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あなたの記憶 ミスター・ミリオネア III

あなたの記憶 ミスター・ミリオネア III


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアミスター・ミリオネア
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リアン・バンクス(Leanne Banks)
 USAトゥデイのベストセラーリストにも登場歴を持つ彼女は、アメリカのロマンス小説界でナンバーワンの売り上げを誇る人気作家の一人。現在、夫と息子、娘とともに、生まれ故郷のバージニアで暮らしている。コミカルでセクシー、かつ読み終えたあとも印象に残るような人物が登場する作品を好むという。そんな彼女を、超人気作家ダイアナ・パーマーも「ハーレクイン・ディザイアの作家陣のうちでもっとも優れた作家の一人」だと大絶賛している。

解説

 ディランとアリサは、いつも一緒にいた。友情を育んだ子供時代も、恋人どうしになった十代のころも。アリサが引っ越したことで、関係は一時とだえたが、大学で再会してからは、再び恋人としてつき合いはじめた。二人が一緒になることは、まるで運命であるかのようだった――。アリサがディランの裏切りを目にするまでは。その後、アリサはディランの言い訳も聞かず、人生から彼を締め出し、二度と信頼するまいと誓った。今では二人とも故郷の町に住んでいるが、ろくに口もきいていない。そんなとき、事件は起こった。アリサが交通事故に遭い、重傷を負ったのだ。意識不明の状態がしばらく続いたあと、なんとか一命はとりとめたが、目を覚ました彼女は……すべての記憶を失っていた。

抄録

 ディランはわざとじらすように、ほんの少しずつ顔を下げてくる。アリサは期待感の高まりが心地よく、同時にじれったくてたまらなかった。ディランの視線が自分の唇に吸い寄せられたと思ったとたん、アリサの口は彼の口にふさがれていた。その大胆さでアリサをくらくらさせながら、ディランは彼女を味わった。唇で愛撫し、奪いつくそうとするキスは、まるでセックスそのものだ。
 アリサは膝から力が抜けていくのを感じた。ディランの舌が口の中に入りこんでくると、どうにでもしてほしいという思いに全身が満たされる。すばやく、浅く息を吸いこむと、雨とアフターシェーブローションの香りに、感覚という感覚がかき乱された。ディランは胸でアリサの胸のふくらみをかすめ、彼女の背中に手をすべらせて腰を引き寄せ、自分の腰に押しつけた。ディランは熱くこわばっていた。
 こらえきれず、アリサはあえぎ声をもらした。ディランはさらにキスを深めながらアリサに体を押しつけたが、ふと彼女から口を引き離して言った。「くそっ、君はプールサイドで横になって昼寝をしているはずなんだ。僕の頭をどうかさせるのではなく」
 アリサは震える息を吸いこみ、落ち着きを取り戻そうと唇を噛み締めた。「あら、あなた、お医者様に警告されたはずよ。私は扱いにくいかもしれないって」ようやく発した声がかすれているのが自分でもわかった。
 ディランは信じられない思いでアリサを見つめてから、うなだれて、毒づいた。
「気になってしょうがないの」アリサは言った。「あなたと私、前にもキスをしたことがある?」
「あるよ。しかし……」
「しかし、なに?」
「ずいぶん昔のことだ」アリサから離れながら、ディランは言った。
 アリサは眉をひそめた。「前にキスをしていたなら、どうしてやめたの?」
「やめたって、なにを?」
「前にしていたキスを」
 ディランは髪をかきあげた。「君はまだ十五歳で、君のお母さんが再婚して、引っ越すことになったからだ」
 アリサは記憶をたぐり寄せようとしたが、なにも思い出せなかった。「覚えていないわ」
 自分を見つめるディランの目に、ふとなつかしそうな表情がよぎるのをアリサは感じた。ディランはアリサの顎をそっと撫でた。「いいんだ。忘れるのがなにより、ということもたまにはある」彼は手を離し、そのまなざしは急に真剣になった。「そんなことより、療養中に退屈したら、本を読んだりテレビを見たりすることだ。僕を刺激するのではなく」そして、首をかしげて耳をすました。「嵐はほとんどおさまったようだ。今のうちに家に戻ろう」
 熱いキスの記憶と、自分とディランが十代のときに恋人どうしだったという事実に気をとられたまま、アリサは扉を開けるディランを見つめた。
「もう大丈夫だ」ディランは言い、手招きをした。「さあ、行こう」
 ディランと厩舎を出たアリサは、黙りこくって歩きつづけた。家が近づくと、興味津々に彼を見つめてきいた。「気にいらなかったということ?」
 ディランはとまどい顔でアリサを見た。「気にいらなかったって、なにが?」
「私とのキスが」アリサは言い、立ちどまった。「私とのキスが気にいらなかったの?」
 ディランも立ちどまり、いらだたしそうにアリサを見た。「そうじゃない。でも、君はひどい事故にあって、今は回復中なんだ。それに、自分では気づいていないかもしれないが」くぐもった声で言う。「君はまだ弱っている。そんな君につけこむようなことはしたくない」
「ますますわからないわ。あなたって、お金がすべての億万長者かと思うと、屋敷で体の不自由な子供たちに乗馬のレッスンを受けさせたりもしている。私にキスをして、まるで……」適当な表現が見つからず、アリサは口ごもった。
 ディランの謎めいた視線にどんな感情がこもっているのか、アリサは判断しかねた。「まるで、なんだい?」
 アリサは顎を突き出した。「まるで、キス以上のことをしたがっているみたいに私にキスをしたかと思うと、次の瞬間には、紳士ぶって私をはねつけている。どれがほんとうのディラン・バローなの?」
「全部だ」ディランは言い、家に入っていった。
 アリサはじれったさと疑問の塊のようになって、ディランのうしろ姿を見つめた。まったく、どうして私には記憶がないのよ? 見せかけだけの人造人間になってしまったような気分だった。肌も髪も体も、見た目は本物の人間のようだが、中身が空っぽなのだ。手足がないほうがまだましとさえ思えた。アリサはなによりも、このどうしようもない無力さを捨て去りたかった。そして、なによりも、自分とディランに関するすべてを思い出したかった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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