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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

すれ違う恋心

すれ違う恋心


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:630円(税込)
10ポイント還元
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

 かつて深く愛したイーサン。ミアは今も心を乱される彼が憎かった。9年前、イーサンの母親が校長を務める寄宿学校に入ったとき、内気なミアの話し相手になってくれたのは、6歳違いの彼だった。4年後、ミアは彼とデートし、ベッドまでともにするようになった。イーサンはその間に彼女の父親の会社に入り、着々と支配を強めていた。ミアの母の自殺と、彼女の父と自分の母親の再婚を待っていたように。イーサンが私に近づいたのは、父の会社を乗っ取るため。そして母の死は、父とイーサンの母親の情事を知ったから……。そんな仕打ちに耐えられず、ミアは彼らの前から姿を消した。なのにイーサンは5年もかけて彼女を捜しあて、父のもとに帰れと言う。ミアは目の前に彼を舞い戻らせた残酷な運命をのろった。■デビュー以来、150作以上の作品を書き、不動の人気を誇るC・モーティマー。すれ違う恋人たちの心情を確かな筆致で紡ぎ出す、正統派のロマンスをどうぞお楽しみください。

抄録

「ああ、なんていい気分……」
「もっと?」
「ええ……」
「強く?」
「ええ、お願い。ああ、神さま……天にも昇る心地よ! あなたがこの道の達人だってことを忘れていたわ」ミアは切なげに言葉を添えた。
 部屋にはテーブルランプだけがともり、ミアはソファに座っていた。イーサンはその後ろに立ち、彼女の首筋や肩甲骨のあいだのこわばりをもみほぐしている。柔らかいセーターに指を食いこませながら、ほどよい強さで緊張をほぐしてやっていた。
 ミアが裸身でベッドに横たわっていれば、乳白色のなめらかな肌をマッサージできるので、もちろんそのほうがいい。だが、ミアがあの写真にひどいショックを受けたあとで、文句が言える立場ではない。
 ミアに触れているだけでも心地いい。柔肌の下の華奢な骨格や体から放たれる熱気が手に伝わってくる。女らしい香水の香りもほのかに漂い、五感をくすぐる。彼女がもらす喜びのうめき声がこの身をどんな目に遭わせているかは言うに及ばない。
 イーサンの体は痛いくらいだった。その痛みは脈打つような欲求へと変わりつつあった。彼が背中や肩をもみほぐすあいだ、ミアはうれしげな声をもらしつづけている。その小さな叫び声から、愛し合うときの声を思い出すのはあまりにも簡単だった。
「やめないで、イーサン」ミアはかすれた声で言い、振り向いてつややかなまつげの下から彼を見た。
 やめたいわけがない。イーサンはさらに先へ、さらに深く進めたかった。そうでなくとも、もうこんなに興奮させられている。今にもはじけそうだ。ミアに気づかれたら、追いだされるのが落ちだろう。
「イーサン?」
「わかった」彼は苦笑ぎみに首を振り、もう一度肩やうなじに指をかけてもみほぐすというより愛撫した。ミアの短い髪はテーブルランプのもとで黄金色に輝いている。繊細にして柔らかなうなじが見えて、右の耳たぶのすぐ後ろのほくろはキスするのにちょうどいい。なでる手に応えてミアの反応が微妙に変わり、イーサンはもう少しで見逃すところだった。今や彼女の首はしなやかな弧を描き、セーターを通して肌のほてりがいっそう熱く感じられる。
 イーサンの息も浅く不規則になってきた。彼はなでる方向を変え、今度はミアの首に沿って軽くゆっくりと指を動かした。彼女の頭がソファにもたれかかり、まぶたは閉じられている。イーサンは喉の優美な曲線をたどり、感じやすいくぼみを探ってからさらに下へ向かった。突きでた胸をそっとおおうとそこで手を止め、ミアが抵抗するのを待った。
 一度触れただけで、セーターの下の胸には何もつけていないのがわかった。柔らかな胸の先端はラズベリー色だと、イーサンは経験から知っていた。味もそれと同じように甘い……。
「ミア――」
「何も言わないで、イーサン、お願い」
 ミアがうめいた。目はまだ閉じている。イーサンはソファの背もたれから身を乗りだし、彼女の顔をのぞきこんだ。頬やふっくらとした唇には間違いなく興奮の赤みが差している。しかもその唇はぬれ、かすかに開いて、まるで誘いかけるようだ。
 その誘惑を拒むべきなのはイーサンにもわかっていた。ミアはあの写真に深く心を乱された。今もそうだろう? 二人のあいだには多すぎるほどの誤解がある。まだ口にされていないこともあまりに多い。
 だが顔を下に向け、ミアの唇を奪ったときは、もうそんなことはどうでもよくなっていた。
 ミアは身動きせず、まぶたをきつく閉じたまま、唇を開いたままでイーサンのキスを受けた。
 期待に満ちたすばらしいぬくもりがミアの体にあふれてきたのは、五分前に初めてイーサンの指が触れたときだった。そのぬくもりはすばやく広がって胸を熱くほてらせ、腿のあいだを切なくたぎらせていた。イーサンがキスし、熟知した巧みな指で胸の先を愛撫すると、内なる熱気は増すばかりだった。今、その先端を彼の指が軽くはさみ、その一方で舌が、開いた唇のあいだを動いている。
 ミアは親密な触れ合いに体をそらし、筋骨たくましいイーサンの肩に腕をかけてうなじの黒い髪に指を巻きつけた。今、二人のあいだの期待に満ちた静けさを破るのは、互いの荒い息の音だけだった。
 イーサンにきのう再会してからというもの、私が求めていたのは、焦がれていたのは、これだとミアは今思い知った。あれからすぐに、心のどこかで自問するようになっていた。年を重ねて力強くなったこのイーサンと、大人になって自信がついたミアは、五年前のもっと若い彼と自分と同じように熱く火花を散らすだろうか、と。
 むしろ、今の二人のほうが激しいくらいだ。
 二人の唇は貪欲に開き、舌を繰りだしている。ミアはイーサンの腕のなかで向きを変え、ソファに膝をついた。彼の硬い胸に自分の胸を押しつける。イーサンの腕がウエストに絡みつき、セーターの下で愛撫の手を動かしながら、たぎる肌に触れた。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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