭の芯がじんと痺れた。
下半身も重みを増す。
酔っているのだ。このままではいけない。もうグラスを置いて帰ろう。
そう思ったとき、横合いから兄とは違う低い声で名前を呼ばれた。
「公英」
カアッと顔が熱くなる。
きっと首筋まで赤くなっているだろう。
たった今この場で名乗り合っただけの見ず知らずの男に、あろうことかいきなり呼び捨てにされてしまった。けれどそれは東の雰囲気からはまったく違和感がなく、公英はすでに東と数度会って話したことがあるような気にさせられてさえいた。
「なぜこの店に来た?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
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形式
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