和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・ロマンス
著者プロフィール
リン・グレアム(Lynne Graham)
北アイルランド出身。七月三十日生まれの獅子座。十代のころからロマンス小説の熱心な読者で、初めて自分でロマンス小説を書いたのは十五歳のとき。大学で法律を学ぶと同時に、十四歳のときからの恋人と卒業後に結婚。この結婚生活は一度破綻したが、数年後、同じ男性と恋に落ちて再婚するという経歴の持ち主。イギリス郊外に家と五エーカーの森林を持ち、そこで現在、スリランカとグアテマラからの養子を含めた五人の子供を育てている。時間のあるときは大好きな庭仕事に励み、得意のイタリア料理に腕をふるう。小説を書くときのアイデアは、自分自身の想像力とこれまでの経験から得ることがほとんどで、彼女自身、今でも自家用機に乗った億万長者にさらわれることを夢見ていると話す。ロマンス映画も大好きだが、ハッピーエンドでないものは好きではないという。
北アイルランド出身。七月三十日生まれの獅子座。十代のころからロマンス小説の熱心な読者で、初めて自分でロマンス小説を書いたのは十五歳のとき。大学で法律を学ぶと同時に、十四歳のときからの恋人と卒業後に結婚。この結婚生活は一度破綻したが、数年後、同じ男性と恋に落ちて再婚するという経歴の持ち主。イギリス郊外に家と五エーカーの森林を持ち、そこで現在、スリランカとグアテマラからの養子を含めた五人の子供を育てている。時間のあるときは大好きな庭仕事に励み、得意のイタリア料理に腕をふるう。小説を書くときのアイデアは、自分自身の想像力とこれまでの経験から得ることがほとんどで、彼女自身、今でも自家用機に乗った億万長者にさらわれることを夢見ていると話す。ロマンス映画も大好きだが、ハッピーエンドでないものは好きではないという。
解説
【★サンプル10倍増量作品!】
エリナーは中東の王国カラムの皇太子ムラドのロンドンの邸宅でムラドの娘のナニーとして住み込みで働いている。ムラドとその弟ジャシムは友人たちの噂の的になるほどハンサムだが、亡き母の恋人だったムラドのことは、父親のようにしか思えなかった。ある夜、家人のいない家に帰宅したエリナーはジャシムに出くわした。傲慢な雰囲気を漂わせながらもセクシーで、思わず全身が熱くなる。こんな男性が、ナニーである私に興味を持つとは思えないけれど。だが思いがけず情熱的な言葉を耳元で囁かれ、エリナーは翌日、彼の誘惑にこたえてしまった――どんな思惑でジャシムが近づいてきたかは想像もせずに。
■ 2010年9月から大人気の作家リン・グレアムのミニシリーズ『予期せぬ結婚』が始まります。ゴージャスでリッチな男性たちと思いがけない恋に落ちるヒロインたちのストーリーです。
エリナーは中東の王国カラムの皇太子ムラドのロンドンの邸宅でムラドの娘のナニーとして住み込みで働いている。ムラドとその弟ジャシムは友人たちの噂の的になるほどハンサムだが、亡き母の恋人だったムラドのことは、父親のようにしか思えなかった。ある夜、家人のいない家に帰宅したエリナーはジャシムに出くわした。傲慢な雰囲気を漂わせながらもセクシーで、思わず全身が熱くなる。こんな男性が、ナニーである私に興味を持つとは思えないけれど。だが思いがけず情熱的な言葉を耳元で囁かれ、エリナーは翌日、彼の誘惑にこたえてしまった――どんな思惑でジャシムが近づいてきたかは想像もせずに。
■ 2010年9月から大人気の作家リン・グレアムのミニシリーズ『予期せぬ結婚』が始まります。ゴージャスでリッチな男性たちと思いがけない恋に落ちるヒロインたちのストーリーです。
抄録
「馬の操り方がうまいな」ジャシムはぼそっと言った。
きっとプリンスはおもしろくないんだわ。エリナーは思わず笑みを浮かべた。「アマランサスが先に走りだしていなかったら、マーキュリーに負けていたわ」
ジャシムはエリナーを鋭く見すえた。競争心の強い彼は、人生のあらゆる面で一番になるのが当然と思い、負けるのを忌み嫌っている。だが、エリナーの無邪気でいたずらっぽい笑みを見た瞬間、ジャシムは怒りを忘れた。兄が見せつけられたものを見ているだけだと苦々しく自分に言い聞かせてみたものの、女性に対して斜に構えたところのあるジャシムにとって、彼女の笑みは効果てきめんだった。
