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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン文庫

胸に秘めた愛

胸に秘めた愛


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ステファニー・ハワード(Stephanie Howard)
 スコットランド生まれ。ロンドンに出て経済学を学び、数々の女性誌を舞台に、十年間にわたってジャーナリストとして活躍した。仕事でイタリア、マレーシア、中東など、外国生活も多く経験している。現在はケント在住。

解説

シオーナは不安げな面持ちで、義兄ジェイクの前に座った。16歳のときに母が再婚してから、憧れ続けた義兄だったが、その蜜月は、もう一人の義兄の死で終わってしまった。弟を誘惑し、シオーナが破滅へ導いたと信じ込んだジェイクに、誤解と嘘でねじ曲げられた真実は、決して届かない――蔑みに歪んだ瞳で、苦々しげにジェイクは切り出した。「誘惑する小悪魔め。だが、それも終わりだ。僕は結婚する」とりつく島もない突然の縁談に、シオーナは一瞬息をのみ……捨てきれないジェイクへの想いが砕け散るのをただ感じていた。

抄録

「ライアンを破滅させたりはしなかったわ!私は彼を助けようとしただけよ!」
「そうだろうとも。君は弟を助けた。彼の金を使うのを手伝ったんだ。君は金を使うのが非常にうまいからな。弟が一ペニーもない状態で死んだのを君は否定するのか?」
それは否定はできない。シオーナはぎこちなくかぶりを振った。
「それに、弟が死ぬ前の二年間、君はロンドンの弟のアパートメントで一緒に住んでいた。それも否定できないだろう?」
「私たちは同じ屋根の下に住んでいたけれど、一緒に住んでいたわけじゃないわ。あなたがほのめかしているような意味ではね!」
「嘘だ!」ジェイクは立ち上がった。「これまで、君のそのもっともらしい嘘はいやというほど聞かされてきた。だが、事実がすべてを物語っているよ。君がライアンのアパートメントに移った時、彼は裕福だった。だが、死ぬ前には財政的に破綻していた。パーティや休暇、外国旅行――どうやったかは知らないが、君が彼の財産を使い果たすのに一役買ったわけだ」
突然、ジェイクは前に身を乗り出してシオーナの椅子の肘かけをつかんだ。怒りに満ちた彼の顔がシオーナの顔のすぐ前に迫った。
「弟が君に買ってやったプレゼントはどこにある?宝石――ダイヤや金ぴかのおもちゃが君は好きなんだろう?それは全部銀行の貸し金庫にしまってあるのか?時々出して眺めているのか?」
なんてひどい言いぐさなの。おまけに、それは真実からはほど遠い。前にも思ったけれど、非難をこめたジェイクのブルーの目を見つめていると、この汚名を晴らしてしまいたい気持に駆られる。
ジェイクは自分が正しいと思い込んでいる。自分はすべてを知っていて、私は軽蔑に値する女だと信じきっている。でも、こちらがその気になりさえすれば、彼の暴言をたちどころにやめさせられる。あのことを言いさえすれば……私が黙っているのは、ライアンとの約束を守りとおすためなのに……。
シオーナはジェイクの恐ろしい顔にもひるまず、できるだけおだやかな声で答えた。「ライアンからは何も買ってもらわなかったわ。ましてや、あなたが言い続けているダイヤなんて、どこにもないわ。それはあなたの想像の産物よ」
ジェイクは信じられないとばかりにかぶりを振った。
「あなたは、なぜいつも私のことを悪いほうに考えるの?」
「最低の君を信じるほうが簡単だからだろう」彼はゆがんだ笑みを浮かべてシオーナを見下ろしていたが、突然片手を伸ばして彼女の顎を手の中に包み込んだ。「この口もとを見るがいい」彼の親指が唇をかすめる。シオーナの体に震えが走った。「男をとりこにする、男を誘惑する妖婦の唇だ。嘘をつくためのね。そして、キスするための……」
彼の言葉がとぎれ、シオーナは不安に襲われた。まさか……心臓がきゅっと引き締まるのを感じる。
だが、ジェイクはブルーの目をシオーナに当てたまま、二人の距離をちぢめようとはしなかった。
「それに、この髪……」彼はシオーナの輝く髪を指ですいた。「この髪は自由奔放な情熱や謎めいた官能への期待を抱かせる。ここに顔をうずめるためなら、男は魂をも売り渡してしまうかもしれない」巻き毛を持ち上げ、指の間に滑らせた。「この髪もまた妖婦の髪だ」視線が下に移るにつれ、彼の目が陰りを帯びた。「この体もだ」彼の手が下に伸び、シオーナは椅子の中で身をちぢめた。全身の筋肉が緊張でこわばっている。
ジェイクはシオーナの体には触れなかった。だが、彼の手が胸の膨らみを包むようにかざされると、シオーナは実際に触れられたような錯覚を覚えた。そして、恥ずかしいことに、胸の頂が固くなり柔らかなドレスに当たった。
この‘ばつ’が悪い成り行きをジェイクは見逃さなかった。彼は目に意地悪そうな笑みを浮かべた。
「君は妖婦の魂も持っているようだな。抑えようとしても自然に出てしまうらしい」
彼の親指が再び唇に触れる。シオーナの胸はなぜか強く動悸し始めた。
「君の手にかかると、男は皆骨抜きになってしまう。哀れな弟が君の魔法にかかったのも無理はない」
「それは違うわ」ようやく声を出したシオーナは、ぎこちなく座り直した。しばらく催眠術にかけられたような気分だった。いまでも二人のあいだの距離の近さになぜか心がかき乱される。
「まだ嘘をつくつもりか?だが、いくら嘘を並べてもむだだよ」ジェイクは突然体を起こすと、冷ややかにシオーナを見下ろした。「ライアンはいいやつだったが、人の影響を受けやすかった。だが、僕はだませないよ」ジェイクはにやりと笑い、シオーナに視線を走らせた。「君が差し出すものを試しに味わうのはやぶさかではない。だが、その見返りを期待してもむだだとはっきり言っておくよ」
「あなたに提供するものは何もないし、あなたに期待などこれっぽっちもしていません!」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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