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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン文庫

楽園で、永遠に

楽園で、永遠に


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 エマ・ダーシー(Emma Darcy)
 フランス語と英語の教師を経て、結婚後、コンピューター・プログラマーに転職。ものを作り出すことへの欲求は、油絵や陶芸、建築デザイン、自宅のインテリアを整えることに向けられた。人と接するのが好きで、人と人とのつながりに興味を持っていた彼女は、やがてロマンス小説の世界に楽しみを見いだし、登場人物それぞれに独自の性格を与えることに意欲を燃やすようになった。旅を楽しみ、その経験は作品の中に生かされている。現在はオーストラリアのニューサウスウェールズにあるカントリーハウスに住む。

解説

恋に破れ、傷心を癒やすため、ロビンはこの地に降り立っていた。空港を出た彼女は、ある老婦人の命を危ういところで助ける。すると、人に触れると未来が見えるという婦人が予言したのだ。「大きな悲しみがやってくる……でもそれは運命の相手のため」“相手”とは誰なのかをロビンが問うと、婦人はこう答えた。「もちろん、あなたの後ろにいる人よ」はっと振り返ると、そこに場違いなほど美しい男性を見出して、思わず見惚れた。かけがえのない存在になるのに、彼の、不治の病の弟との結婚を受け入れざるをえなくなるとも知らずに。

抄録

部屋の電話が鳴った。
ロビンは眉を寄せた。だれかしら?時計にちらりと視線を落とす――十一時近い。母も姉たちも彼女の居所は知っている。けれど、よほど緊急の用でなければシドニーから電話をよこすことはない。
彼女は部屋に戻ってガラス戸を閉め、カーテンを急いで引いてプライバシーを確保すると、ベッドわきのテーブルに近寄って、胸騒ぎを覚えながら受話器を取った。
「もしもし、ロビン・ウォーカーですが」
「ミス・ウォーカー、ロビン……」
自分の耳が信じられなかった。ジュリアン・ラシターの声?それともデビッドかしら?
「どちら様でしょう?」
「ジュリアン・ラシターです。もうおやすみでしたか?」
「いいえ、まだですけど」できるだけ冷静に答える。「なにか?」
彼はため息をついた。「こんなに遅く電話して申し訳ない。ぶしつけに思われるに違いないが、どうしても会いたくて……話さなければならないことが……そのう……きみがもしよければだが」
引きつった声。人に頼もうとするまでには、きっと激しい心の葛藤を味わったのだろう。その彼がこんなふうに懇願せんばかりにしているという事実。どれを取っても興味を引かないものはない。けれど勝手に苦しませておくがいいとプライドが主張する。
「もう会わないというお約束では……」
「わかっている。だがこの件は……また別なんだ。電話では話したくないんだが、きみの利益になることだから。頼む、どこかで会えないだろうか?」
ロビンにとってはジュリアンを疫病のように避ける以上の利益はない。でも話を聞いてみたいという気持を抑えられなかった。
「ロビン?」切望するあまり呼び方までなれなれしくなっている!
でも、こちらはよそよそしさを捨てる気はない。あんな扱いを受けたあとですもの。「もうくつろいだ格好になってますの、ミスター・ラシター。それに……」
「そのほうがよければ、きみの部屋ででも」とせっかちに言う。
少し待ってもらえれば着替えるからと言おうとしてロビンは考え直した。こちらの縄張りで会うほうがいい。そうすれば失礼な振る舞いをしないよう彼はいっそう忍耐を強いられることになるし、こちらはひと部屋分の距離を保って話を聞くことができる。
「わかりました、ミスター・ラシター。わたしの部屋で十分後に」
「ありがとう」
決心を変える暇もなく電話は切れた。ジュリアン・ラシターとこれ以上かかわりを持つのはまともでないとロビンは思う。けれどユカタを脱ぎ、ブルーのスラックスとそれによく合う白のかぎ針編みのトップを着ると、歌でも歌いたくなるような期待感に胸がときめき、頭がさえざえしてきた。
実際に口紅を取って口元まで持っていって、それから思いとどまった。見苦しくないように身じまいをするのと、ジュリアン・ラシターのために美しく装うのとはまったく別の話だ。目の輝きに気づいて彼女は鏡の中の自分を見つめた。長い間……正直言えば一度も、こんなに浮き浮きした気分になったことはない。
これは力の感覚なのだ。まさか、よりにもよってジュリアン・ラシターが頭を下げて頼み事に来ようとは思わなかった。ディナーのときの彼の態度を考えると、これは大いに楽しい状況だ。
ドアのノックにロビンは飛び上がりそうになった。それから毅然とした冷ややかな態度を取り繕うと、招かれざる客を迎えにゆっくりドアに向かった。
「ありがとう」ジュリアンはつぶやいて彼女にはろくに目もくれず、わきをすり抜けて狭い玄関の間に入った。
「奥に入って、お座りになって」
コーヒーテーブルとランプテーブルとセットになったソファーのほかに、小さな食卓のわきに座り心地のいい椅子が二脚あった。けれどジュリアンは座らずに、落ち着かない様子で部屋の入口に立っていた。
「なにかお飲みになる?」ロビンは、テレビとバーのセットの入った高脚の戸棚に向かいながらきいた。
「いや、いや、いらない。でも会ってくれてありがとう」
「どういたしまして」ロビンは冷ややかな笑みを浮かべて言った。「好奇心をかきたてられたものですから。どうぞおかけになって」ジュリアンはロビンが先にかけるのを待っているのだというような、あいまいなしぐさをしてみせた。彼女はキングサイズのベッドの端に腰を下ろして、尋ねるように眉を上げた。「で、お話というのは?」
ジュリアンは夕食のときと同じ服を着ていた。気持が乱れているのか目が暗い。
「夕食のとき……たしか子供が欲しいとか言っていたね」
「ええ」そんな話題をなぜむし返すのかいぶかりながらロビンは答えた。
「お金の心配さえなければということ?」
「ええ」
「冗談じゃなく?」
「ええ」
ジュリアンは息を深く吸い、ゆっくり吐き出した。「それなら一つ提案があるんだが」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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