彼の視線に肌が熱くなり、エリナーは必死に空気を吸いこんだ。こんな状況でジャシムと二人きりで話をしていたら、わたしは仕事上の立場を危うくしてしまう。「もう戻るわ。そろそろザラーのレッスンが終わるから」
「ザラーの看護師が迎えに来るころだ。ぼくたちに軽食を持ってくるよう命じておいた……。ああ、あそこにいる」
エリナーはぽかんと口を開け、ジャシムの視線を追った。屋敷のランドローバーが草地をこちらに向かってくる。「軽食って……ここで食べるの?」
ジャシムは黒い眉を寄せた。「いけないかい?」
お互いの立場をまったく考えていないのね。それに、ザラーの面倒を見るのはわたしの仕事なのに、わざわざ看護師を呼びだすなんて。とはいえ、エリナーは驚きを禁じえなかった。ジャシムの命令ひとつで、草地でのピクニックが実現する。皇太子である兄と同じく、どんな命令もすぐに実行されて当たり前だと思っているのだ。わたしは何を言っても、失望したり妥協させられたりするというのに。
車から使用人が飛びだしてきた。草地に豪華なウールの敷物が広げられ、冷たい飲み物、温かい飲み物、皿やグラス、軽食が次々と並べられていく。ピクニックといえば金属製のマグカップと思いこんでいたエリナーは、またも驚かされた。
ジャシムは水しか飲まない。ブロンズ色の頬に陽光が当たり、黒髪がそよ風に吹かれてかすかに乱れている。木にもたれてくつろいで水を飲む彼を見つめていたエリナーは、喉を締めつけられたように感じ、優雅なカップを口に運んでぎこちなくコーヒーをすすった。
「誕生日がなぜつまらなかったのか話してくれ」ジャシムが促した。
「その話はもう忘れたと思っていたのに」
ジャシムが浮かべた笑みに、エリナーの心臓が跳ねた。全身がほてり、自然発火してしまいそうだ。彼から視線をそらすことができないまま、エリナーはナイトクラブのチケットの件を話した。
「ムラドはとても気前がいいの」口にしたとたん、ジャシムの顔がこわばった。お兄さんを褒めたのにどうして、とエリナーはいぶかった。
ジャシムにとって、彼女の言葉はヤミナーの不安を裏づけるものだった。下心なしにえこひいきをするわけがない。兄が彼女にリムジンを使わせたのは、あの晩必ずウッドロー邸に帰ってこさせるためだ。
「でも、ナイトクラブでいい出会いがあったわけじゃないわ。わたしはたいていの男の人には背が高すぎるから――」
「だが、ぼくにはちょうどいい」ジャシムが遮った。
その意味ありげな口調に、エリナーの背筋に震えが走った。「背が高いのが恨めしいわ」
ジャシムは手を差しだした。「立ってごらん」
エリナーは戸惑いを隠しきれず、慌ててカップを置いて彼の手を握った。すると、そのまま立たされ、じっと見つめられた。黒く長いまつげに縁取られた、暗い金色の瞳で。膝が震えだし、エリナーは顔を真っ赤にして木の幹にもたれかかった。
「すばらしく長い脚だ」ジャシムはささやき、エリナーの額にかかった巻き毛をそっと払った。「赤い髪も唇も魅力的だ。血の通った男なら誰もが心を躍らせる」彼女のふっくらした唇に視線を注ぐ。「初めて君を見たときから、キスをしたかった」
「わたしのことを怒っていたはずよ」ゴージャスな瞳に魅せられながらも、エリナーは言い返した。
「それでも、君の唇がどんな味かと想像しないではいられなかった」そう言うなり、ジャシムは頭を下げて唇を重ね、好奇心を満たした。
エリナーにとって数カ月ぶりのキスだったが、こんなにも情熱的なキスは生まれて初めてだった。思わず開いた唇の間から彼の舌が滑りこみ、巧みな技で欲望を刺激する。下腹部に耐えがたいほど甘い感覚が走り、エリナーはかすかにあえぎ声をもらした。胸の頂は痛いくらいに硬くなり、レースのブラジャーを押しあげている。下腹部が合わさり、エリナーはジャシムも興奮しているのがわかった。こんなにも激しくわたしを求めているなんて。彼女はうれしくなった。しかしそれもつかの間、そんな自分にぎょっとし、エリナーははっと我に返った。わたしはいったい何をしているのかしら?
