和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>恋愛
著者プロフィール
久美 沙織(くみ さおり)
4月30日、盛岡市生まれ。上智大学文学部哲学科卒。正反対といわれる牡牛座と獅子座をそれぞれ太陽宮、上昇宮にもつアムビバレンツ人間。コバルトシリーズに「宿なしミウ」「抱いてアンフィニ」「丘の上のミッキー」シリーズ他。また集英社文庫から「MOTHER」「ソーントーンサイクル」シリーズなど多数発表。実力派作家として活躍するかたわら、小説家志望者たちの育成にも力を注いでいる。
趣味は化粧とスナップ写真撮り。理想の女性は峰不二子。
4月30日、盛岡市生まれ。上智大学文学部哲学科卒。正反対といわれる牡牛座と獅子座をそれぞれ太陽宮、上昇宮にもつアムビバレンツ人間。コバルトシリーズに「宿なしミウ」「抱いてアンフィニ」「丘の上のミッキー」シリーズ他。また集英社文庫から「MOTHER」「ソーントーンサイクル」シリーズなど多数発表。実力派作家として活躍するかたわら、小説家志望者たちの育成にも力を注いでいる。
趣味は化粧とスナップ写真撮り。理想の女性は峰不二子。
解説
かなたが、故郷の盛岡から上京してきたのは大好きな「遙おにいちゃん」を訪ねるため。八年前、おにいちゃんは言ったのだ。「かなちゃんが十八になったらオンナにしたげるよ」って。でもたどり着いた家におにいちゃんはいないし、お嫁さん同然のせりかさんって人がいるし、おまけにホストのシャアや、ヤクザのジョーや、幼なじみの出(いずる)の出現でもうめちゃくちゃ!
そんな大騒動のどさくさまぎれに、全員がとんでもない事件に巻き込まれるハメとなった……。トキメキ&アクション入り乱れるスリリング・コメディ!
そして表題作ほか、「ギャラクシイ」で登場したせりかが探偵となる「バタフライはフリー?」も収録!
そんな大騒動のどさくさまぎれに、全員がとんでもない事件に巻き込まれるハメとなった……。トキメキ&アクション入り乱れるスリリング・コメディ!
そして表題作ほか、「ギャラクシイ」で登場したせりかが探偵となる「バタフライはフリー?」も収録!
目次
きみの瞳にギャラクシイ
1 十八歳になったなら
2 愛を売る男
3 白昼のナイフ魔、ジョー・島村
4 かりそめのサヨナラ
5 スーパーぶりっこVSせりか
6 もてない男の逆恨み
7 クライマックスでいり事情
8 ほんのおまけの遙くん
バタフライはフリー?
1 十八歳になったなら
2 愛を売る男
3 白昼のナイフ魔、ジョー・島村
4 かりそめのサヨナラ
5 スーパーぶりっこVSせりか
6 もてない男の逆恨み
7 クライマックスでいり事情
8 ほんのおまけの遙くん
バタフライはフリー?
