マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

大富豪のロマンス休暇

大富豪のロマンス休暇


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


解説

突然の嵐がもたらした、大富豪との儚い蜜月。

感謝祭目前のある日、ミリアムは元恋人と偶然再会した。チェース・ファーガソン──10年前、私を財産目当てと決めつけ、冷酷にも追い払ったダラスの石油王が、なぜここにいるの?驚いたことに、チェースはふたりが愛を交わした湖畔にある別荘を密かに買い取っていて、そこで一人で休暇を過ごすのだという。作りすぎた料理を届けるだけ……ミリアムは甦る想いをひた隠し、車で別荘へ向かうが、天候の急変で彼と共に閉じこめられてしまう。永いわだかまりはしだいにほぐれ、暖炉の炎が情熱を焚きつけた。チェースのキスにこたえながら、ミリアムは自分を戒めた。今だけよ。嵐が去れば、彼もまたいなくなるのだから……。

■ディザイアからの鮮烈なデビュー作で、本作とも関連する『始まりは大富豪の嘘』が大ヒット!その実力は、すでにNY編集部のお墨付きという期待の作家、J・レモンが描くドラマティックな再会の物語です。飾らぬ等身大ヒロインは好感度大。要注目です!

抄録

「あなたは座ったまま財産が増えるのを楽しんでいるでしょうけれど、わたしは人を助ける仕事をしているのよ」
「ぼくだって人を助けている。くだらないことを話していないで、質問に答えてくれ。なにをしに来たんだ?」
「ただ来ただけよ!電話ではあなたは聞く耳を持たないから、直接話をしたくて来ただけ――」
「そんな理由で二十分も車を――」
「一時間以上かかったわ」
「こんな吹雪の日に、冷たくなった感謝祭の料理とぼくの好物のパイを持ってくるなんてありえない。ぼくに説教をしたくて来たのか?」
ミリアムは下唇を噛んだ。セーターと同じ赤い色の唇の味の甘さを、チェースはかつて知っていた。
「喜んで受けとってくれると思ったのに」
「喜んで受けとっている。だが、どうしてきみがここに来たかの説明にはなっていない」
ミリアムは唇を引き結んだ。あの夏、チェースが数え切れないほどキスをした唇を。
「母の家のディナーにあなたを招待したわ。感謝祭の夜にろくな食事をしないあなたを」
「つまりぼくは、飢えた野良犬だというわけだ」チェースは両手で広いキッチンを示した。「ここに食べ物がないと思うのか?」
「それなのにあなたは電話で、遠慮すると言ったわ!」
「好きなように答えるのはぼくの権利だ」ミリアムはなにをたくらんでいるのだろう。
そのとき、彼女が傷ついた表情を浮かべたので、チェースははっとした。
「あの電話でぼくはきみを傷つけたのか」彼は自分の鈍感さに気づいた。「だからきみはここに来た」
ミリアムは唇をとがらせた。どうやら図星のようだ。彼女は落ち着きがなくなった。たしかにミリアムには十年前と変わったところもあるが、変わっていないところもある。相変わらず美しく、前向きだ。しかもさらに勇敢になり、頑固さも増した。彼女は感謝祭の料理をこんな吹雪の夜に持ってきた。それは彼に料理を差し入れるためではなく……。
「なるほど、ぼくがひとりで食事をする光景を想像したというわけか」チェースが言った。
「そんなこと気にしなかったわ」
「正直に認めたほうがいい」
ミリアムは深く息を吸って吐いた。「そうよ。テーブルの七面鳥の丸焼きを見ているうちに、わたしはこう考えたの。もしあなたが頑固な愚か者じゃなかったら家庭料理を味わうことができたのにって。家庭料理をほとんど食べたことがないのを知っているから」
そのとおりだ。チェースの母親は料理をつくることはなかった。
「あなたに料理を渡して言いたいことを伝えたら母の家に戻ろうと思ったの。でも、自分のアパートメントに帰ることにするわ」
ミリアムは後悔している雰囲気があったが、凜とした表情は優雅で美しかった。彼女は昔からひたむきで、他人をつき放すことができずに親身になるような性格だった。昔、チェースと彼の家族からひどい扱いを受けたというのに、こうして気にかけてくれる。
「いまなにをしているのか話してくれ」チェースは言い、カウンターに置いていた保存容器の蓋を開けた。
「わたしの仕事のこと?」
「そうだ」料理は冷たくなっているが、おいしそうなにおいがする。ハーブとバターのにおいだ。
「わたしは〈モンタナ自然保護協会〉の職員で学生教育部門のプログラムマネージャーなの。集合住宅でのリサイクリングを進める仕事もしているわ」
チェースは料理のふたつの容器を電子レンジに入れてボタンを押した。「熱心だな」棚からフォークを二本出して、カウンターの上に置く。
「わたしが空回りしていると、上品に指摘しているの?」
「それは違う。きみのように熱心に活動する人がもっと必要だと思っている」
チェースの言葉にミリアムは驚いた。「ありがとう」
「どういたしまして」
ふたりはカウンターをはさんで向かいあって座った。沈黙のなかに、電子レンジのブザーが響いた。チェースは容器をとりだして自分とミリアムのあいだに置き、ワインのボトルとグラスをふたつ持ってきて自分のグラスにワインをついだ。ミリアムのグラスにもワインをつごうとすると、彼女に遮られた。
「わたしは運転しなくちゃいけないから」
「こんな吹雪のなかを帰るのは危ない」チェースはワインをついで彼女の前にグラスを置き、フォークを渡そうとした。
ミリアムは首を振った。「わたしはもう食べたわ。これはあなたのために持ってきたのよ」
チェースはかつてつきあっていた女性を見つめた。「ありがとう」彼は食べ始めた。七面鳥、マッシュポテト、つけあわせの野菜、クランベリーソース。丸一日かけてじっくり調理された料理を、目を閉じて味わい、賞賛のうめき声をあげた。
チェースは彼女のほうを見もせずに、もうひと口、料理を口に運んだ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。