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リオの夜は熱く

リオの夜は熱く


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハ−レクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニー・ルーカス(JENNIE LUCAS)
 本屋を経営する両親のもとたくさんの本に囲まれ、アメリカ、アイダホ州の小さい町で遠い国々を夢見て育つ。十六歳でヨーロッパへ一人旅を経験して以来、アルバイトをしながらアメリカじゅうを旅する。二十二歳で夫となる男性に出会い、大学で英文学の学位を取得した一年後、小説を書き始めた。現在、幼い子供ふたりの育児に追われながらも執筆活動を通して大好きな旅をしているという。

解説

 まさか、妊娠するなんて。エリーはニューヨークの街中で途方に暮れていた。六時間後に結婚式を挙げるというのに、おなかの子の父親は新郎ではないのだ。この事実を子供の父親に――傲慢で金持ちでセクシーなボス、ディオゴに知らせるべきかしら? エリーは震える足を奮い立たせて、ディオゴの前に立った。だが、彼はエリーの話をまじめに聞くどころか、結婚すると聞いて彼女をなじり、警備員を使って追い払わせた。数時間後、ディオゴは真相に気づいてエリーを捜すが、彼女はすでにニューヨークを去り、花嫁として教会にいた……。
 ■ 情熱的でドラマチックな物語を得意とするジェニー・ルーカスの新作をお届けします。今回の舞台はブラジルのリオ。挙式を間近に控えた花嫁の裏切りは、思いがけない波紋を呼んで……。

抄録

 ディオゴはエリーをカールトンパレスの中に連れていった。小さな専用エレベーターに乗りこみ、鍵《かぎ》をまわして最上階のボタンを押す。ドアが開くと、二人のボディガードが待機している横を通り過ぎた。彼らはディオゴには礼儀正しく会釈したが、エリーのことなど気にもかけなかった。毎晩違う女性をここに連れこむディオゴを見ているからだろう。私はあまたいる彼の最新の恋人にすぎない。明日はまた別の誰かが連れてこられるのだろう。
 そんな考えが亡霊のように忍び寄り、エリーはぞっとした。
「震えているね」ディオゴがペントハウスのドアの鍵を開けながら目ざとく気づいた。
「いいえ、大丈夫。本当よ」だが歯が鳴っていた。
「中に入って。すぐに温めてあげるよ」
 呆然とディオゴのあとに続き、エリーは泥だらけのハイヒールを脱ぎ捨てて白く分厚い絨毯を踏みしめた。きつい靴から解放されて楽になったものの、ペントハウスに心休まるものはなにもなかった。室内は質素で洗練されていて、必要最小限のものしかなく、冷たい感じがした。
 ディオゴが後ろ手にドアを閉めた。エリーは無意識に傷ついた手首をさすっていた。鋭い痛みはおさまっていても、まだひりひりする。
「怪我をしたのか?」ディオゴがきいた。
「なんでもないわ。さっき転んで手首を――」
「見せてくれ」強引な言い方だった。
 エリーはしぶしぶ手を差し出した。「もうだいぶよくなったわ。本当よ。だから大丈夫――」
 ディオゴの手が触れ、エリーは息をのんだ。全身が急に熱くなる。
「骨折はしていないな」ディオゴは手を放した。「痛いようなら医者を呼ぶが」
「本当に必要ないわ。大丈夫だから」エリーはため息をついた。ディオゴのハンサムな顔にどうしても見とれてしまう。鋭い顎のライン、高い頬骨。わずかに曲がった鼻は戦士のような厳しさをかもし出している。あの官能的な唇が私の肌を這ったのだ……。
 ディオゴがエリーの方を見た。その黒い瞳は彼女を焼きつくしそうなほどの激しさに満ちていた。
「まずなにをしたい?」
 まず? エリーは唇を湿らせた。情熱的に愛してほしい。かすれた声で“君が欲しい、永遠にそばにいてほしい”と耳元でささやいてほしい。愛情深いいい父親になりたいと言って、そして……。
「エリー?」
「なに?」エリーはそわそわして髪を耳にかけた。「なんですって?」
「まず朝食にするか? それとも――いや」ディオゴは小声で舌打ちすると、急になにか気づいたように頭を振った。「僕はどうかしているな。もちろん、最初に君の服を脱がせなくては」
 心を読まれた?「私の……服を?」
 なにを考えていたのだろう? だめよ、絶対にそんなことをしてはいけない!
 エリーはドレスをしっかりかかえてあとずさりした。動くたびに床に水滴がついた。「私はあなたの愛人になどならないわ、ディオゴ。あなたのいちばん新しい一夜限りの相手になどならないから!」
「どうして僕がそんなことを望んでいると思うんだい?」ディオゴは静かにきいた。
 エリーは心臓が引っくり返りそうになった。「ほかになにを望んでいるというの?」
「君は僕の子供を妊娠している。だから、その……体を温めてリラックスしてもらいたいだけなんだ、かわいい人《ケリーダ》。ずぶ濡れで体の芯まで冷えきった君には熱いシャワーが必要だ。朝食と乾いた服もね」
 もちろんそうだ。エリーは自分の頭を殴りたくなった。そうよ、彼の言うとおり。本気で迫られると思ったの? まったくお笑い草だわ! ディオゴはなにも私でなくたって、どんな完璧な女性でも自由に手に入れることができる。エリーは屈辱のあまり、真っ赤になった。
 ディオゴが近づいてきてドレスに手を伸ばす。
「やめて」突然、ディオゴに触られたくなくなって後ろに下がった。「あなたの手助けはいらないわ」
 ディオゴは鼻で笑った。「そのウエディングドレスは君の体重よりも重くなっている。おいで」
 怖じ気づいたエリーは向きを変えると、やみくもに隣の部屋に逃げこんだ。まるい窓からはコパカバーナビーチとアトランティカ大通りが見え、部屋の中央には真っ白い大きなベッドがある。
 そこはディオゴの寝室だった。絶対に入りたくなかった場所だ。エリーは周囲を見まわして逃げようとしたが、すでにドアのところにはディオゴが立っていた。ドアを閉めて彼を追い出そうとしたのに、簡単にとめられてしまった。
「ありがとう《オブリガード》、ケリーダ」ディオゴはとろけそうな笑みを浮かべた。「おかげで手間が省けた」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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