抄録
爆発音がしたかと思う間もなく、粉々になった窓ガラスの間から、ミニを見おろしていたチンピラのひとりが、悲鳴をあげておちていった。飛び散ったガラスが刺さったチンピラが、あっけにとられて、傷口を見ている。
面くらいながらも、とりおさえに抱きついてきた幹介に膝げりを食わせて、せりかは飛びのいた。椅子をひきずったままぶんまわし、窓までたどりつき、ガラスののこりに押しつけて縄を切った。手錠をぐーんと引っぱりながら、腰をそっとおろすと、どうにかお尻を抜けた。びっくりして腰を抜かしたきり立てない安藤ののど元に、大きなガラスのはへんをつきつけながら、
「これでわかったでしょ。どっちがお利口か」
「ひえぇぇぇ」
「マーロゥはどこよ!」
「わ、わ、わしの部屋だけど……」
ガラスで頬をちょいと撫でると、ぎゃあ! と叫んで泣き出した。
「ずるいよ、ずるいよ、カタギのくせして、バクダン使うなんて」
「ふん。あれはお手製ニトロセルロースよ! ……たぶん」
「へ?」
「いいから、マーロゥのとこにいくのよ!」
「わかった、わかったから、それどけてくれ。わし、血ィみると、貧血おこすねん」
「いったい何がおこったんだ?」
爆発音に思わず身を伏せながら、シャアは叫んだ。
「外から聞こえたみたい!」
「とにかく急ごう!」
パチンコ店の客たちが、先を争って道にあふれ出してくるのを横目に、4人プラスジョーは階段をかけあがった。足元も定かでなく降りてくる連中は、一同に目もくれず、表にとび出して行く。
「せりかさん、何かやったな」
「さすが、おねえさま!」
「あ、あれは!」
小ばしりにおりてきたチンピラは、一同を見分けると、ひっ! とことばを呑みこんで、もときた部屋にとびこんだ。
「マーロゥを抱いてたぞ!」
「出(いずる)! 行こう」
とび出したかなたの背中に、
「せりかさんはひきうけた!」
シャアが怒鳴るや、かなた、一瞬立ちどまって、いぇい! とガッツポーズをみせた。
「い、いったいあれは何なんだ」
左手を背中にねじあげられて、追いたてられながら安藤はうめいた。
「盗難防止のベルのはずだったのよね」
せりかはため息をついた。
「爆発するしかけだったなんて……遙のやつ……高校生用科学の参考書みて、作れるかどーかためしてみようって、家中のぞーきんをニトロセルロースにしちゃって、怒ったあたしが夕ごはん抜きにしたからって、あーんなとこに処・理・してたなんて……もー。帰ってきたら新車買わせるからね! あ・れ・に知らずに乗ってたのかと思うと……」
面くらいながらも、とりおさえに抱きついてきた幹介に膝げりを食わせて、せりかは飛びのいた。椅子をひきずったままぶんまわし、窓までたどりつき、ガラスののこりに押しつけて縄を切った。手錠をぐーんと引っぱりながら、腰をそっとおろすと、どうにかお尻を抜けた。びっくりして腰を抜かしたきり立てない安藤ののど元に、大きなガラスのはへんをつきつけながら、
「これでわかったでしょ。どっちがお利口か」
「ひえぇぇぇ」
「マーロゥはどこよ!」
「わ、わ、わしの部屋だけど……」
ガラスで頬をちょいと撫でると、ぎゃあ! と叫んで泣き出した。
「ずるいよ、ずるいよ、カタギのくせして、バクダン使うなんて」
「ふん。あれはお手製ニトロセルロースよ! ……たぶん」
「へ?」
「いいから、マーロゥのとこにいくのよ!」
「わかった、わかったから、それどけてくれ。わし、血ィみると、貧血おこすねん」
「いったい何がおこったんだ?」
爆発音に思わず身を伏せながら、シャアは叫んだ。
「外から聞こえたみたい!」
「とにかく急ごう!」
パチンコ店の客たちが、先を争って道にあふれ出してくるのを横目に、4人プラスジョーは階段をかけあがった。足元も定かでなく降りてくる連中は、一同に目もくれず、表にとび出して行く。
「せりかさん、何かやったな」
「さすが、おねえさま!」
「あ、あれは!」
小ばしりにおりてきたチンピラは、一同を見分けると、ひっ! とことばを呑みこんで、もときた部屋にとびこんだ。
「マーロゥを抱いてたぞ!」
「出(いずる)! 行こう」
とび出したかなたの背中に、
「せりかさんはひきうけた!」
シャアが怒鳴るや、かなた、一瞬立ちどまって、いぇい! とガッツポーズをみせた。
「い、いったいあれは何なんだ」
左手を背中にねじあげられて、追いたてられながら安藤はうめいた。
「盗難防止のベルのはずだったのよね」
せりかはため息をついた。
「爆発するしかけだったなんて……遙のやつ……高校生用科学の参考書みて、作れるかどーかためしてみようって、家中のぞーきんをニトロセルロースにしちゃって、怒ったあたしが夕ごはん抜きにしたからって、あーんなとこに処・理・してたなんて……もー。帰ってきたら新車買わせるからね! あ・れ・に知らずに乗ってたのかと思うと……」
本の情報
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