マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクインSP文庫

秘めた愛【ハーレクインSP文庫版】

秘めた愛【ハーレクインSP文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクインSP文庫
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 ペニー・ジョーダン(Penny Jordan)
 1946年にイギリスのランカシャーに生まれ、10代で引っ越したチェシャーに生涯暮らした。学校を卒業して銀行に勤めていた頃に夫からタイプライターを贈られ、執筆をスタート。以前から大ファンだったハーレクインに原稿を送ったところ、1作目にして編集者の目に留まり、デビューが決まったという天性の作家だった。2011年12月、がんのため65歳の若さで生涯を閉じる。晩年は病にあっても果敢に執筆を続け、同年10月に書き上げた『純愛の城』が遺作となった。

解説

小学校教師のレベッカは夏の2カ月間だけという約束で、海外赴任中の従兄ロリーの双子を世話することになった――8年前まで毎年夏を過ごした、あの懐かしいエイスガース邸で。当時、レベッカはロリーの兄フレーザーにひそかに恋していた。だがあるとき、新婚だったロリーに愛人のふりをさせられ、その結果フレーザーから軽蔑されて邸に行けなくなったのだ!今、フレーザーはアメリカに長期出張中で留守だという。彼に会わずにすむなら、としぶしぶ邸へ向かった彼女だったが、突然帰国したフレーザーが再び蔑みの視線を投げてきて……。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクインSP文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

意識を取り戻したとき、レベッカはまだ地面に横たわっていた。体は氷のように冷たいが、頭はいくらかはっきりしている。
何かが暖かい日ざしをさえぎった。いや、何かではなく、だれかと言うべきだ。目を開くと、険しい表情をしたフレーザーが覆いかぶさるように立っていた。
「いったい何だって池に飛びこんだんだ?」彼はかんかんになっていた。「危険だとわかっているじゃないか!」
「ピーターが……」レベッカはしわがれ声で説明しようとした。
だが、フレーザーが容赦なくさえぎった。「ピーターのジャケットがなくなったそうだな。だが、それがどうしたと言うんだ?偶然ぼくがこっちに向かっていなかったら、君は間違いなく溺れていた」と冷酷に指摘し、皮肉たっぷりにつけ加えた。「それともあの子たちが飛びこんで助けてくれるとでも思っていたのか?」
レベッカは痛烈な皮肉を浴びせるフレーザーにたじろぎながら、起き上がろうともがいた。何て間が悪いんだろう。こともあろうに彼にわたしの愚行を見られたとは。
起き上がろうとしたとたん、さっきすりむいた皮膚に痛みを覚え、レベッカは縮み上がった。横目を使って盗み見ると、ヘレンとピーターが心配し、すまなそうな表情をしている。ピーターはショックと恐れでほとんど血の気がない。ヘレンのほうは気丈に身構えているが、自分の仕組んだ罠が恐ろしい結果を招いたことを後悔しているのは明らかだった。
レベッカは疲れきった頭で考えた。フレーザーに事の真相を話しても何にもならない。だまされたわたしが悪いと責められるのがおちだわ。でも、今回のことは子供たちにとっていい勉強になった気がする。彼女は二人を見ないようにして、精いっぱいさりげなく言った。「ほんと、ばかなことをしたものね」
フレーザーの怒りはまだおさまらない様子だ。「ばかなことではすまないよ」と冷たく言った。「ちゃんとわかっているんだろうね、君の命ばかりでなく子供たちの命も危険にさらすことになったかもしれないんだ。ヘレンかピーターが、貯水池に飛びこんだ君のあとを追っていったら、どうするんだ?」
そっけなく答えたレベッカの声には自分でわかっている以上の皮肉がこめられていた。「でも、この子たちがそんなことをしたとは思えないわ」
「それもそうだ」フレーザーは冷ややかに同意した。「二人とも賢いからそんな途方もないばかなまねはしないだろうな」
彼は激しく震えているレベッカを見て眉をひそめ、子供たちに指図した。
「いいね。家まで走っていってノートンさんに頼んでくれ。レベッカのために熱いお湯を沸かして、お風呂も用意しておくようにって」
意気地のない話だが、レベッカはフレーザーと二人きりにされたくなかった。思いがけなく彼と再会したショックは身の危険にさらされたことで薄らいだものの、遅かれ早かれ、エイスガース邸にいる理由の説明を求められるに決まっている。
起き上がろうともがいていると、フレーザーがうなるように言った。「動かないで。ぼくが家まで運ぶ」
運んでくれるですって?信じられない思いで見上げるレベッカに険しい目を向け、フレーザーは身をかがめて彼女をすくい上げた。恋人を優しく抱き上げる感じではなかった。ちょうど消防士に抱き上げられるみたいだ。フレーザーに抱かれると思っただけで胸の鼓動がはね上がってパニック状態に落ちかかったものの、すぐにおさまった。レベッカは邪険に扱われて館へと運ばれながら、不愉快な思いを抱かないではいられなかった。
二人の子供たち、ノートン夫人、それに大おばのモードは、各人各様の心配をして待っていた。大おばの顔は真っ青だった。
フレーザーはレベッカの体の状態を心配する大おばたちの質問に短く答え、手伝いの申し出も断った。そして、四人から見えないところまで来ると、レベッカに冷たく言った。「モードおばさんのことも考えてあげなくては。おばさんだってもう若くはないんだ」
彼はレベッカの寝室のドアを押し開け、ベッドにどさりと下ろした。まるで石炭袋の扱いだ。彼女はかっとなって言い返した。「おっしゃるとおりだわ。あなたのほうこそあの子たちをおばさまに押しつけてアメリカなんかに出かける前に、そのことを考えてあげられたでしょうに!」
眉をひそめたフレーザーに見つめられ、レベッカは自分の舌を呪った。何だって、こんな軽率なことを言ってしまったのかしら。
だが、フレーザーの反応は驚くほど穏やかだった。「いや、君が言うように子供たちを押しつけたわけではない」彼は静かに言った。「きわめて有能だと思えた、信頼できる若い女性を子供たちの世話係として残していったんだから」
「彼女は出ていったわ」レベッカは冷ややかに応じた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。