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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

盗まれた伯爵家の花嫁

盗まれた伯爵家の花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ケイトリン・クルーズ(Caitlin Crews)
 ニューヨーク市近郊で育つ。12歳のときに読んだ、海賊が主人公の物語がきっかけでロマンス小説に傾倒しはじめた。10代で初めて訪れたロンドンにたちまち恋をし、その後は世界各地を旅して回った。プラハやアテネ、ローマ、ハワイなど、エキゾチックな地を舞台に描きたいと語る。

解説

傷心の花嫁を待っていたのは、愛する人との屈辱の結婚だった……。

ソフィーは家を繁栄させるため、育てられた人形だった。政略結婚で人生が終わる前に、せめて情熱や愛を知りたい。一目で惹かれたシチリア富豪レンツォにバージンを捧げた結果、彼女はおなかに小さな命を宿した。しかし再会した彼はなぜか激怒していて、妊娠を言い出せず、ソフィーは親が決めた伯爵と結婚するしかないことに絶望する。チャペルに乗りこんだレンツォが、花嫁の彼女をさらうまでは。彼はソフィーを自分の城に閉じこめ、離婚を前提とした結婚と赤ん坊の親権を要求する。その目には彼女への憎悪しかなかった。

■J・ポーター作、R−3379『シンデレラを拒んだ秘書』の関連作をお届けします。ヒーローによって情熱を知るまで、人間らしい感情を封じられていたヒロイン。だが、炎と氷の二人は惹かれ合うほどに傷つけ合い……。C・クルーズ得意の、危険で刺激的な物語です!

抄録

なんにしても、あきらめて受け入れるしかないとソフィーはわきまえていた。なのに結婚式が近づくにつれて、なぜかあきらめの気持ちは消えていく一方だった。
けれども、それもしかたないのかもしれない。そう思ってソフィーが顔を上げたとき、彼がいたのだ。
あの夜のレンツォはダークスーツを着て、シャツの襟元を開けていた。その服装のおかげで彫像のような長身はいっそう際立ち、一目見ただけでたくましい体の持ち主なのがわかった。長すぎる豊かな暗褐色の髪にはいくらか金色がまじっており、まばゆい陽光に恵まれた永遠の夏を思わせた。官能的な唇に高い頬骨、欲望を秘めた暗い琥珀色の目のおかげで顔立ちは詩人のようなのに、立ち居ふるまいは王にしか見えなかった。
あの人は私のところへやってくる、とソフィーは瞬時に悟った。
のちに、眠れぬ夜に自分の罪を並べあげるようになったとき、最悪だったのはさっさと向きを変えて、友人たちのところに戻らなかったことだとソフィーは思った。人をかき分けて化粧室かどこかへ隠れず、いつもかぶっている無関心という仮面をかぶらなかったのもいけなかった。
必死に努力して目にしないようにしているけれど、よそよそしい自分を新聞が“高慢ちき”と書きたてているのは知っていた。
男性の誘惑に乗ったら悲劇しか待っていないのはわかっていたのに……ソフィーはなにもせず、根が生えたように〈カジノ・ド・モンテカルロ〉で立ちつくしていた。けっして認めたくはないけれど、実のところはあのときの自分が動けるとは思っていなかった。
巨大なカジノで人々の向こうにいるレンツォを見た瞬間、ソフィーはくずおれそうになったからだ。あれほど経験豊富で、とてつもなく自由な想像力を持つ男性の相手をする心の準備はできていなかった。しかし、ソフィーの長所は覚えが早いことだった。
「どうして僕はここにいる?」その五週間後、レンツォがウィンチェスターでうなるように言い、彼女に近づいてきた。
「行動には結果が伴うものだわ」ソフィーは父の口調をまねて言った。「あなたも知っているでしょう」
「いよいよ脅迫の出番か?」レンツォが低く冷たい笑い声をあげた。「君たち貴族はみんな同じだな。要求が聞き入れられるまで飴と鞭を使い、いつも必ず勝つ。そうじゃないか、ソフィー?」
距離があまりに近すぎて、ソフィーはレンツォにとまってほしいと願った。車のそばまで追いつめられていては、どこにも逃げ場がない。しかしレンツォは進みつづけ、ソフィーの脚のあいだにそっと入りこみ、彼女は体をのけぞらせる格好になった。
レンツォはすぐそばにはいるが、触れてはいない。とはいうものの、両手でがっちりソフィーをとらえているも同然だった。
「ちゃんと立たせて」ソフィーは必死の思いでささやいた。
その言葉が聞こえているのかどうか、レンツォの態度からはまったくわからなかった。
モナコでのように唇を奪われる、とソフィーはなんとなく思った。しかしそうではなく、レンツォはのしかかるように身を寄せて、ソフィーをその場に釘づけにした。もし動けば、彼女のほうがレンツォに体を押しつける形になってしまう。もし押しつけてしまったら……私はもっと触れたくならないかしら?ソフィーは身震いをした。
「その結果とやらを聞かせてくれ、カーラ」レンツォがつぶやく。「君がどんなふうに苦しんだのか、どこへ行っても歓迎され祝福されるぜいたくで過保護な環境で、どれだけ勇敢に行動したのか話してくれないか」
レンツォの唇はソフィーの耳元にあったが、やがて首に沿って下りていった。ソフィーはいたるところに彼の熱を感じたけれど、レンツォはいまだに彼女に触れてはいなかった。
ソフィーが望むような形では。
「君の伯爵は、婚約者が今夜どこにいると思っているのかな?清らかな花嫁として部屋に閉じこもっている?金で買った愛らしい純潔の身に、流れるような白い衣装をすでにまとっていると想像しているんだろうか?」
自分のことをまるで家畜だ、とソフィーもひそかに思っていたとはいえ、レンツォから同じ言葉を皮肉っぽく口にされるのには耐えられなかった。「彼は私を買ってはいないわ。私は雌牛じゃないもの」
「そしてバージンでもない。彼は期待しているだろうに」
「あの人が私になにか期待しているとしたら、そっちのほうがびっくりだわ」
「結婚が取り引きである場合、その契約は夫婦のベッドで署名捺印されるんだよ、カーラ。どういうことか教えてやろうか?」
波のように襲いかかってきたみじめさを、ソフィーは全力で押し返した。「誰もがあなたと同じことをするわけじゃないわ」
「理由は話すのか?」レンツォはにこりともせずにきいた。「花嫁を抱こうとする花婿に、自分だけのものだと思っていた白い太腿のあいだに誰がいたかを伝えるのか?」
レンツォが体の位置を変え、ソフィーは思わず息をのんだ。胸の中は期待と欲望でぐちゃぐちゃになっている。しかしレンツォは車に片方の肘をつき、さらに顔を寄せてきただけだった。


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