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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

きみの声が聞こえる

きみの声が聞こえる


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★5
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著者プロフィール

 シャロン・サラ(Sharon Sala)
 強く気高い正義のヒーローを好んで描き、業界のみならず読者からも絶大な賞賛を得る実力派作家。息子と娘、それに孫が四人いる。“愛も含め、持つ者は与えねばならない。与えれば百倍になって返ってくる”が信条。ダイナ・マコール名義の著書も出版されている。

解説

★闇をついて、時を超えて、きみの声が聞こえる。★
 ただ未来や遠くの場所の出来事が見えるというだけで、グローリーは人々から“魔女”と疎まれてきた。ある吹雪の夜、彼女は凄惨な事故の幻影(ビジヨン)を見て飛び起きる。横転した車、血まみれの男性――“彼”が助けを求めている! そう確信したグローリーは嵐のなか病院に駆けつけ、特殊な血液型の彼を救うために、みずからの血液をささげた。そしてワイアット・フィールドというその男性に不思議な絆を感じつつ、名も告げずに去った。数カ月後。何者かによる放火で家族も家も失ったグローリーは、恐怖と悲しみに震えながら、虚空を見つめていた。“ワイアット……どこにいるの? 私を助けて!”

抄録

「兄が私をそう呼んでいたの。それに、父の好きな花だったのよ。うちのポーチには朝顔《モーニング・グローリー》が咲いていたわ。それで私の名前がついたの。父が言うには、生まれたとき私の瞳は朝顔みたいに青かったんですって」
 ワイアットは衝動に駆られて彼女を抱きしめ、眉のそばにキスをした。「すまない。君を苦しめることになるとは思わなかった」
 グローリーは彼を見上げた。瞳に涙があふれている。「大丈夫。思い出はすてきなものだもの」
 ワイアットは言葉をつむぎ出す彼女の口元を見つめ、できることならほんの少し身をかがめ、真珠のように輝くリップグロスの塗られた唇を味わいたいと思った。だが、できなかった。衝動はゆっくりと消えていった。命令を待ちわびて、馬が横に動いた。ワイアットは手綱をきつく握り、グローリーを胸の近くに引き寄せた。
「大丈夫かい?」
「あなたがそこにいてくれるかぎり」
“あなたがそこにいてくれるかぎり”その言葉がワイアットに新たな希望を抱かせた。
 グローリー、僕がずっとそばにいたら君はどう思うだろう? それよりも、僕はどう思うんだ? 去年の秋に旅を始めたとき、探していたのは君なのか? それとも、むなしさを満たす安直な答えを求めて、自分をごまかしているだけなのか?
 彼女がこれほど近くにいるときに、思いをつのらせたくなくて、ワイアットはその考えを振り払った。慎重にならなければならない。シャーリーの人生を壊してしまったように、また別の女性の人生を台なしにするようなまねだけはしたくない。再び女性を愛することがあるならば、それは永遠に続く愛だ。二度と同じあやまちは犯さない。
 草の生い茂る道を進むのは、日の明るいうちに、しかも馬で行くほうがはるかに楽だった。あの夜、服を引き裂かずによくこの道を歩けたものだと、ワイアットは不思議に思った。
 グローリーの家があった場所には死の気配が漂っているように感じられた。車を取りに納屋に向かう途中で焼け跡を通りすぎたとき、グローリーが顔をそむけるのがわかった。
 二人が馬に乗って近づいてくるのを見て、捜査のため作業に没頭していた男たちは手を止めた。グローリーだとわかると、彼らは帽子を取ってうつむき、悲しみと喪失感を彼女とともにした。
 グローリーは息を詰まらせ、むせび泣いた。
「つらいだろうね」ワイアットは優しく言った。
 彼女の声は涙でくぐもっていた。「ああ、ワイアット。本当につらいわ」
 それから少しして、町の北端の境界を通りすぎるころ、ワイアットは車の速度をゆるめた。葬儀に向かう途中でスピード違反の切符を切られるのは考えものだが、彼はこのときまで物思いにふけっていた。
 グローリーは火災現場の男たちから顔をそむけたが、ワイアットは彼らを見ていた。レインが中心にいるのがわかり、安心してその場をあとにした。今日、何が発見されても、どんな結論が出されても、それは公正なものになるだろう。
「大丈夫か?」ワイアットは尋ねた。
 グローリーはうなずいた。彼女は目を見開き、前に伸びる道路を見つめている。「きのう墓地を選びに行ったときに曲がった角は覚えている?」
「ああ、覚えているよ」
「父と兄の状態を考えたら、墓地の礼拝がふさわしいと思ったの」彼女は前日の決断にふと確信が持てなくなり、口ごもった。「そうよね?」
「君の決断が正しいんだよ。彼らは君の家族なんだから。そうだろう?」
 グローリーはため息をつき、顔を両手でおおった。声も手も震えている。「ああ、神様。品位を失わずに式を終えることができますように」
「品位なんてどうでもいいんだ、グローリー。悲しみは健全なものだ。感情を抑えていると精神がむしばまれてしまう。いつも平静を装っているせいで、僕の人生がどれほどひどいことになっているか見てごらんよ」
「それほどひどいとは思わないわ」
 ワイアットは顔をゆがめた。「いや、そうなんだよ。すばらしい女性と結婚したのに、僕が心を傾け、身をささげたのは、彼女ではなく軍隊だった。その理由がわかるまでに何年もかかった」
 グローリーは何も言わずに耳を傾けた。
「軍隊は忠誠心と忍耐力のほかは何も求めない。妻が欲しいと望んだものは、僕が分かち合うすべを知らないものだった」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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