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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

愛は記憶のかなたに

愛は記憶のかなたに


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆3
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著者プロフィール

 エマ・ダーシー(Emma Darcy)
 フランス語と英語の教師を経て、結婚後、コンピューター・プログラマーに転職。ものを作り出すことへの欲求は、油絵や陶芸、建築デザイン、自宅のインテリアを整えることに向けられた。人と接するのが好きで、人と人とのつながりに興味を持っていた彼女は、やがてロマンス小説の世界に楽しみを見いだし、登場人物それぞれに独自の性格を与えることに意欲を燃やすようになった。旅を楽しみ、その経験は作品の中に生かされている。現在はオーストラリアのニューサウスウェールズにあるカントリーハウスに住む。

解説

 【★サンプル10倍増量作品!】
 コンピュータ・プログラマーのジョーは仕事の依頼を受け、その会社の社長との面会に赴いて思わず全身が凍りついた。マイケル・ハンター――三年間、かたときも忘れることのなかった人。三年前、妹が妊娠させられたと聞き、ジョーは相手の男性を訪ねた。その男性のいとこであるマイケルが、話をつけると約束してくれたが、翌日ジョーを訪ねてきた彼は前日とは態度を一変させ、妹をなじった。そのまま帰りかけたマイケルを追いかけ、妹は車に轢かれて即死した。事故だったとはいえ、最初に彼を信じてしまった自分が呪わしい。ジョーは憎悪に目をきらめかせながらも、なぜかわいてくる熱い思いを持てあまし、その場に立ち尽くした。
 ■ おかげさまでハーレクイン・ロマンスは2500号を迎えることができました。その記念として、未邦訳だったエマ・ダーシーの初作品をお届けします。ご堪能ください!

抄録

「ジョー、こっちだ」目ざとく彼女を見つけてマークが近寄ってくる。「ほかの連中は追い払って、ぼくたちのためにテーブルを取っておいた。そのほうが落ち着いて食事ができるからね」
 彼はいくつもの皿がのったテーブルにジョーを促した。ほとんどのゲストはビュッフェ・テーブルの周りで立食しているが、マークは椅子を二脚確保してジョーを独占するつもりでいるらしい。それでもかまわなかった。このテーブルからはマイケル・ハンターをうまく見守れる。
 彼を見つけるのは簡単だった。彼はあまり動きまわらないし、客の多くは――特に女性は、彼の周りに引きつけられる。ジョーはつねにマイケルを視界に入れていたが、一度として彼がこちらを見ることはなかった。その事実こそが、さっきの告白が偽りであることを証明している。目的は達したと楽観し、これ以上甘言を並べる必要はないと思ったのかしら。
「どうかした?」マークは沈黙しているジョーの視線をたどり、くすっと笑った。「マイクのあの退屈そうな顔! かわいそうに、どんなに頑張ってもマーゴ・シャーモンに勝ち目はない」
 けれどジョーは笑わず、彼の顔からあの退屈そうな表情を消し去る方法を考えていた。
 時間はだらだら過ぎていき、マークの話に興味を示すことさえ難しくなってきた。彼のすべてが不愉快で鼻につき、意識がつねにマイケル・ハンターへと引き寄せられる。
 そして、突然マイケル・ハンターは立ち去った。こちらに手を振りさえせずに。ジョーは苛立ってため息をついた。明日の朝、ひと悶着あると覚悟しなければならないが、少なくともいま、マークとの猿芝居を続ける意味はなくなった。
「ごめんなさい、マーク」ジョーは彼の長広舌をさえぎった。「なんだかとても疲れてしまって……送ってくださらない?」
「いいとも」マークは含みのある微笑を浮かべ、ジョーは心のなかでたじろいだ。パーティに来るべきではなかったと悔やまれる。
 彼らはなるべく目立たぬようにテーブルを離れた。ペグ・マカリスターは妙な顔つきで彼女を見たが、ジョーは楽しい夜だったと礼を言い、やっと家に帰れるとほっとして暇を告げた。
 幸い、家までそう遠くはない。運転中、マークは何かに気を取られている様子でほとんど口をきかなかった。彼は部屋の前まで送ってきてジョーが鍵を開けるのを待った。なかに招かれるのを期待しているのはわかったが、これ以上夜を長引かせるつもりはなかった。もう十分。復讐したいとも思わない。ジョーは形ばかりの笑みを作り、手を差し出した。
「おやすみなさい、マーク。楽しかったわ」
 マークは差し出された手をちらりと見下ろし、冗談だろうとでも言いたげに視線を上げた。
「おやすみなさい」ジョーは繰り返し、ドアを開けてなかに入った。
「待って、ジョー。おやすみを言うにはちょっと早すぎやしないか? いったいどういうつもりか聞かせてほしい」
「言い合いはやめましょう」ジョーはうんざりして彼を見つめた。「疲れているの。いまはただ、ドアを閉めてベッドに入りたいだけ……ひとりで」最後の言葉に力を込めた。「帰ってくださる?」
「そうはいかない。一分でいいから話をしよう」
 マークは強引になかに入ってドアを閉めた。
「あなたを家に招いた覚えはないわ。お願いだから帰って。そして二度と私を煩わせないで」
 マークは憤慨して両手を広げた。「ぼくをなんだと思っている? 安っぽいカサノバだと?」
「まあそんなところ」腹が立って、口を慎む気にもなれない。
「なぜ?」彼は当惑して頭を振った。「無理強いしたつもりはないし、場違いなことはひと言も言っていない。いったいぼくの何が気に入らない?」
「この一週間、ほうっておいてと言うのにしつこくつきまとわなかった? 一度は誘いを受けたけれど、二度とあなたと出かけるつもりはないからそのつもりで。おやすみなさい」
 ジョーは言いすぎたことに気づいていた。でもここは職場ではなく自分の家で、マーク・ハンターには気遣いを受ける価値さえない。
「だったらなぜ断らなかった? 何度も拒絶しながら、今夜にかぎってなぜぼくに気を持たせた?」
「気を持たせた? とんでもない! 誘いを受けたのは、蛭みたいにしつこいあなたを今夜かぎりで追い払いたかったからよ」
 マークは彼女の腕をつかんで引き寄せた。
「蛭?」低く不穏な声で言った。「なるほど、今夜のすべてが悪い冗談だったのか。ぼくを侮辱するシナリオが最初からできていたんだね?」怒りにすさんだまなざしで彼女をにらんだ。「ぼくには女を見る目がないといつもマイクに言われてきたが、きみだけは例外だと思っていた。別れた妻のように軽薄で無節操な女ではないと――」
「放して!」マーク・ハンターに、そしてここまで事態を悪化させた自分自身に腹を立てていた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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