*この続きは製品版でお楽しみください。
きっとプリンスはおもしろくないんだわ。エリナーは思わず笑みを浮かべた。「アマランサスが先に走りだしていなかったら、マーキュリーに負けていたわ」
ジャシムはエリナーを鋭く見すえた。競争心の強い彼は、人生のあらゆる面で一番になるのが当然と思い、負けるのを忌み嫌っている。だが、エリナーの無邪気でいたずらっぽい笑みを見た瞬間、ジャシムは怒りを忘れた。兄が見せつけられたものを見ているだけだと苦々しく自分に言い聞かせてみたものの、女性に対して斜に構えたところのあるジャシムにとって、彼女の笑みは効果てきめんだった。
彼の視線に肌が熱くなり、エリナーは必死に空気を吸いこんだ。こんな状況でジャシムと二人きりで話をしていたら、わたしは仕事上の立場を危うくしてしまう。「もう戻るわ。そろそろザラーのレッスンが終わるから」
「ザラーの看護師が迎えに来るころだ。ぼくたちに軽食を持ってくるよう命じておいた……。ああ、あそこにいる」
エリナーはぽかんと口を開け、ジャシムの視線を追った。屋敷のランドローバーが草地をこちらに向かってくる。「軽食って……ここで食べるの?」
ジャシムは黒い眉を寄せた。「いけないかい?」
お互いの立場をまったく考えていないのね。それに、ザラーの面倒を見るのはわたしの仕事なのに、わざわざ看護師を呼びだすなんて。とはいえ、エリナーは驚きを禁じえなかった。ジャシムの命令ひとつで、草地でのピクニックが実現する。皇太子である兄と同じく、どんな命令もすぐに実行されて当たり前だと思っているのだ。わたしは何を言っても、失望したり妥協させられたりするというのに。
車から使用人が飛びだしてきた。草地に豪華なウールの敷物が広げられ、冷たい飲み物、温かい飲み物、皿やグラス、軽食が次々と並べられていく。ピクニックといえば金属製のマグカップと思いこんでいたエリナーは、またも驚かされた。
ジャシムは水しか飲まない。ブロンズ色の頬に陽光が当たり、黒髪がそよ風に吹かれてかすかに乱れている。木にもたれてくつろいで水を飲む彼を見つめていたエリナーは、喉を締めつけられたように感じ、優雅なカップを口に運んでぎこちなくコーヒーをすすった。
「誕生日がなぜつまらなかったのか話してくれ」ジャシムが促した。
「その話はもう忘れたと思っていたのに」
ジャシムが浮かべた笑みに、エリナーの心臓が跳ねた。全身がほてり、自然発火してしまいそうだ。彼から視線をそらすことができないまま、エリナーはナイトクラブのチケットの件を話した。
「ムラドはとても気前がいいの」口にしたとたん、ジャシムの顔がこわばった。お兄さんを褒めたのにどうして、とエリナーはいぶかった。
ジャシムにとって、彼女の言葉はヤミナーの不安を裏づけるものだった。下心なしにえこひいきをするわけがない。兄が彼女にリムジンを使わせたのは、あの晩必ずウッドロー邸に帰ってこさせるためだ。
「でも、ナイトクラブでいい出会いがあったわけじゃないわ。わたしはたいていの男の人には背が高すぎるから――」
「だが、ぼくにはちょうどいい」ジャシムが遮った。
その意味ありげな口調に、エリナーの背筋に震えが走った。「背が高いのが恨めしいわ」
ジャシムは手を差しだした。「立ってごらん」
エリナーは戸惑いを隠しきれず、慌ててカップを置いて彼の手を握った。すると、そのまま立たされ、じっと見つめられた。黒く長いまつげに縁取られた、暗い金色の瞳で。膝が震えだし、エリナーは顔を真っ赤にして木の幹にもたれかかった。
「すばらしく長い脚だ」ジャシムはささやき、エリナーの額にかかった巻き毛をそっと払った。「赤い髪も唇も魅力的だ。血の通った男なら誰もが心を躍らせる」彼女のふっくらした唇に視線を注ぐ。「初めて君を見たときから、キスをしたかった」
「わたしのことを怒っていたはずよ」ゴージャスな瞳に魅せられながらも、エリナーは言い返した。
「それでも、君の唇がどんな味かと想像しないではいられなかった」そう言うなり、ジャシムは頭を下げて唇を重ね、好奇心を満たした。
エリナーにとって数カ月ぶりのキスだったが、こんなにも情熱的なキスは生まれて初めてだった。思わず開いた唇の間から彼の舌が滑りこみ、巧みな技で欲望を刺激する。下腹部に耐えがたいほど甘い感覚が走り、エリナーはかすかにあえぎ声をもらした。胸の頂は痛いくらいに硬くなり、レースのブラジャーを押しあげている。下腹部が合わさり、エリナーはジャシムも興奮しているのがわかった。こんなにも激しくわたしを求めているなんて。彼女はうれしくなった。しかしそれもつかの間、そんな自分にぎょっとし、エリナーははっと我に返った。わたしはいったい何をしているのかしら?
*この続きは製品版でお楽しみください。
本の情報
紙書籍初版: 2010/9/5
小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・ロマンス
小説・ノンフィクション>ハーレクイン>シーク/砂漠
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