マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

午前零時にさめる夢

午前零時にさめる夢


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 サラ・オーウィグ(Sara Orwig)
 大学で出会った元空挺部隊員と結婚し、オクラホマに住む。彼女の作品は二十三カ国語で翻訳され、全世界で千六百万部以上の驚異的な売り上げを誇る。USAトゥデイのベストセラーリストに登場しただけでなく、ロマンティックタイムズ誌の各賞を受賞するなど業界からも高い評価を得ている。

解説

 オフィスに現れたブランド社の社長ノアを、フェイスはにらみつけた。フェイスの一族とブランド家は、数百年にわたりいがみ合う因縁の仲だ。そしていま、革製品を扱うブランド社は、フェイスの祖父の革製造店を買収しようとしているのだ。交渉役を務めるフェイスは、祖父の愛する店を守るため、話にいっさい耳を貸そうとせず、冷たくノアを追い払った。だが数日後、ノアはとんでもない反撃に打ってでた。店の宣伝のためにとフェイスがオークションに参加したところ、彼女と過ごす一夜が、二万五千ドルもの大金で落札されたのだ。落札者として舞台に上がったのは、ノア・ブランドその人だった。
 ■サラ・オーウィグが、運命に翻弄される男女の恋を描きます。

抄録

「ああ、きみを狙っていた。参加してよかったよ。きみはきれいだし、その上いい匂いがする」
「ありがとう。お世辞がお上手ね」きっとこの人は、女と見れば誰にでも甘い言葉をささやくのだろう。
 くるりと体をまわされてぐっと傾けられ、フェイスはノアにしがみついた。けぶるようなグレーの瞳に欲望がにじむ。少なくともこの瞬間、彼の中からビジネスが消えたのをフェイスは感じ取った。
 口数も少なくテーブルに戻ったあと、ノアが自分の過去についてあれこれ語っているうちに、気がつくとラウンジにはほとんど客がいなくなっていた。
 腕時計に目をやったフェイスは驚いてノアの顔を見た。「大変、もう夜中の一時よ! 帰らなきゃ」
「おじいさんが待っているわけじゃないんだろう。同居はしていないとさっき言っていたし、恋人がいるわけでもなし」
「けさも昨日の朝も、起きたのは午前三時よ。もう帰らないと」
「午前三時?」ノアはフェイスのそばに来て腕をつかんだ。「それは大変だ。なぜ言わなかった?」
「楽しかったから」フェイスは笑顔で答えた。「あなたにすっかり心を奪われて時間の感覚をなくしてしまったの……そう言ってほしい?」
 ノアがにっこり笑った。「実はそれが狙いだったのかもしれないよ」
 並んで歩きながら、フェイスはノアを見上げた。「そのとおりよ。今夜はあなたのおかげで楽しくて、時間があっという間にたったの。これでご満足?」
「本心ならうれしいね」ノアはドアを開けてフェイスを通しながら携帯電話で何か話し、フェイスが係員に渡そうと出した駐車券を取り上げた。「今晩はもう遅いから僕の車で送っていくよ。明朝きみの家まで迎えに行ってここまで送るから、自分の車はそのときに返してもらえばいい」
「そうさせてもらうわ、お言葉に甘えて」そうでも言わないと、また言い合いになってしまうだろう。今後もっと大きな闘いが待っているのだから、今は争うべきときかどうか、よく見きわめなければ。
 黒いリムジンが近づき、運転手が出てきて二人にドアを開けた。
 リムジンが走り出すと、フェイスはノアにほほえみかけた。「実のところ、今夜はずっと、わたしたちの意見が違うってことを忘れていたわ。お互いに、避けて通れない問題を先送りしているだけよ」
 ノアがかぶりを振った。「言っただろう、この週末は仕事の話はなしだ。これから親しくなっていく男と女、それだけだよ」
 わたしとデートするだけのために二万五千ドルもの値をつけるわけがない。フェイスは肩をすくめ、車窓を流れる家々の明かりを眺めた。ノアの狙いはカブレラ社よ。そのうちにきっと本性を現すわ。
 フェイスはゲートを開ける暗証番号をノアに伝え、リムジンは彼女の自宅正面に停まった。
「朝九時でいいかな? ぎりぎりまで眠ればいい、朝食にも連れていくから」玄関の前でノアが言った。
「九時でけっこうよ。でも朝食は遠慮しておくわ」
「今夜は僕も時間を忘れたよ」ノアはフェイスに一歩近づき、その腰に腕をまわした。フェイスの胸が高鳴った。ノアの手の感触、甘い言葉、彼とのダンス――今夜のすべてが、胸にくすぶる炎をあおり立てる。彼にキスしてほしい。でも、そんなふうに望んではいけないことは百も承知だ。ノアは敵なのだ。彼への怒りは今のところ棚上げになっていて、この薄暗い玄関の陰に隠れて現実世界では見えないけど。
「フェイス、僕たちが親しくなることには、マイナス面よりプラス面が大きいと思うんだ」ノアは静かに言うと、腰にまわした腕に力をこめた。
 だめよ、だめ、振り払わなければ。
 そんな思いとは裏腹に、フェイスはノアの腕に両手をすべらせ、顔を上げた。唇が開くと同時にノアの唇が重なり、舌が入ってきた。ゆっくりと体が熱くなり、やがて激しい炎が燃え上がった。
 ノアはフェイスを抱きしめ、フェイスも彼の首に両腕をまわした。激しいキスに頭がぐるぐるまわる。
 体の奥深くで欲望がうずく。禁断のキスを交わしてしまったことをいずれ後悔するだろうが、今はもう止まらない。ノアの髪に指をからめ、フェイスは彼にしがみついて歓びの低いうめき声をあげた。押しつけられた体の高ぶりから、ノアも彼女を求めているのがわかる。
 ノアは背後の壁にもたれ、フェイスの体をぴったりと抱き寄せて背中から腰へ手を這わせた。もう片方の手は彼女の髪を愛撫し、その間もキスは続く。
 せつなくあえぐ自分の声が胸の鼓動とともに耳の中に響く。やめなければと知りながら、フェイスは動けなかった。
 ようやくノアの胸を軽く押し戻すと、彼は動きを止めて顔を上げた。ノアの息も乱れ、激しい鼓動の音も伝わってくる。彼と見つめ合いながら、フェイスは取り返しのつかない過ちを犯したことを悟った。彼のキスはとうてい忘れられそうにないし、またしなければ満足できない。最初から心の声に従い、キスを拒むべきだった。
「フェイス……」ノアが口ごもり、フェイスは続きを聞こうと耳をそばだてた。「じゃあ、朝九時に。今夜は楽しかった」彼はそれだけ言った。本当に言おうとしていたのはこんなことなのだろうか。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。