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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・テンプテーション

危険なボディガード

危険なボディガード


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・テンプテーション
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リン・エリス(Lyn Ellis)
 高校時代に“明日、目が見えなくなるとしたら、今日は何をして過ごすか”というテーマで、愛馬に乗り、永遠に記憶しておくために家族の顔を見つめて過ごすという内容のエッセイを書いて好評価を受けたのがきっかけで文章を書くようになる。’94年には栄えあるRITA賞の二部門に同時ノミネートされたのに加えて、ウォールデンブックス・ベストセラー賞を受賞した。メリーランド州在住。

解説

 ■弟を殺した人なのに、どうしてこんなに惹かれるの?
 ■カメラマンのT・J・アンバリーは心に決めていた。弟を殺した元警官ニック・デサルボに復讐しようと。クリスマスが近づいたころ、ニックの身辺をさぐるため、彼女は故郷のアトランタに戻ってきた。だが、T・Jが車に轢き殺されそうになったとき、身を挺して彼女の命を助けたのは、意外にも探していた相手、ニックだった。ぴったりと押しつけられた彼の体に、T・Jの肌が熱くなる。彼は弟を殺した男なのよ! T・Jはそう自分に言い聞かせた。それなのに、体が勝手に反応するなんて。彼は危険をかえりみずに私を助けてくれた。この人が、ほんとうに弟を殺したの?

抄録

 ニックは殴られはしなかった。まるで眠っているところを起こされたかのように、T・Jの体がびくっと震えた。その愛らしさに、ニックの体がこわばった。ニックはワインの香りとなめらかにすべる彼女の舌を味わいながらゆっくりとキスをした。やがてT・Jの手が動き、ニックの胸を押した。
 T・Jが唇を引き離した。「やめて……お願い」
 ニックはすぐに動こうとしなかった。T・Jの手の感触や目の前にある唇があまりにも魅力的で、離れたくなかったからだ。
 T・Jは両手に力をこめて、ニックの胸を押し返した。「いやなの」
 ニックはうしろへ下がった。
 T・Jは身を守るように自分の服をなでつけた。ニックを見ようとはしない。ニックはまた妙な気を起こさないように両手を腰ポケットに突っこんだ。「悪かった」
 T・Jはニックのわきをすり抜けて、キッチンに向かった。わめいたり、引っぱたいてくれたほうが、ニックはまだ気が楽だった。T・Jは流しに行って、やかんに水を入れ、ガスレンジにかけた。
 ニックは片手で顔をなでた。まだT・Jの唇の感触が残っていて、体が反応していた。彼は自制心を取り戻そうとした。「ごめん。あんなことをするべきじゃなかった」
「そうよ。するべきじゃなかったわ」まだ目を伏せたまま、T・Jが言った。
「だが聞いてくれ、僕は……」
「いいえ、あなたこそ聞いてちょうだい」T・Jはニックの方を向いて腕を組み、彼がつかんだ部分をさすりはじめた。「私になにを期待しているのかは知らないけれど、私たちは友達でもなければ、仕事仲間でもないし……デートをしているわけでもないわ。つきまとうのをやめなければ警察に逮捕してもらうと言ったけど、あれは本気だったのよ」
 会話が思わぬ方向に向いてしまったが、ニックはだいじな点を指摘せずにはいられなかった。「それならなぜ、あいつらが僕を逮捕するのをとめたんだ?」
 なぜ、ですって? T・Jはまたニックに背を向け、食器棚を開けて、カップを二つ取り出した。なにかしていないと、破滅させると誓った男に濃密なキスをされて、自分もそれに応えてしまったことを思い出してしまう。自分の体に裏切られるとは。
「気が変わったからよ。あの人たちの態度が気にいらなかったの」
「態度?」
 T・Jは脈が速まり、もう一度キスをしてほしくてたまらなくなった。それを振りきるために、無難な話を続ける。「どうしてあなたにあんな態度をとったの? 仲間同士なのに」
「エコルズとはちょっとした因縁がある。話せば長くなるが」
「聞かせてちょうだい。あなたを逮捕させなかった私がばかかどうか知りたいから」
「僕が見たところ、君について言えることが一つある。君は決してばかじゃない」
 いいえ、私はおばかさんよ。T・Jはひそかに思った。ニック・デサルボを自分の家に入れて、話をしていることだけでも、私のばかさかげんをじゅうぶんに証明している。
 T・Jは黙ってデサルボを眺めながら、自分の中に怒りをさがそうとした。私の生活から出ていけときっぱり言いわたさないと。しかし、彼の唇の温かさと強引な手の感触がよみがえるばかりだった。「コーヒー、それとも紅茶?」T・Jはそれしか言えなかった。
「“それとも私”というのはないのかい?」
 T・Jは目をくるりとまわした。「どれがいいの?」
「君がいい」
 いたずらっぽくそそのかすようなニックの声に、会話がとぎれた。首筋が熱くなるのを感じて、T・Jはなにも考えられなくなった。
 ニックは肩をすくめてほほえみ、ふつうの会話に戻った。「なんでもいいよ」
 しばらくたって、二人は紅茶の入ったカップを手にリビングルームの革張りのソファに座っていた。T・Jはしっかりとカップを握りしめ、無難な話題をさがした。好みとか、願望ではなくて、正義について話してみよう。「あの警部補との因縁って、免職になったことと関係があるの?」
 からかうようなニックの瞳がいっきにけわしくなった。
「なぜ君がそれを知っている?」
 いちばん安全な答えは具体的な事実を明かすことだ。「あの、新聞で読んだの」
 ニックは目をそむけた。「エコルズとの件は僕の審問とは関係ない。まだ僕が警官だったころ……」ニックは紅茶のカップを置き、立ちあがった。窓辺へ歩いていき、暗い中庭を見つめる。「僕の相棒が巻きこまれた……たぶん法に触れることに。エコルズはそれに噛んでいる。少なくともなにかを知っている。僕はその真相をさぐってきた」
 その真相は私が知っている。証拠もあるわ。T・Jはデサルボの演技力を試してみようと思った。「なぜその友達にきかないの?」
 ニックは振り返ってT・Jを見つめた。「死んでしまったからさ。三年前のクリスマスイブに自殺したんだ」
 デサルボは傷ついているというよりも、怒っているようだった。T・Jには彼が感じている怒りが理解できた。その怒りが、悲しみに屈服するよりも、どうしてそうなったのかを追及させるのだ。この人はまともな警官ではなかったかもしれないけれど、友達思いだったことはたしかだ。「くわしく話してちょうだい」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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