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敏腕弁護士のお試し恋愛が(予想外に)本気すぎます

敏腕弁護士のお試し恋愛が(予想外に)本気すぎます


発行: マーマレード文庫
シリーズ: マーマレード文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

俺のモノだって、もっと思い知らせたい

コンサルタント会社に勤めるゆかりには、大学時代からくされ縁の相手がいた。社の顧問弁護士で社長の実弟でもある、久我山哲。恋人とも友人ともつかない曖昧な関係を続けてきた二人だったのに……哲が真剣に付き合おうと切り出してきて!?提案されたのは、期限を決めた「お試し恋愛」。これまでになく情熱的な彼に幸せを感じてしまうゆかりは……。

抄録

元彼も自身の快楽だけを求めていた。気遣う言葉などなく、ただ自らの欲望を押しつけてくるだけだった。
そんなふたりの行為の間に、思いやりの心などあっただろうか。
ゆかりは黙りこくってしまう。哲はゆかりの顔を覗き込んだ。
「それに、相手が下手だっただけじゃないの?そうでしょ、ゆかりさん?」
哲はゆかりの頬を人差し指で、からかうようにつついた。
驚きと恥ずかしさで、ゆかりは声を上げる。
「そんなのわかるわけないじゃないですか。わたしだって初めての相手──あっ」
しまったとばかりに、口元を押さえたがもう遅い。ニヤリと笑う哲と目が合った。
自分の話だと、哲にばれてしまった。
「ずるい。誘導尋問ですよ!」
「まあ、それも仕事のうちなんで」
(弁護士なんてろくなもんじゃないわ)
目を細め睨んだところで哲は、おかしそうに笑っているだけだ。
「俺が言っていること、間違ってないと思う。ゆかりさんは真面目に彼に向き合って問題を解決しようとしていたけれど、向こうが自分本位だったってだけでしょ?あ、セックスだけの話じゃなくてね」
自分の話だとばれてしまって、急に恥ずかしくなった。けれど今更やめられない。
「どうして、そう断言できるんですか?」
疑問をぶつけた。
「君は、自分を大切にできる人だから。だから自分の周りにいる人も同じように大切にするはずだ。それがたとえ、どんなにダメな男でもね」
その言葉に、優しさが滲み出ていた。
それまでゆかりは自分をずっと責めてきた。
何が悪かったのか。何か手段はなかったのか。けれど答えが出ずに自分の中の悪い部分ばかりを見つけようとしていた。
けれど哲はゆかりを否定しなかった。それだけで、気持ちがずいぶん楽になった。「恋愛がうまくいかない理由は、片方だけにあるわけじゃない」
「そう……なんですね」
彼と別れてから、ずっと鬱々としていた気持ちが、少しずつ流れていく。
今日出会ったばかりの相手に救われた。軽く見えるけれど、彼の本質は優しく温かい。短い時間でも、それはわかった。
「ありがとうございます。ちょっと前向きになれました」
素直に感謝の言葉が出た。すぐにすっきり忘れることなんてできないだろうけれど、少なくともさっきよりもずいぶん心が軽くなっていた。
(無理矢理連れてこられたけど、来てよかったのかも)
ちらっと哲の顔を見て、胸の中がぽわっと温かくなる。
ずいぶんと哲の評価が急上昇した──のは一瞬で。
「終わった恋は早く忘れるに限る。どうすればいいと思う?」
そんなこと恋愛経験の少ないゆかりに即答できるわけない。首を傾けたゆかりに哲はとろけそうな笑みを浮かべた。
「新しい恋をすることだよ。ちなみに俺なんかおすすめ」
「いきなり、なに言い出すんですかっ!?」
(やっぱり、チャラい!)
さっきまでの感謝の気持ちを返してほしいぐらいだ。
ゆかりは怒りの勢いに任せて、グラスに残っていた酒をひといきに呷った。そうすればいくらか怒りの気持ちが落ち着くような気がしたからだ。
けれど一気に流れ込んできたアルコールは、ゆかりの体温を余計に上昇させた。そのうえ勢いよく頭を後ろに傾けたせいか、頭がくらくらする。
「あれ……何、これ」
酒を飲んだ経験が少ないゆかりは、今の自分の状況がいまいちわかっていない。しかし体がふらふらするのだけはわかる。
「あれ、ゆかりさん?」
カウンターに肘をついて、頭をもたげたゆかりの様子がおかしいのに哲も気がついた。
彼がそっとゆかりの肩に手をかけ覗き込むと、青白い顔をしたゆかりが「大丈夫です」と力ない声で応える。しかしどこからどう見ても、平気な様ではなかった。
「どこが大丈夫だよ?仁さん、悪いけどチェックとタクシーお願いできる?」
さっきまで余裕めいて笑っていた哲の顔が、さっと変わる。
「トイレに行く?」
頭をふったゆかりだったが、余計に酔いが回る。迷惑をかけてはいけないと思い、自力で立とうとしてふらついた。
「無理しないで、すぐにタクシーが来るから」
哲に支えらえて椅子から降りた。床に足をついたけれど、力がうまく入らない。
「大丈夫です。ひとりで……帰れ……ますから」
そう答えたけれど、目すら開いていない。こんな状態でひとりで帰るなんて無謀すぎる。
「無理に決まっているだろ。とにかくタクシーまでなんとか歩いて」
哲に支えられながらゆかりはゆっくりと歩く。
合コンでも結構な量を飲んでいた。それに初めて飲むカクテルもおいしくてついつい飲みすぎてしまったようだ。
「ごめんなさい。こんなこと……に、なって」
力なく謝罪したゆかりを、哲は肩を抱いてしっかりと支える。
「俺も調子のって飲ませすぎた。お酒、慣れてないって言ってたのに、ゴメン」
どのくらい飲めるのかわからないのに、セーブしなかったのは哲が悪いわけではない。そう伝えたいのだけれど、今は気持ちが悪くてそれどころではない。
哲に支えられて、タクシーに乗り込んだ。一緒に乗った哲が自らの肩にゆかりの頭をゆっくりともたれさせた。
くっついた体があったかくて心地良い。男っぽいそれでいて爽やかな香りがする。哲の匂いだろうか。
(けっこう好きかも)
そう思った瞬間、ゆかりは瞼を閉じると、ゆっくり記憶を手放した。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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