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伝説の国のプリンセス

伝説の国のプリンセス


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハ−レクイン・ロマンス伝説の国のプリンセス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 トリッシュ・モーリ(Trish Morey)
 オーストラリア出身。初めて物語を作ったのは十一歳のとき。賞に応募するも、応募規定を誤ってしまい失格に。その挫折がもたらした影響は大きく、やがて彼女は会計士としての道を選ぶ。故郷アデレードからキャンベラに移り住んだとき、現在の夫と出会った。結婚し、四人の娘に恵まれ幸せな日々を送っていたが、夢をあきらめきれずもう一度小説家を目指すことに。数々の挫折を乗り越え、ついに自らの手で作家としての人生を切り開いた。今ではオーストラリアのロマンス作家協会で、副会長を務める。

解説

 シエナはこの一週間、ある男性に追いかけまわされていた。何度、誘いを断ってもあきらめない。とうとうその熱意に負け、彼女はその男――国際的な投資家レイフと一夜をともにする。プレイボーイとの評判を聞いてずっと避けてきたが、彼と過ごした夜はすばらしかった。ところが翌朝、地中海の島国で起きた政変をテレビで知ると、レイフはいきなり彼女に別離を告げた。「王族の僕が帰らないと、国そのものが危うくなる」。彼が王家の血筋を引いていたとは! シエナの恋の予感はむなしく砕け散った。
 ■ 思いもかけず、一国のプリンスとかかわったことが彼女の数奇な運命の始まりでした。人気作家トリッシュ・モーリがひさびさに放つロイヤル・ロマンスをお楽しみください。

抄録

「それがわたしにとって重大なことだと思っているの?」シエナは彼の腕を振りほどいた。「お断りするわ。わたしは帰る。あなたが手配してくれないなら、自力でこの島を脱出する方法を探すわ」
「きみは帰らない」
 レイフに断言されるや、シエナは残っていたわずかな忍耐を使い果たした。「あなたは、いったい自分を何さまだと思っているの? わたしに何ができるとかできないとか命じるなんて。あなたはプリンスになったとたん、宇宙の統治者になったとでも思っているんでしょうね。だったら教えてあげる。あなたはわたしのプリンスじゃない。わたしはあなたを支持しているわけではないもの!」
 重い沈黙が垂れこめた。シエナは大きな鼓動を彼に聞かれたくなかった。それが意味することを深読みされたくなかった。
 わたしは怒っている。猛烈に。
 それ以外に鼓動が大きくなる理由はない。
 突然、レイフがのけぞって笑いだした。彼の注意がそれた隙にシエナは逃げようと決めた。だが、彼から離れることはできなかった。
「シエナ」レイフは彼女の肩をつかんで引き寄せた。
 再び男らしい香りに包まれるなか、彼のシャツからのぞく喉もとの肌を見るまいと、シエナは目を閉じた。「手を離して」なんとか逃れようと抵抗するうちに涙が出そうになる。「わたしを笑うのはやめて」
「きみを笑っているわけじゃない」
 レイフのきっぱりとした口調に、シエナはもがくのをやめ、目を開けた。唇に彼の熱い視線を感じ、続いて彼の指がそこに触れた。シエナはあえいだ。
「きみは知っているかな、ぼくに逆らう人物がいなくなってからどれほどたっているか?」
 シエナは一変したレイフの雰囲気に、そして彼の感触が引き起こす衝撃に、めまいを覚えた。しかしそれも一瞬だった。この男性が持つ魅力については熟知している。レイフを避けようとあらゆる努力をしたにもかかわらず、あの運命的な夜、このあらがいがたい魅力のせいでベッドに連れこまれてしまった。もう二度とレイフに防御壁を越えさせるわけにはいかない。
 とはいえ、防御壁を築くには全力を傾けなければならない。シエナはレイフの腕の中で身をこわばらせ、毅然とした態度をとろうと決意した。
「十分かしら? せいぜい十五分でしょうね。驚きだわ」
 レイフの笑みがさらに大きく広がる。シエナとしては彼を怒らせるつもりだったのに、まるで喜んでいるかのようだ。
「ここでは、ぼくは助言者や相談役に囲まれている。だがひとりとしてぼくの意見に反対しようとしない。ぼくがモンテベラッテの統治者になるとわかった晩以来」
 レイフが彼女を見下ろし、額にかかった巻き毛に触れた。彼の指の感触に、シエナの神経がざわめく。
「そんななか、きみは今日、久しぶりにぼくの人生に戻ってきた。まるで新鮮な風が吹きこんできたように感じる」
 彼の言葉に、期待まじりの興奮がシエナの全身を駆け巡った。この数週間の間に味わった失望が消えていき、自分には手に入れる権利はないと思っていたものが再びつかめそうに思えてくる。思えば、初めての晩もまさに同じやり方でレイフはわたしを誘惑した。“きみはほかの女性とは違う、特別だ”と言い、わたしの気持ちを高ぶらせて。
 その結果、どうなったの? 思い出すのよ。
 苦いものがこみあげ、シエナは甘い期待を振り払った。かぶりを振り、肩をすくめてレイフの手を振り払い、彼の腕から逃れる。「おべっか使いたちに囲まれて、さぞかしいらだっているんでしょうね。わかるわ」シエナは言い返した。「とにかく電話をかけさせて。会社に連絡して、ここを出る手配をしてもらうわ」
 また彼につかまらないよう用心しながら、シエナはそろそろとドアに近づいた。彼は獲物をねらう捕食者のような目をして彼女を見ている。不安を悟られたくなくてシエナは顔をそむけた。
「鍵はかかっているぞ」レイフが指摘した。
 シエナは信じないわけにはいかなかった。午後の何時間も拘束しておいて、そう簡単にわたしを逃がすはずはない。
 方向を変え、シエナは窓辺に歩み寄った。美しい風景はいっさい目に入らず、彼女の視界に映っているのは、がらんとしたヘリポートだけだ。シエナは泣きたくなった。会社に戻ったとき、なんと説明したらいいのだろう。
「なぜそんなに帰りたがる? ぼくはもう一度きみと親しくなるために少し時間を割いてほしいと思っただけだ」
 シエナはさっと彼のほうを振り向いた。「もう一度わたしと親しくなるですって? そんなこと、わたしが信じるとでも思っているの? あなたは情事を楽しみたいだけでしょう」
 レイフは眉を上げた。「きみがそれほど急いでいるとは知らなかった。だが、きみが望んでいるのなら……」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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