マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

無邪気なシンデレラ

無邪気なシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア無邪気なシンデレラ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★2
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

 飼料店で働くサッシー・ピールは横柄な店長にこき使われ、いやがらせも受けている。だが、病気の母と幼い義妹を養うためだと耐えていた。ある日、店にジョンと名乗る男性がやってきた。聞けば、近所の牧場を立て直すために雇われたのだという。ジョンは、なにかとサッシーのことを気にかけ、ついには店長のいやがらせからも救いだしてくれた。家族に対しても思いやりを見せてくれるジョンに、サッシーはしだいに惹かれていった――彼の正体を知らないまま。

 ■ダイアナ・パーマーの2部作をお届けします! 『涙にぬれた口づけ』の二人が結ばれるのに一役買ったジョン。新たなビジネス展開のためやってきた町で無邪気な女性と出会い……。
 ●本書は、ニンテンドーDSソフト『大人の恋愛小説DSハーレクインセレクション』に収録された作品を書籍化したものです。

抄録

 大きなピックアップトラックの助手席に乗りこんだサッシーは、車内の最新設備に目をみはった。「すごいわ。こんなにたくさんのスイッチやボタンがついたトラックは見たことがない」彼女は革張りのダッシュボードを撫でた。
 ジョンは左手でハンドルを握り、右手でカップホルダーから鍵の束をとりあげ、ゆったりと笑った。「牛を移動したり駆り集めたりするのに、コンピューターや全地球測位システム《GPS》を使うんだ」
「電話もあるの?」サッシーが車のなかを見まわした。
 ジョンは携帯電話が置かれた別のカップホルダーを示した。「この車にはブルートゥースのワイアレスシステムが装備されている。電話はハンズフリー機能がついていて、スピーカーに向かって相手の名前を言うだけで電話をかけることができるんだ。インターネットにもつながっているから、メールの確認もできるんだよ」
「まるで宇宙船みたい」サッシーがため息まじりに言った。
 彼の愛車の新型ジャガーXFはもっと豪華で多彩な機能を満載している。スーパーチャージャーを搭載したV8エンジンをプッシュボタンで始動させると、運転席の中央にあるタッチスクリーンがせりあがり、さまざまな操作ができる仕組みだ。座席やハンドルの温度調整機能は言うまでもなく、バック時にはカメラが起動する。だが、そんな贅沢な車に乗っていることをサッシーに告げるわけにはいかなかった。
 ジョンは笑った。「うちのボスは出し惜しみをしない。飼料店の副店長も優遇してもらえるはずだよ」
 サッシーがグリーンの瞳をジョンに向けた。「副店長?」
「そう、きみのことさ。それに給料もあがるはずだ」ジョンはあたたかな目で彼女を見つめ返した。
 サッシーは息をのんだ。「本当なの?」
「もちろん」
「なんてこと」壊れた電化製品を買い替えて、セレーネに新しい服を着せることができる。「信じられないわ!」
「そんなに興奮したら、座席から落ちるよ」
 サッシーは笑った。「注射が効いてきたみたい」放心して胸に手をあてる。「タールトンに押さえつけられたところが痣になっているわ」
 ジョンが歯ぎしりをする。「ぼくがもう少し早く店に行っていれば防げたのに」
「だけど、あなたはわたしを救ってくれた」サッシーはほほえんだ。「あなたはわたしのヒーローよ」
 彼は笑いながらこたえた。「ぼくはただのカウボーイだ」
「ただのカウボーイのどこがいけないの? 大勢の女性に囲まれたお金持ちの男性なんか信用できない。わたしは働き者のカウボーイのほうが好きよ」
 サッシーの言葉がジョンの胸に突き刺さった。本当のことを言わなかったのが悔やまれた。出だしでつまずいてしまった。サッシーは正直な人間だから、ジョンにからかわれたと思い、二度と彼を信用しなくなるだろう。助手席に視線を向けると、彼女は窓にもたれてすやすやと眠っていた。
 本当のことを告げる機会はいくらでもある、とジョンは自分に言い聞かせた。それでなくても今日はこれ以上彼女を刺激したくなかった。

 サッシーの家の前にピックアップトラックをとめると、ジョンは助手席側にまわり、彼女を腕に抱きかかえた。玄関先で立ちどまって安らかな寝顔をのぞきこむ。やわらかな体の重みが腕に伝わってきた。サッシーの愛らしい顔を自分のTシャツのポケットに押しつけると、階段をあがり、小さくノックをしてからドアを開ける。
 ガウン姿でテレビのニュースを見ていたミセス・ピールが、娘の姿を目にして大声をあげた。
「なにがあったの?」彼女は椅子から腰を浮かした。
「大丈夫ですよ。精神安定剤で眠っているだけです。サッシーの部屋はどこですか?」
「こっちよ」ミセス・ピールは苦しそうに息をつきながら立ちあがった。
「ミセス・ピール、そのまま座っていてください」
「ご親切に。左側の手前がサッシーの部屋なの」彼女は穏やかな顔に明るい笑みを浮かべた。
 小さな部屋に入ると、ジョンはすりきれたブルーの上掛けをめくった。なにもかも古びてはいるが、しみひとつない。サッシーの頭を枕にのせ、足からブーツを抜きとり、体に上掛けをかけた。
 サッシーは規則正しい呼吸を繰り返している。ウエーブがかかったダークブラウンの髪は乱れ、ジョンが着せたコットンシャツの下で胸のふくらみが上下している。ジョンの視線は彼女の細いウエストから小さなヒップ、そして長い脚へと移動した。サッシーは魅力的だった。だが彼の心をとらえているのは外見の美しさではなかった。サッシーには冬の日の暖炉のようなあたたかさがある。ジョンはもう一度美しい寝顔を見つめてほほえみ、静かにベッドルームを出た。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。