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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

夜は別の顔

夜は別の顔


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・サラ(Sharon Sala)
 強く気高い正義のヒーローを好んで描き、業界のみならず読者からも絶大な賞賛を得る実力派作家。息子と娘、それに孫が四人いる。“愛も含め、持つ者は与えねばならない。与えれば百倍になって返ってくる”が信条。ダイナ・マコール名義の著書も出版されている。

解説

 【★サンプル10倍増量作品!】
 ★ 片思いの彼が夢中なのは、眼鏡の奥に隠れた別人の私。★
 図書館司書のアメリアは夜間にウエイトレスの仕事を始めた。眼鏡を外し、きわどい服を着るのは本意ではないが、退屈な人生を変えるためにどうしても車を買う資金が必要だった。厳しく育てられた彼女が夜の副業を持っていることが知れたら、同居する大おばはおろか、町中が上を下への大騒ぎになるだろう。ある晩、予想もしなかった客が来店する。アメリアが長年片思いを続けるタイラー・サヴィジだ。町の住人に見られた衝撃も相当だが、彼の注文にはさらに驚いた。彼はこの美人ウエイトレスがお堅い司書とは気づかずに、陶酔しきった瞳で「俺がほしいのはきみだ!」と叫んだのだ。

抄録

 アメリアは不安でたまらなかった。近ごろ、タイラーの姿を見ていない。少なくともアンバーは。教会で自分の偽りの生活を思い知らされて以来、罪悪感にさいなまれてきた。マーケットでのことは別だ。あのときはアメリアだったし、難は逃れたのだから。
 彼にばれなくてよかった。あわてたのも彼のブーツをジュースで汚したせいだと思っただろうし。
 もし気づいたのなら、彼はあの場で怒ったはずだ。ミス・エフィに噂《うわさ》の種を提供するところだった。
 バーテンダーが注文の品を作るのを待ちながら、アメリアは眉を寄せた。エフィという爆弾をどう処理すべきかが悩みだ。見られた相手が最悪なのだ。
 それに今日、エフィに嘘をついてしまった。それを察したようなのに、エフィが沈黙を守っていることが不気味だった。彼女が秘密を守るはずがない。
「ねえ……あれ、見て」レイリーンがつついた。
「えっ?」アメリアはレイリーンの視線を追った。
 入り口に立つ男を見た瞬間、アメリアは息をのんだ。白いスラックス、瞳の色を際立たせる淡い青色のシャツ。惚《ほ》れ惚《ぼ》れするほどすてきだった。花束はわたしへのプレゼントね。アメリアの胸は高鳴った。
「早く」レイリーンが急かす。「注文は運んでおく。行って、あの愛に燃える男の望みを確かめたら?」
 アメリアはにやりとした。レイリーンは妙な言い回しが好きで、今月は“プレスリー月間”だった。「彼の炎を消すものが必要なようね」
 レイリーンはアメリアの腕をつかみ、眉をつり上げた。「消しちゃだめ、煽るのよ。さあ」
 照明の暗さで頬の紅潮が隠れることに感謝して、アメリアはタイラーのテーブルへ向かった。
 彼女が近づくと、タイラーは立ち上がった。「やあ、ダーリン」優しく言い、彼女の口の端にひどく控えめだが、それでいて忘れられないキスをした。
「こんばんは、タイラー」こんな場所でなく、こんな格好でもなかったらよかったのに。
 タイラーは紙に包んだ花束を手渡したが、アメリアの目に涙が浮かぶのを見て、驚きを隠せなかった。「大丈夫か?」ふいに自分の知らない何か恐ろしいことに彼女が苦しんでいるような気がした。
「大丈夫。ただ、花をもらったのが初めてだから」
「まさか」彼は言い、化粧室につながる通路の暗がりに彼女を導いた。「でも、初めてが俺で申し訳ないとは言わない。きみの特別な存在でいたいから」
「まあ、タイラー、あなたはもうわたしの特別な人よ。あなたには想像もつかないくらい!」
 わかる気がする。「それはうれしいね」タイラーは彼女の腰に両手をはわせ、背中を強く引き寄せた。「花をどかしてくれ。したいことがあるんだ」
 花束を持つアメリアの腕がだらりと垂れ、タイラーは思いのままに唇を重ねた。しっかりと、だが優しく、彼の舌は本能の導く道をたどった。唇の端から始め、真ん中へ移動し、そして反対側の端へ。
 唇と唇、体と体が中心で重なり、アメリアは身震いをしてあえぎをもらした。壁とタイラーに挟まれて身動きができず、彼女は気も狂わんばかりだった。そして、彼の舌が口の中へ、彼の両手が二人の体の間へ滑り込んだ瞬間、彼女は我を忘れた。
 タイラーはこれほどすぐ感情が抑えきれなくなるとは思っていなかった。アメリアはばらを落として彼にしがみつき、彼と同じくらい、いや、それ以上の情熱で応えた。彼はうめき、決意のすべてを忘れた。こんなに暗い通路でなければよかったのだが。
「だめだよ、ダーリン」息を吸い込み、少し平静を取り戻して、彼は優しく言った。「ここまでするつもりはなかったんだ」愛しい彼女の瞳に困惑の表情が浮かんだので、彼は微笑んでみせた。「いや、それは正確じゃないな。本当はもっとずっと先までもくろんでいたんだ。ただし、今ここでじゃなく」
 アメリアは頬を赤らめ、彼のシャツで顔を隠した。タイラー・ディーン・サヴィジが店に入ってきた瞬間から、彼女はこの二十年間でウィルヘミーナにたたき込まれてきた良識を残らず失ってしまった。「タイラー。あなたがわたしを狂わせるのは事実よ」
 タイラーは深く息を吸い込んだ。今が爆弾を落とす潮時だ。本当は言いたくないくらいだった。言ったとたん、彼女が体を引くのはわかっている。たとえ一時的でも、彼女を手放すのは耐え難かった。
 タイラーは歯を食いしばり、態度を決めた。きみが本当にアンバー・チャンピオンなら、いつかこの埋め合わせはしよう。だが、もしきみがアメリアでもあるなら、幾晩もの眠れぬ夜の償いはしてもらう。そうすれば、そうしたときだけ俺たちはずっと一緒に眠れぬ夜を過ごすことができるのだ。
 彼は彼女の耳に鼻をすり寄せた。「アンバー?」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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