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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ヒストリカル

騎士と女盗賊

騎士と女盗賊


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 デボラ・シモンズ(Deborah Simmons)
 日本では『狼を愛した姫君』でデビュー以来、ナンバーワンの人気を誇る作家。ディ・バラ家やド・レーシ家の面々を主人公に据えた中世の物語と、華やかなイギリス摂政期(十九世紀初頭)の物語を描き分ける。「どの作品もそれぞれ個性の際立ったものに仕上がるよう心がけている」と語る。夫と息子二人、猫二匹と迷い犬とともに、米オハイオ州に在住。

解説

 サイモン・ディ・バラは死ぬほど退屈していた。兄の領地バダーズリーに向かう森の道も平穏そのもの。ならず者でも現れてくれれば、気も紛れるのに――と思ったとたん、願いどおり、盗賊たちが少人数のサイモン一行に襲いかかった。しかし、すべてが願いどおりには運ばなかった。全員が捕らえられ、サイモンは縄でぐるぐる巻きにされた。それだけでも屈辱だというのに、盗賊の頭目はなんと女! 男の格好をしているが、胸のふくらみ、腰の揺れ、そしてあの髪――何もかもがサイモンの欲望を、心を刺激する。思いがけない感情の芽生えに戸惑いながらも、彼は心に誓った。絶対に報復してやる。ビーシアとかいうあの女に男の強さを思い知らせてやるぞ!

抄録

 ビーシアは彼が知るどの女とも違っていた。不屈の精神と力強い体を持っていた。もちろん、彼をしのぐほどの力はなかったが、小柄な男が相手なら、互角に戦うことができた。ビーシアには女特有のひ弱さがなかった。困難に直面しても、けっして弱音を吐かなかった。ときにはあきれるような無茶もしたが、策を練るときは男並みの冷静な知恵を発揮して、目的を達成させた。
 ビーシアは女の悪知恵を使わなかった。色香を振りまくことも、媚を売ることもなく、男とは一定の距離を保ちつづけて、サイモンを安堵させ、落胆させた。彼女の指示は明快だった。余計なおしゃべりはせず、口数自体も少なめで、女の肉体を持った男という感じがした。
 そして、サイモンはその肉体を日に日に強く意識するようになった。意思とは関係なく、目が勝手に彼女を追っていた。ふとした瞬間に鉄の自制心が崩れ、彼女の筋肉を思って、体を熱くした。過酷な試練だった。今までの彼なら、商売女のところへ行き、金と引き換えに手早く欲望を処理していたかもしれない。
 しかし今は、その方向へ気持ちが動かなかった。娼婦をビーシアの代用品にするのは、彼女という特異な存在を汚す侮辱行為のように思えた。サイモンは自分の過去を恥じた。これまで金で買ってきた女たちのことを思うと、苦々しい気分になった。
 彼が求めているのはビーシアだった。だが、そのことを認めるわけにはいかなかった。無法者のような生き方をしていても、ビーシアは金と引き換えに体を与える女ではない。彼女は慎みのある女だった。バダーズリーが庇護すべき、追放された貴婦人だった。そして何よりも、サイモンが賞賛を感じたただ一人の女だった。その彼女を卑しい衝動の対象にはできない。欲望に苦しめられるたびに、サイモンは川へ走った。冷たい水を浴びることで、体のうずきを癒そうとした。
 だが、必死の努力にもかかわらず、彼のビーシアへの関心が頂点に達する事態が起こった。アンスキースへ運ばれる物資を二人で襲ったときのことだ。彼らは隊列の行く手を遮った。悔しがるブライスの手下たちを道へ残して、ロンドンから送られてきた貴重な香辛料と反物を奪い去った。
 二人だけで敵に一泡吹かせる。それは無謀な行為だが、胸躍る行為でもあった。彼らは戦利品を森の奥へ引きずっていった。興奮に上気したビーシアの顔を見ると、サイモンの胸はますます躍った。
 息を整えるために、彼らは安全な木陰で足を止めた。間近にいたビーシアが頭を一振りし、三つ編みが彼の胸に当たった。長い三つ編みを見つめるうちに、サイモンは激しい衝動に襲われた。この髪を拳に巻きつけてビーシアを引き寄せたい。戦利品のように彼女を自分のものにしたい。
 彼は衝動に負けて手を伸ばした。つややかな三つ編みをつかんで指関節に巻きつけ、満足げにうなった。視線を上げると、見開かれたはしばみ色の瞳、赤く染まった頬があった。彼はビーシアを引き寄せた。ビーシアには抵抗する力があった。もし抵抗されたら、彼は素直に引き下がるつもりだった。だが、ビーシアは抗議しなかった。唇を開いたものの、そこから否定の言葉は出てこなかった。
 だから、サイモンはその唇に自分の唇を重ねた。もともとキスが好きではなかった。彼の女性経験はもっとも基本的な結合に限られていた。しかし、ビーシアとのキスは違った。彼女の唇はみずみずしく、しなやかだった。まさに彼女の一部を味わっている感じがした。サイモンの耳の奥で血がうなりはじめた。その血が猛然と全身を駆け巡り、サイモンの脚から力を奪った。それでもなんとか立っていられたのは、ビーシアが彼の首に両腕を回し、体を押しつけてきたからだった。
 歓喜のうなりとともに、サイモンは唇を開いた。舌で彼女を探り、味わい、求めた。ビーシアは臆することなくその舌を受け止め、熱く応えた。混じり合う息がだんだん荒くなる。サイモンの心臓は爆発しそうだった。命に代えても彼女が欲しいと思った。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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