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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

ひとときだけの恋人

ひとときだけの恋人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 エマ・ダーシー(Emma Darcy)
 フランス語と英語の教師を経て、結婚後、コンピューター・プログラマーに転職。ものを作り出すことへの欲求は、油絵や陶芸、建築デザイン、自宅のインテリアを整えることに向けられた。人と接するのが好きで、人と人とのつながりに興味を持っていた彼女は、やがてロマンス小説の世界に楽しみを見いだし、登場人物それぞれに独自の性格を与えることに意欲を燃やすようになった。旅を楽しみ、その経験は作品の中に生かされている。現在はオーストラリアのニューサウスウェールズにあるカントリーハウスに住む。

解説

 広告代理店に勤めるデイジーは、華やかな人々が集うイベント会場で上司のリンダが投資アドバイザーのイーサンに媚びるのを見かけた。イーサンはメディアにも頻繁に登場する有能なアドバイザーで、女優たちとも浮き名を流すゴージャスな男性だ。だが、明らかにリンダにうんざりした彼がデイジーに話しかけ、憤慨したリンダにその場で解雇されるはめに陥ってしまった。両親が経済的に困窮している今、仕事を失うわけにはいかない。そもそも、軽々しいプレイボーイが私をからかったせいなのに。イーサンに怒りをぶつけたデイジーは、返ってきた言葉に耳を疑った。「お詫びに、僕の家の面倒を見る仕事を提供しよう」
 ■あまりに身分の違う恋に悩むヒロインの姿を情熱的に描きます。

抄録

「いいとも」
 イーサンはほどほどの腕があれば返せる程度のサーブを打ってきた。そして、そのあとのラリーでは彼女が得点できるよう、ゆるめに打ちかえしたようだった。二点めはデイジーがサイドラインをぎりぎりに狙って得点し、いまのはまぐれだと笑ってみせた。三点めはそれまでより真剣な打ち合いになったが、幸い彼がネットに引っかけ、これまたデイジーの得点になった。そして次はドロップショットで不意をつき、まず一ゲームを彼女が取った。
「うーむ……」コートチェンジしながらイーサンは怪しむようにデイジーを見た。「ぼくは隠れたプロと対戦しているのかな?」
「どうしてそんなふうに思うの?」デイジーはにこっと笑ってみせた。「わたしは打ちながら奇声をあげたりうなったりしないわよ」
 最初のサーブに彼女は強いバックスピンをかけてエースを取り、次のサーブはT地点に打ちこんで再びサービスエースとなった。三本めのサーブはネットに引っかかり、四本めでかろうじて返ってきたボールは高く上がりすぎたのをスマッシュすることができた。これで、デイジーが続けて二ゲーム先取したことになった。好調な出だしだ。
 イーサンがネットに近づいて言った。「いつもどこでプレイしてるんだい?」
「チャツウッド・テニスクラブよ」
「どのくらいの頻度で?」
「土曜の午後にはたいてい行ってるわ」
 次の年会費の支払い期日が来るまでは。このあとの仕事が決まらない状態では、テニスクラブの会費は払えないだろう。近々テニスはやめるはめになるかもしれないが、今日はまだありがたいことに日ごろの練習がものをいっている。
「上級クラスかい?」イーサンが言った。
「ええ」
 彼は笑顔になった。「クラブではなんて呼ばれているんだい? ポケット・ロケットとか?」
「いいえ、ただのデイジーよ」
「きみにただのは似合わないよ、デイジー・ドナヒュー。ぼくが知っているあらゆる女性と比べても、きみは誰よりすばらしい」
 その言葉はシャンパンのように彼女の頭を直撃し、彼のプライドを叩きつぶしてみせるという意志は、わきたつ喜びに突き崩されてしまった。それに、こんなに形勢不利なら少しは不機嫌になってよさそうなものなのに、再びサービスラインに戻っていくイーサンはしごく楽しげで、自信をなくしたようにはとても見えなかった。彼のほうこそデイジーの知るどんな男性よりもすばらしく、引かれ合う互いの気持ちに身をゆだねてそのまま流されてしまいたい誘惑にさいなまれた。だが、そんなばかなことをするわけにはいかない。自分は彼に雇われている身だし、住む世界があまりに違いすぎる。
 しかし、そうしたもろもろのことも、デイジーの腕前がはっきりしてからの真剣勝負ではしだいに意味を失っていった。イーサンは本来の実力を発揮して次のゲームをみごと勝ち取り、デイジーは自分のサービスゲームをキープするのにも苦労させられたのだ。二人とも点を取れば喜び、取られればくやしがった。力はイーサンのほうが上だったが、デイジーはその力に戦略で対抗した。
 彼女が巧みなショットを決めると、イーサンは惜しみなく賞賛した。コートチェンジの際にかわす冗談にも機嫌のよさが表れていた。デイジーは彼と競い合い、軽口を叩き合う一瞬一瞬が楽しくてたまらなかった。
 イーサンは徐々に挽回して六ゲーム・オールまで盛りかえし、タイブレークに持ちこんだ。もう彼に勝つことなどどうでもよくなっていたが、デイジーはなんとかそのセットを取ろうとがんばった。結局、彼の華麗なバックハンドが勝敗を決め、デイジーはその瞬間ラケットをほうってすばらしいショットに拍手した。
 イーサンはうれしそうにネットを飛びこえ、自分もラケットをほうりだして、デイジーが意図を察するより早く彼女を抱きしめてにこやかに宣言した。「勝者は賞品をもらわなくては」
 そして彼女にキスをした。
 最後のラリーでデイジーの心臓はまだどきどきし、体はほてっていた。それはイーサンも同じだった。今の試合で体力を使い果たしたせいか、それともふいに彼をもっと知りたいという欲求が猛然とわきあがってきたためか、デイジーは抵抗できず、無意識に両手を彼の首に巻きつけてキスにこたえていた。
 イーサンはそれをいいことにキスに情熱をこめ、彼女の腰を抱きよせて下半身を押しつけた。デイジーは目のくらむような喜びにとらわれ、これまで必死に抑えこんできた欲望がいやおうなく解き放たれるのを感じた。
 激しいくちづけを受けながら、彼の髪に指を差しいれ、胸のふくらみをたくましい胸板に押しつける。ヒップにかかっている指に力がこめられ、腹部にめりこむ硬いものが痛いほど意識された。それでも頭の中の警報は鳴りださない。彼に求められている喜びが常識をのみこんでしまっている。
 イーサンは突如キスを中断すると、彼女の体を両手でかかえあげ、テニスコートを横切ってプールのほうに歩きだした。デイジーはどうするのかときくこともせず、彼の首にしっかりしがみついていた。自分自身を本当に賞品みたいに感じ、彼の喉元に顔をすりよせて男らしい匂いを吸いこんだ。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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