マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

愛なき結婚の果てに ナイト家のスキャンダル III

愛なき結婚の果てに ナイト家のスキャンダル III


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアナイト家のスキャンダル
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 イヴォンヌ・リンゼイ(Yvonne Lindsay)
 ニュージーランドに生まれ、十三歳の頃からロマンス小説を愛読するようになった。ブラインド・デートで出会った男性と結婚し、二人の子供がいる。読書を通じて人々のさまざまな愛の力を追体験していると言う。

解説

 貧しさから抜け出すため、老いた富豪の花嫁となる道を選んだヘレナは結婚式前夜、車のスリップ事故で川に転落してしまった。死を覚悟した瞬間、通りかかった男性が彼女を助け出してくれた。明日、私は自らをお金と引き換えに売り渡す。だから一夜の夢でいい。ヘレナは名も知らぬセクシーなその男性を求め、情熱を分かち合った。12年後、勤務する会社を救うべく、ヘレナは運輸業界の大物社長で、あの思い出の一夜限りの男性、メイソン・ナイトのもとを訪ねる。そして重大な秘密を打ち明けた――彼こそが息子の本当の父親なのだと。すると、メイソンは憤怒の形相で彼女を睨みつけた。「きみはいままで、何人の男とベッドをともにしてきた?」

 ■億万長者3兄弟のセンセーショナルな恋を描くミニシリーズの最終話です。一夜限りの関係がもたらした数奇な運命とは? 情熱と憎しみが交錯する、波瀾の展開に目が離せません!

抄録

 ヘレナはあえぐように息を吸った。森を連想させるコロンの匂いが鼻を刺激する。彼女は恥辱とともに意識した――胸がふくらみ、胸の先が借り物のトレーナーの下で張りつめたことを。「あなたのお金なんて必要ないし、欲しいとも思わない。でも、ブロディの人生はこれからだわ。あの子の生活の保証が得られるなら、わたしはあなたのどんな要求にも応えるつもりよ。どんな要求にでも。‘あなたは’わかってくれたのかしら?」
 「ああ、わかったとも。きみの話に誤解の余地はない」彼はさらに顔を近づけた。その距離はあまりにも近く、瞳孔をかこむ金色の輪さえ見て取ることができた。「それなら、いま要求に応えてもらうべきかもしれないな」
 「何を……?」
 彼は二人のあいだの距離を詰めた。ヘレナの全身の神経は緊張した。メイソンが頬を寄せたとき、空気の揺らめきが感じられた。一瞬、影が差し、熱気が走ったような気がした。つぎの瞬間、唇にメイソンの唇が荒々しく押し当てられた。驚きの叫びが掻き消される。ヘレナは目を閉じた。何も考えたくなかった。何も感じたくなかった。だが、彼女の思いとは裏腹に、体は勝手に動きだしていた。唇を貪るメイソンを受け入れる。くちづけの熱さに、抵抗の足場すら残らず溶け崩れていた。
 メイソンは彼女の唇を吸い、味わい、もてあそんだ。不意にヘレナは気づいた――自分が彼のキスに狂おしく応えていることに。こんなキスは二度と味わえない、とでもいうように。メイソンの舌が唇のあいだを探り、侵入し、支配する。彼女も同じやり方でメイソンを迎え、くちづけを深め、彼の侵入を許した。
 ヘレナはわれを忘れた。体内でふくれ上がる感情の大きさに圧倒される。小さな欲望のうめきが喉からもれたとき、思い知らされた。メイソン・ナイトを欲するほど、激しく男性を欲したことが一度もなかったことを。彼女は欲望を抑えつけてきた。夫と息子にすべてを捧げることによって、メイソンと過ごしたあの夜を隠そうとしてきた。しかし、彼女の心の奥底には、激しい欲望が過去十二年間衰えることなくひそんでいたのだ。
 メイソンにどう思われているかはわかっていた。そのように思われても、ある意味仕方がないとすら考えていた。メイソンは、自分の欲望があらわになっていることに腹を立てるだろう。体はかすかに震え、こわばりはヘレナに押しつけられている。ヘレナは両手を上げ、彼を突き放そうとした。が、彼女の指はみずからの意思を持つかのように、メイソンの肩をしっかりとつかんだ。
 唇を離したのはメイソンのほうだったが、額はヘレナと重ねたままだった。息遣いはひどく乱れ、まぶたは閉じている。震えがまたしてもさざ波のように体を走る。やがてメイソンはゆっくりと背すじを伸ばし、目を開けた。
 「きみは練習不足のようだが」彼は嘲るように言った。「しかし、まだ手はじめだからな」
 手はじめ? 驚きに言葉を失うヘレナをあとに残し、メイソンはキッチンから歩み去った。廊下の先のほうから、ドアが開き、閉まる音が聞こえた。あとはただ静寂だけが続いた。彼女は眩暈をおぼえた。本気なの? 彼はわたしを愛人にするつもりなの? ヘレナが“どんな要求にも応える”と言ったのは、ブロディの父親を明らかにするためなら、いくらでも情報や証拠を提供するという意味だ。こんな意味ではない。震える手を顔に近づけ、充血した唇にふれる。メイソンの感触が残っていた。彼がみずからを押しつけてきたところには、彼の存在が刻印されていた。
 「だめよ」彼女はささやいた。「もう二度とあんなことは」
 メイソン・ナイトに関することを残らず頭の片隅に押し込むと、キッチンを片付け、食器洗い機に食器を入れることだけに専念した。ほんの少し見てまわっただけで、トレイの収納場所がわかった。ほどなく、キッチンはもとのすっきりした状態に戻った。しかし、彼女の気持ちはまるですっきりしなかった。どれほど懸命に努力しても、あのキスの記憶を振り払うことができない。この件についてはメイソンときちんと話し合う必要があった。メイソンが何を望んでいるのかを整理し、彼女の立場をはっきりさせねばならない。彼女は男の慰み物になどなりたくなかった。過去の経験から彼女は学んでいた――もう一度自分を貶めるくらいなら、焼けた石炭の上を歩くほうがましなのだ。
 ヘレナは決意を固め、廊下を歩きだした。どれが彼の部屋だろう? ドアのひとつの下から光がもれている。気が変わる隙を自分に与えまいと、即座にドアをノックし、取っ手をまわした。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。