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呪いの着メロ

呪いの着メロ

著: 雅孝司
発行: オンライン出版
価格:483円(税込)
10ポイント還元
形式:bookend形式⇒詳細
対応端末:パソコン 
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著者プロフィール

 雅 孝司(みや こうじ)
 小説・エッセイ・パズル・コンピュータゲームなどで活躍するマルチクリエイター。
 おもな小説作品には、『街が謎の緑に染まる』(講談社)、『世界一周パズル』(PHP研究所)、『カズの魔法使い』(パピレス)などがある。
 テレビ「マジカル頭脳パワー」「平成教育委員会」では常任出題者。
 インターネットでも作品を発表している。(http://www.puzzle-j.com/)
 くわしいプロフィルと作品リストは(http://www.puzzle-j.com/prof.htm)

解説

 黒づくめの怪人が現れ、あやしいメロディを口ずさみながら、街を歩き回る。怪人は、密室状態で2度3度と姿を消す。ハーメルンの笛吹き男の伝説にからめて、「怪人は子供をさらうんじゃないか」という噂が広まる。
 やがて、ほんとうに連続誘拐事件が起きる。被害者がとじ込められていたアジトには1台のPHSが残っており、それには奇妙な着メロが……。
 謎に挑むのは、天然ボケの料理研究家(ポケ〜ッとしたママ、略してポケママ)と3人の中学生。
 奇妙な着メロはじつはさらわれた者からのメッセージ(一種の暗号)だった。それを解読して救出に向かった中学生たちは、逆にとじ込められ、ピンチに。
 最後に明かされる、怪人の意外な正体と意外な動機。


 注:このコンテンツはPDF(のみ)で提供し、PDFファイルに音声ファイルを組込み、読者がクリックすると、怪人が口ずさむメロディと奇妙な着メロが実際に聴けます。


 この作品は、1999年講談社刊の『天然ポケママの事件レシピ1 街が謎の緑に染まる』の続編です。

目次

第1章 怪人、第一の消失
第2章 怪人、第二の消失
第3章 怪人、第三の消失
第4章 狙われた大輝
第5章 狙われた翔太
第6章 大輝を救出せよ
第7章 翔太の証言
第8章 ひかりの報告
第9章 怪人はなぜ歌う
第10章 六年めの再会
第11章 六年前の怪事件
第12章 祝のお弁当

抄録

 どこからか、変な音が聞こえる。いや、音というより声だ。低い、うなり声のようなうめき声のような……よく聴くと、へたくそな歌のようにも聞こえる。
 誠吾はあたりを見回した。ここまで来ると住宅街だ。どこかの家で音痴のおっさんがカラオケでもやってるのか?
 しかしそれらしい気配はなかった。
 その時誠吾は、前方に一人の男――後ろ姿しか見えないが、たぶん男――が誠吾と同じ方向に歩いているのに気がついた。そろそろ蒸し暑くなりはじめた季節だというのに、男は黒い帽子と黒いマントを身につけ、マントは足元までほぼ全身をおおっている。身長はおとなの平均よりやや高いぐらいか。
 男は、少し酔っ払っているのか、ふらつきながら歩いていた。へたくそな歌は、どうやら男が歌っているらしい。
 (たんなる酔っ払いか? でも、あのかっこうは、かなり怪しいぞ)
 誠吾は直感した。同時に、空腹と好奇心の戦いがはじまった。珍しく好奇心が勝った。誠吾は、しばらく男のあとをつけてみることにした。
 男は、それに気づいているのかいないのか、同じペースで、同じあぶなっかしい足取りで、ゆっくりと歩き続ける。
 男は、少しずつ児童公園に近づいていた。その途中は、ちょっとした丘になっている。坂道を上り下りして丘を越えるか、トンネル(半地下道)をくぐって丘を抜けるか、どちらにしても、その先が児童公園になっていた。
 トンネルは、誠吾も小学生のころよく遊んだ場所だ。幅は人がすれちがえるぐらいで、うす暗くてせまくて曲がりくねったトンネルは、少年たちの冒険心といたずら心を刺激した。
 男は、坂道とトンネルとに別れる個所で、どちらにするか少し迷ったようだったが、トンネル側に進んだ。誠吾も続く。まもなく、男はトンネルに入った。
 (いっそ、出口に先回りしようか?)
 誠吾は思った。トンネルは一本道だ。目を離しても男に逃げられる心配はない――やつがとつぜんUターンしないかぎり。
 しかし、誠吾はけっきょく先回りはせず、そのままあとをつけた。トンネルは一本道だが一直線ではない。その構造上、いずれにせよ、一時的に目を離す(姿が見えなくなる)ことに変わりはない。

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