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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

恋するアテネ

恋するアテネ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジュリア・ジェイムズ(Julia James)
 十代のころに初めてミルズ・アンド・ブーンのロマンスを読み、それ以来の大ファン。ロマンスの舞台として理想的な地中海地方、そしてイギリスの田園が大好きで、とくに歴史ある城やコテージに惹かれるという。趣味はウォーキング、ガーデニング、刺繍、お菓子作りなど。現在は家族とイギリスに在住。

解説

 アンドレアのもとに、ある日一通の手紙が届いた。差出人はギリシアの大富豪である祖父。息子の嫁であったアンドレアの母を、かつて裸同然で追い払った男だ。いったい今ごろなんの用? でも、この機会に、ずっと苦労をしてきた母に対して償いをさせてみせるわ。祖父と直談判をするため、彼女はアテネへと向かう。豪壮な屋敷に着き、家の中を見てまわる途中、テラスに立つ男性に気づいてアンドレアは息が止まりそうになった。このうえなくハンサムな顔に、なぜか蔑みの表情を浮かべている。彼が、私を卑しい身分の女だと考えているのは間違いない。だが夕食の席で、その男の正体を知ったアンドレアは呆然とした。

 ■ハーレクイン・ロマンス期待の作家ジュリア・ジェイムズの、アテネを舞台にしたストーリーです。いきなり婚約者だと告げられた男性に本当は恋心を抱きながらも、なかなか素直になれないヒロイン。はたしてその恋の行方は?

抄録

 ニコスの唇がアンドレアの唇に近づいた。両手をアンドレアの背中にまわし、彼女を引き寄せる。アンドレアは軽くあえいだ。それが十分なきっかけとなった。ニコスはアンドレアの開いた唇の間に舌をすべり込ませ、ゆっくりと官能的に動かした。アンドレアが震えているのがわかり、欲求がわき上がった。アンドレアはまさに自分が望む状態になっている。自分の腕の中で体が熟し、唇が敏感になっている。
 ニコスはキスを深めた。両手が自然に動いてアンドレアの背中をすべり下り、まろやかなおしりのふくらみをたどった。
 アンドレアの中で激しい感覚が渦を巻いた。ニコスに寄り添ったまま、体が溶けていくような感じがした。温かい震えが全身を走った。欲望に引き込まれる感じ以外、何も考えられなかった。
 次の瞬間、ざらざらする現実感とともにアンドレアは正気に戻り、ニコスから体を離した。ショックに襲われ、震えた。
 「やめて……」
 だが、ニコスはまだアンドレアの背中を両手で支えて放さなかった。アンドレアは上体をそらせた。そうすることでかえって胸がニコスに向かって突き出され、彼を誘うしぐさになるとはまったく気づかなかった。
 「やめて」ふたたびかすれた声で言い、ニコスの腕をはずそうとした。ニコスはそれを察して手を放した。それはさらに強くアンドレアを抱き寄せようとする本能に逆らうことだったが。
 アンドレアがほしかった。エズミやザンシに感じる冷静な性欲とはまったく違って、差し迫った痛いほどの欲求だった。そう気づくとショックだった。この女性がじきに自分の妻になるからだろうか? 原始的な執着心なのだろうか?
 いずれにせよ、激しい独占欲がわき上がった。自分を取り巻く女性に対して所有欲を感じたことは、これまでは一度もなかった。彼女たちにとって、自分は、ほかのたいていの男より見た目がよくて金もある、もうひとりの男にすぎないとつねに悟っていた。これまでの女性とのつきあいでは、自分と相手のどちらも排他的になることはなかった。エズミにとってもザンシにとっても、男は自分ひとりではないと知っている。
 そんなことは気にならなかった――アンドレアがほかの男のことを考えていると感じる場合とはまったく違って。
 独占欲はさらに激しさを増した。それは慣れないうえに酔うような感覚で、ニコスは完全に我を忘れた。
 その一方で、自分はあまりにも速く進みすぎていると気づいてもいた。あまりにも速すぎる。自分にとっても、アンドレアにとっても。
 ニコスはアンドレアにじっと目を注いだ。アンドレアは、まだニコスが手をのばせば届くところに立っていた。だが、彼女の目に浮かんだ表情がニコスの手を押さえた。ショックが目にあふれていた。
 一瞬、ニコスは有頂天になった。アンドレアも自分と同じように感じているのだ、まるで天の啓示が世界をまったく別の目で見るように彼女をしむけたかのように。そう思ったが、次の瞬間、頭が冷えるとともに気がついた――アンドレアの反応は自分よりも複雑なものだ、もっと不安がこもっている。
 「アンドレア」静かに言った。「脅えることはない。すまなかった、僕はせっかちすぎた」苦笑いを浮かべて続けた。「君がきれいすぎるせいだ」
 アンドレアは身震いした。ニコスは私に引かれている。そのために、ほんのわずかに知り合っただけで私に飛びかかったのだろうか?
 「そんな目で僕を見ないでくれ。君が望まないかぎり、僕はもう君に触らない」ふたたび、形のいい口元に苦笑いが浮かんだ。「だが、君が触られたいと思うように僕が懸命に努力しても、それは僕のせいではない」
 ニコスはアンドレアから一歩引き下がり、手を差し出した。
 「さあ、少し話をしよう。何はともあれ、僕たちにはいろいろ話すことがある」
 ふたりはゆっくりとテラスの端に向かった。ほてった顔に夜の風を受けて、アンドレアはつかの間、息がつく余裕ができた。だが、頭の中は胸と同じように激しく駆けめぐっていた。
 いったい私は、かつて経験したことのないようなキスをしたこの人とここで何をしているのかしら?
 知りもしない男。それなのに、私がもう一度、触られたいと思うようにさせてみせると言う男……。ついさっきこの人はなんて言ったかしら? “何はともあれ、僕たちにはいろいろ話すことがある”だった。
 なんだかさっぱりわからない。ギリシア式のくどき文句か何かかしら? それとも、ニコスはただ、私の気を楽にして、礼儀正しい会話に戻ろうとしているのかしら?
 アンドレアは歩きながらニコスの顔を見上げた。「どうして私たちにそんなにいろいろ話すことがあるんですか?」まだ声がかすれていた。
 ニコスはアンドレアを見返した。この人のまつげはとんでもなく長いわ。アンドレアはそんな場違いなことを考え、ニコスの返事を完全に聞きそこなった。
 ひとつの言葉をのぞいて。
 アンドレアは足を止めた。「もう一度言って」息も止まりそうだった。
 ニコスはにっこりした。「たぶん、僕たちの結婚式の話から始めるべきだと言ったんだよ、僕のかわいい未来の花嫁さん」
 アンドレアの息は完全に止まった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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