和書>小説・ノンフィクション>ハーレクイン>ハーレクイン・ディザイア
クリスマスまで待てない
著: モーリーン・チャイルド 翻訳: 氏家真智子発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:525円(税込)
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著者プロフィール
モーリーン・チャイルド(Maureen Child)
旅行をこよなく愛する彼女は、機会さえあれば夫と連れだって研究旅行に出かける。ハッピーエンドが大好きで、今でもこの職業を世界最高と自負している。現在は夫と子ども二人、それに誇大妄想気味のゴールデン・リトリーバーとともに南カリフォルニアに暮らす。ウォールデンブックスのベストセラーリストに登場歴を持つ。
旅行をこよなく愛する彼女は、機会さえあれば夫と連れだって研究旅行に出かける。ハッピーエンドが大好きで、今でもこの職業を世界最高と自負している。現在は夫と子ども二人、それに誇大妄想気味のゴールデン・リトリーバーとともに南カリフォルニアに暮らす。ウォールデンブックスのベストセラーリストに登場歴を持つ。
解説
式の直前になって花婿に逃げられたケイシーは、純白のウエディングドレスのまま教会を飛び出し、かつての親友が住む場所めざして車を走らせた。ところが、激しい雨が道にぬかるみを作り、途中で車が止まってしまった。そこを助けてくれたのが、親友の兄である初恋の男性ジェイクだった。結婚がだめになり、こういう状況になったのもなにかの運命だ。ケイシーは意を決して、ジェイクに迫って拒絶された五年前の夜を再現しようと試みた。ジェイクの部屋で一糸まとわぬ姿になり、ベッドの中で彼を待つ。ただ、あのときと違うのは、ケイシーは十代の“子供”ではないということだ。思いは今も変わっていない。これはチャンスなのかも。「わたしを抱いて、ジェイク……今すぐに」
抄録
「ここから出ていってくれ」ジェイクは欲望に喉をつまらせて言った。
「でも、わたし、あなたが来るのを待ってたのよ」ケイシーはキルトで裸身を隠したまま起きあがり、ベッドの上にひざまずくと、ジェイクを見つめながら、顔にかかった髪を振りはらった。
ジェイクは思わず息をのんだ。ケイシーの体を覆っていたキルトとシーツがずり落ちていく。心ならずも、彼女の胸のふくらみに目が行ってしまった。呼吸とともに波打つ胸を見ていると、たまらなくなってくる。もう我慢の限界だ。今すぐ、この手で彼女の乳房を包みたい。なんだか、ケイシーの肌のぬくもりが、ひしひしと迫ってくるようだ。
ジェイクは両手を固く握りしめ、満たされない怒りをこめて言った。
「待ち人に会えたんだから、もういいだろう。さっさと出ていってくれ」
「いやよ」
「なんだって?」
「ジェイク……」ケイシーが身を乗りだした。キルトがまた少しずり落ちて、胸の頂があらわになる。そうとも知らず、ケイシーはジェイクに片手をさしのべた。「わからない? わたしはずっと、この日が来ることを待ち望んでいたのよ。引っ越ししたら、もう会えないかもしれないわ」
その気持ちは、ジェイクも同じだった。パーティ会場を早めに抜けでてきたのは、心を引かれる女性との別れを祝う気になれなかったからだ。“遠くにいるほど思いはつのる”という諺《ことわざ》は、あまり当てにならない。二年もたてば淡い恋心は消え、ふたりは赤の他人になっているだろう。
だからこそ、今すぐケイシーを寝室から追いださなければならないのだ。
「ケイシー、こんなところにいてはだめだ」
「わたしはここにいたいのよ」ケイシーはそう言いかえし、キルトを持ったままジェイクに歩み寄ると、その腕に片手を置いた。
シャツを着ているのに、彼女にふれられた腕が燃えるように熱い。ジェイクは歯をくいしばり、ケイシーがもたらした刺激を無視しようとした。
「わたし、もう待てない」ケイシーはあえぐようにささやいた。「時間切れになる前に、あなたに言っておきたいことがあるの」
「なにをだい?」言いたいことがあるなら早く言って、とっとと出ていってくれ。
「わたし、あなたを愛してる」
ジェイクはみぞおちに強烈なパンチをくらったような気がした。ケイシーの瞳の奥できらめく愛が見える。できるものなら、おれだってケイシーに愛を告白したい。彼女をこの胸に抱き、狂おしい愛に我を忘れたいのだ。そして、その温かい体の奥へ身を沈め、彼女が歓びにうめく声を聞いてみたい。だが、それは許されないことだった。ケイシーがおれを愛していると言おうとも……。
状況はまったく変わらない。ケイシーはあまりにも若すぎて、自分がなにを望んでいるか、わかっていないのだろう。おれのあとをついてまわり、こちらがうんざりするまで質問を浴びせかけてきた少女は、まだ大人になっていないのだ。
とはいうものの、体はもう大人だ。だからといって、体の芯をうずかせる欲望を癒すために、ケイシーの恋心につけこむことはできない。ましてや、二十歳にもならない彼女に、永遠の愛を誓わせるわけにはいかないのだ。
ジェイクは死ぬ思いで言った。「ありがとう、ケイシー。きみの好意には感謝するよ」
ケイシーの瞳の奥で疑念が渦巻いている。
「感謝する?」
「こんなことは聞きたくないだろうが――」
「そう思うなら言わないで。お願い、ジェイク」ケイシーがシャツの前をつかんだ。
「言わなければならないんだ」ジェイクは彼女の手をてのひらで包みこんだ。「ハニー、おれは今、三十だ。だが、きみはまだ十九じゃないか」
