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危険な同居人

危険な同居人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェシカ・スティール(Jessica Steele)
 イングランド中部に、七人兄妹の六番目に生まれた。現在はウースターシャーの風光明媚で文化財に富んだ村に夫とともに住んでいる。公務員として働きながら夜の時間を執筆にあてていたが、夫の励ましを得てフルタイムの作家となった。一番の趣味は旅行で、メキシコ、中国、香港……と、取材をかねてさまざまな国を訪れている。

解説

 姉が夫に愛想をつかし、三人の子供たちと一緒に戻ってきた。アレシアは超過密状態の家を出ようと考えるが、厳しい母の手前、なかなか言い出せないでいた。ある日、アレシアはパーティで出会ったすてきな男性トレント・デ・ハヴィランドとデートしたが、帰宅後、姉に意外な事実を知らされて驚いた。姉の夫は、会社の金を着服して停職処分中の身だが、なんとトレントはその会社のオーナーだという。夫を告訴しないように頼んで、と姉に泣きつかれ、アレシアはしぶしぶトレントに会って話をした。トレントはあっさり了解するが、とんでもない交換条件を持ち出した。僕の屋敷に引っ越し、ベッドを含め、すべてを共有するように、と。

抄録

 トレントは何も言わなかったが、アレシアの決断を好意的に判断したようだった。だが、彼は突然話題を変えてアレシアをとまどわせた。「君、今夜はデートの予定はなかったそうだね。決まったボーイフレンドはいるのかな?」
 もしいたら、私がここへ来るとでも思うのかしら? 「お友達なら何人かいるわ。だけど、私はよく気をつけて……」アレシアはあわてて続きの言葉をのみ込んだ。この人のことはほとんど知らないのに、私は心の奥底にある秘密を打ち明けようとしている。「あなた、このコーヒーに何か入れたの?」
「何も入れてない。誓うよ」トレントはにこっと笑った。そして、アレシアは彼の唇が魅力的だと思った。同時に、家を出る計画をどうして彼にもらしたのだろうといぶかった。まだ母にも話していないのに。そのうえ、最大の秘密まで告白しそうになった。「ところで、アレシア、教えてくれないか? 君はなぜ、男性とかかわることを恐れている……」
「恐れてなんかいないわ!」アレシアは声高にトレントをさえぎった。
「君は他人を信じるのが怖い」
「怖くはないわ」再びアレシアは否定した。いやな人。私のようなケースを問題視して、原因を根絶するまで満足しない心理学者みたい。
「じゃあ、僕を信頼する?」
 アレシアはトレントを見た。もちろん、信頼はしない。「だって私はここにいるわ。そうでしょう?」はねつけるように答えた。いったんは招待を拒んだ私がなぜ今ここにいるのか、彼の緻密な頭脳があやしんでいるだろうと思うと、いたたまれない気持になる。今は彼に理由を打ち明けて頼むのに、ふさわしい時ではない。アレシアは話題を変えようとして、不運にも、もっとも触れたくないもうひとつの話題に頭を突っ込んだ。「だけど私の父は、私が十歳の時に私たちを見捨てたのよ!」
「君のお母さんを見捨てたんだ」トレントは彼女の言葉を訂正した。「君はお父さんを非難する?」
「あなたは非難しないのね!」アレシアは激怒して立ち上がった。「母の例だけでは不充分だとしたら、姉も浮気性の男にだまされるという不運に見舞われたわ。私も同じ轍を踏むべきだ――あなた、そう思うの?」
 抗議の連発を浴びて、トレントも立ち上がった。「君がいるのにほかの女に目を移すような男は、精神鑑定が必要だよ」
「まあ!」アレシアは鼻を鳴らし、冷静さと礼儀を取り戻そうと努めながらドアのほうへ向かった。「私、帰ります」
 背後からトレントの手が伸びて、アレシアの腕をつかんだ。「いや、帰らせないよ」彼女を向き直らせつつ穏やかに言う。「まあ、落ち着きたまえ」
「落ち着いているでしょう!」アレシアは腕を振りほどこうとしたが、むだだった。
 見え透いた嘘に、トレントは声をあげて笑った。「君に必要なのは……」彼女の抗議を無視して抱き寄せながら、ずうずうしくも言い放った。「優しい抱擁さ」
 アレシアはトレントをぶってやりたい衝動に駆られた。「嘘よ!」彼の腕の中でもがきながら、憤然として否定する。
「リラックスして、アレシア」トレントは優しくなだめた。「自然にふるまうことだよ。お父さんが家を出られて以来、あるいはそれ以前から、お母さんに教え込まれた言葉を大げさに言い立てるのは、やめたほうがいい。お母さんが君の頭の中に吹き込んだことは、すべて忘れるんだ。君自身を取り戻し、信じることを学びたまえ。そして……」
「言いたいことはそれで終わり?」アレシアは彼をさえぎって言った。
「いとしい人」トレントは答えた。「僕はまだ、始めてさえいない」そう言いながら、彼はアレシアと唇を触れ合わせた。
 彼のふるまいに驚いて、アレシアは一瞬動けなくなった。それから、だしぬけにぐいと身を引いた。「やめて!」しかし、彼は放そうとしない。
「じゃ、君が僕にキスしてくれ」トレントはそう提案した。瞳がいたずらっぽくきらめいている。
「あなた、いつまで待てる?」
「僕はどこへも行かないよ。ここに住んでいるんだから」
 なぜ、笑い出したくなったのかしら? 彼にひどく腹を立てているのに。アレシアはまじまじとトレントを見た――すぐ目の前にある、彼のハンサムな顔を。私がキスするまで、どこにも行かせないつもりかしら? こんなの、ばかげているわ! ちらっと彼の唇を見上げる。確かに、とびきり魅力的だ。
 アレシアは気を引き締めて、頭を少し前に出した。それから、あわてて引っ込め、トレントの瞳の中を探った。黒っぽい冷静な瞳が、勇気づけるようにこちらを見つめ返している。アレシアは頭を再び前に出し、いったん止めた。そして、唇を彼の唇と触れ合わせた。
「帰っていいの?」アレシアは怒りも憤りも込めずに尋ねた。
「もちろんさ」トレントは請け合ったが、まだ彼女の体を放そうとしない。アレシアは再び彼の瞳の中をのぞいたが、奇妙なことに、彼の腕から逃れたいという衝動をもはや感じなかった。
「コーヒーをごちそうさま」夢うつつの状態で、アレシアはどうにかつぶやくことに成功した。
「近くに来たら、いつでも寄ってくれ」
 アレシアは笑った。笑わずにはいられなかったのだ。トレントの視線がまたしても彼女の開いた唇に吸い寄せられ、彼女の笑い声が消えた。彼は目をアレシアの瞳に戻し、ひたと見つめた。アレシアは再びその場にくぎづけになった。
 トレントが頭を下げてキスした時、アレシアは動かなかった。彼の唇は温かく、穏やかだった。トレントは彼女をより近くに抱き寄せた。彼がアレシアののどに唇を押し当てた時、二人の体は触れ合った。
 いつ逆らうのをやめたのか、アレシアは見当もつかなかった。トレントに抱き締められ、再び唇を奪われながらわかったのは、体の内部に息苦しいほどの興奮がかき立てられているという事実だけだった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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