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大富豪とウエイトレス メディチ兄弟は罪作り II

大富豪とウエイトレス メディチ兄弟は罪作り II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアメディチ兄弟は罪作り
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リアン・バンクス(Leanne Banks)
 USAトゥデイのベストセラーリストにも登場歴を持つ彼女は、アメリカのロマンス小説界でナンバーワンの売り上げを誇る人気作家の一人。現在、夫と息子、娘とともに、生まれ故郷のバージニアで暮らしている。コミカルでセクシー、かつ読み終えたあとも印象に残るような人物が登場する作品を好むという。そんな彼女を、超人気作家ダイアナ・パーマーも「ハーレクイン・ディザイアの作家陣のうちでもっとも優れた作家の一人」だと大絶賛している。

解説

 バーで働くベラには、もっか大きな悩みがあった。最愛のおばが、心血注いで営んでいた店を買収されてしまったのだ。力になりたくても、しがないウエイトレスの身ではどうにもできず、打ちひしがれたおばを前に、ベラも途方に暮れるしかなかった。そんなおり勤務先のバーで、ベラはすてきな男性客と出会う。一杯五十ドルもする酒を頼むほどリッチで、ひどくハンサムな人だ。男性はマイケルと名乗ると、巧みに口説きかけてきて、柄にもなく、ベラは誘われるがままに一夜をともにしてしまう。マイケルその人こそ、おばの店を奪った人物だと知るのは、それから数時間後のことだった。

抄録

「言ってくれればどこにでも送る。ここよりも静かな場所にね」マイケルは言った。
 瞳に浮かんだ表情で、少しは信頼されたらしいと知れた。僕の感じる奇妙なつながりを、彼女も感じているのだろうか。迷っていると見えたのは一瞬で、ベラはすぐにうなずいた。「ええ」
 それから一時間半が過ぎた。気がつくとベラは、窮地を救ってくれた魅力的な男性に、自分の過去を半分ほど語って聞かせていた。おばのシャーロットに育てられたこと。さらには、終わった恋の話までそれとなく口に出していた。スティーブンのことを思うと、いつも喪失感で胸が苦しくなる。きっと一生引きずるのだろう。だが、いちばん深い心の傷は別にある。おばが癌の治療で苦しんでいるときにそばにいてやれなかったという、特大級の罪悪感だ。
 具体的な名前こそ伏せて語ったとはいえ、自分の口の軽さにベラは驚きあきれていた。「私、ひとりでしゃべっちゃって」顔を手でおおった。「お酒のせいにはできないわね。カクテル一杯だけで、あとは水ばかり飲んでいたんだもの。うんざりだったでしょう。今度はあなたの番。聞かせてもらえる? 今日どんないやなことがあったのか」
「うんざりなんてしないさ」マイケルは唇を軽くほころばせた。この唇、この顔――大理石の彫刻として博物館に飾ってあってもおかしくないと、ベラは思った。広い肩や引き締まった体にも目を向けた。たぶん、ほかの部分も同じように美しいのだろう。
「優しいのね。でも、順番は順番よ」
 マイケルは低く笑った。黒い瞳がミステリアスだ。「優しいと言われることはめったにないんだが。まあ、順番というなら」グラスの水を口に運ぶ。「両親は僕が子供のころに死んだ。だから両親に育てられたわけじゃない。そこは君と同じだ」
「誰に育てられたの?」
「残念ながら、僕にシャーロットおばさんはいなかった。いや、同情はしなくていい」
「まあ」ベラは彼の顔をじっと観察した。深い自信と現実的な感覚とをうまく調和させている人だ。「でも、楽な生活じゃなかったでしょう?」
「そうだな」マイケルはうなずき、いっとき黙った。「事故のせいで家族はばらばらになった」
「お気の毒に」いろいろな疑問が胸に渦巻いた。
「悲惨だった。あのころからずっと考えているんだ。僕にできることはなかったのか……」
 沈黙がおりた。よくわかる――そんな思いがベラの中にふくらんだ。本当なら、吐露された重い心情にとまどってもいいはずが、彼の苦悩は自分のことのようにすんなり理解できた。そっとマイケルの手に触れた。「自分を責めているのね?」
 彼はベラの手に視線を落とした。「毎日ね」そこで言葉がとぎれた。「はかない祈りかもしれない」
 胸が締めつけられた。「わかるわ」
 彼の指がベラの手をなでる。「君は美しいだけじゃない。人の心が理解できる女性のようだ」
 自分が美人だとはベラは思わなかった。記憶を探ってみても、きれいだと言ってくれたのはスティーブンだけだ。思い出すとみぞおちのあたりがこわばった。あの人にきれいだと言われることはもう二度とない。彼には新しい恋人ができたのだから。
「ほら、また。やっぱりあなたは優しい人よ」
「君は考え違いをしている。優しいのは君だ。言い寄ってくる男がいないとは言わせないよ」
「今度はお世辞ね。ええ、いるわよ、バーで飲みすぎた客なんかは」自分の外見が風変わりなのは自覚していた。黒っぽい髪に、吊り上がりぎみの目に、青白い肌という組み合わせは、たまに人を振り返らせもするけれど、それは美人だから見とれたというより、たぶん面白いものを見たという感覚なのだ。
「もっと深く知り合いたいんだ」黒くかげった瞳がベラを誘惑してくる。
 凍っていたはずの心が大きく跳ねた。ああ、でも、脈が速くなる理由にもいろいろあるわ。不安とか、楽しさとか、説明のつかない興奮とか……。
「どんなつき合いにも、今は積極的になれる気分じゃないの」
「堅苦しく考えることはない。考えるべきはお互いがどう楽しむかだ」
 欲望の表情を見て、ベラははっと息をのんだ。「ひと晩だけの遊び?」すぐに拒絶しない自分に驚いた。以前のベラなら絶対に応じなかった。けれど彼女もまた恋をして失恋した。つかんだはずの幸せはいつの間にか手をすり抜けていた。マイケルが提案しているのはそんな恋とは別物なのだ。意外にも、ほっとする気持ちが胸に広がった。
「どうなるかは、あとの気持ちしだいだ。僕たちには共通項がある。僕といれば、君はいっとき悩みから解放される。そして君のそばにいる僕も」
 あまりにも魅力的な誘いだった。自信に満ちあふれている彼だけれど、さっきは人間らしい一面ものぞかせていた。彼とのあいだには、何か不思議なつながりを感じる。歩くしかばね同然だったベラは、おかげでいくらかの生気を取り戻せた。
 急に喉が渇いて、ひと口水を飲んだ。私は本気でこんな提案に乗ろうとしているの?「あなたの名字だってまだ知らないのに」
「マイケル・メディチだ」マイケルは薄く微笑んだ。「調べてもらってもいいが、悪い人間じゃない。それに時間のむだだ。確証がほしければ、君のボスにきいてみるといい。彼は僕を知っているからね」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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