「来月には二十歳になるわ」
「そうか、二十歳か」ジェイクはケイシーの固く握りしめた手を親指で撫でた。彼女の肌のぬくもりが、体の芯までしみわたっていくようだ。「だったら、カレッジ卒業前だな」
「そんなこと、わたしたちふたりにはどうでもいいことだわ」
「おれたちふたりに未来はない」そう言ってみたものの、胸がえぐられるようだった。
「あるかもしれないわ」
ジェイクはかぶりを振った。
「わたしのこと、なんとも思ってないの?」
「ケイシー……」
「思ってないわけがないわ。あなたはわたしに好意を抱いているはずよ。あなたがわたしを見る目は、わたしがあなたを見る目と同じだもの」
まいったな。
「お願いだから、わたしを追いかえさないで。わたし、あなたと一緒にいたいのよ」ケイシーはジェイクのうなじに片手を回し、おずおずと唇を重ねた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「でも、わたし、あなたが来るのを待ってたのよ」ケイシーはキルトで裸身を隠したまま起きあがり、ベッドの上にひざまずくと、ジェイクを見つめながら、顔にかかった髪を振りはらった。
ジェイクは思わず息をのんだ。ケイシーの体を覆っていたキルトとシーツがずり落ちていく。心ならずも、彼女の胸のふくらみに目が行ってしまった。呼吸とともに波打つ胸を見ていると、たまらなくなってくる。もう我慢の限界だ。今すぐ、この手で彼女の乳房を包みたい。なんだか、ケイシーの肌のぬくもりが、ひしひしと迫ってくるようだ。
ジェイクは両手を固く握りしめ、満たされない怒りをこめて言った。
「待ち人に会えたんだから、もういいだろう。さっさと出ていってくれ」
「いやよ」
「なんだって?」
「ジェイク……」ケイシーが身を乗りだした。キルトがまた少しずり落ちて、胸の頂があらわになる。そうとも知らず、ケイシーはジェイクに片手をさしのべた。「わからない? わたしはずっと、この日が来ることを待ち望んでいたのよ。引っ越ししたら、もう会えないかもしれないわ」
その気持ちは、ジェイクも同じだった。パーティ会場を早めに抜けでてきたのは、心を引かれる女性との別れを祝う気になれなかったからだ。“遠くにいるほど思いはつのる”という諺《ことわざ》は、あまり当てにならない。二年もたてば淡い恋心は消え、ふたりは赤の他人になっているだろう。
だからこそ、今すぐケイシーを寝室から追いださなければならないのだ。
「ケイシー、こんなところにいてはだめだ」
「わたしはここにいたいのよ」ケイシーはそう言いかえし、キルトを持ったままジェイクに歩み寄ると、その腕に片手を置いた。
シャツを着ているのに、彼女にふれられた腕が燃えるように熱い。ジェイクは歯をくいしばり、ケイシーがもたらした刺激を無視しようとした。
「わたし、もう待てない」ケイシーはあえぐようにささやいた。「時間切れになる前に、あなたに言っておきたいことがあるの」
「なにをだい?」言いたいことがあるなら早く言って、とっとと出ていってくれ。
「わたし、あなたを愛してる」
ジェイクはみぞおちに強烈なパンチをくらったような気がした。ケイシーの瞳の奥できらめく愛が見える。できるものなら、おれだってケイシーに愛を告白したい。彼女をこの胸に抱き、狂おしい愛に我を忘れたいのだ。そして、その温かい体の奥へ身を沈め、彼女が歓びにうめく声を聞いてみたい。だが、それは許されないことだった。ケイシーがおれを愛していると言おうとも……。
状況はまったく変わらない。ケイシーはあまりにも若すぎて、自分がなにを望んでいるか、わかっていないのだろう。おれのあとをついてまわり、こちらがうんざりするまで質問を浴びせかけてきた少女は、まだ大人になっていないのだ。
とはいうものの、体はもう大人だ。だからといって、体の芯をうずかせる欲望を癒すために、ケイシーの恋心につけこむことはできない。ましてや、二十歳にもならない彼女に、永遠の愛を誓わせるわけにはいかないのだ。
ジェイクは死ぬ思いで言った。「ありがとう、ケイシー。きみの好意には感謝するよ」
ケイシーの瞳の奥で疑念が渦巻いている。
「感謝する?」
「こんなことは聞きたくないだろうが――」
「そう思うなら言わないで。お願い、ジェイク」ケイシーがシャツの前をつかんだ。
「言わなければならないんだ」ジェイクは彼女の手をてのひらで包みこんだ。「ハニー、おれは今、三十だ。だが、きみはまだ十九じゃないか」
「来月には二十歳になるわ」
「そうか、二十歳か」ジェイクはケイシーの固く握りしめた手を親指で撫でた。彼女の肌のぬくもりが、体の芯までしみわたっていくようだ。「だったら、カレッジ卒業前だな」
「そんなこと、わたしたちふたりにはどうでもいいことだわ」
「おれたちふたりに未来はない」そう言ってみたものの、胸がえぐられるようだった。
「あるかもしれないわ」
ジェイクはかぶりを振った。
「わたしのこと、なんとも思ってないの?」
「ケイシー……」
「思ってないわけがないわ。あなたはわたしに好意を抱いているはずよ。あなたがわたしを見る目は、わたしがあなたを見る目と同じだもの」
まいったな。
「お願いだから、わたしを追いかえさないで。わたし、あなたと一緒にいたいのよ」ケイシーはジェイクのうなじに片手を回し、おずおずと唇を重ねた。
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