ラテン系ヒーロー特集 見出し
シンデレラの出自
[著]リン・グレアム [翻訳]高木晶子
ロージーは妊娠している。相手は清掃の仕事で行った先の社員、アレックス。彼にこのことを話そうと、彼の勤める企業を訪れると…
 急に二人を沈黙が支配した。ロージーはアレックスに見つめられているのを意識せずにはいられなかった。それと同時に自分の呼吸の一つ一つや、いつもは存在さえ忘れている下腹部のあたりが脈打つような感覚が、生々しく意識にのぼってくる。電気ショックのような緊張で体を動かすこともままならないが、体の芯に巣くった熱はどんどん増してくる。ロージーは黙って彼を見つめ返した。これが欲望というものだ、とわかったが、自分がそんなものを感じていることが信じがたかった。
――本文より抜粋

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一夜だけ愛して
[著]キム・ローレンス [翻訳]三浦万里
親戚の結婚式でローマンを紹介され、イジーは思わず我が目を疑った。2年前、酔っぱらいから私を守ってくれた男性だわ!
 イジーは動けなかった。興奮とショックで体がこわばった。すると彼の舌がそっと唇の間に割りこんできて、彼女の内部から震えるような低いうめき声を引きだした。彼はがっしりとして熱かった。イジーは目を閉じ、あらがうのをやめて彼につかまった。ローマンの首に手をまわして口を開き、ゆっくりとした官能的な探検を深めるよう彼をいざなった。
――本文より抜粋

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誘拐された億万長者
[著]アビー・グリーン [翻訳]井上絵里
父に強い恨みを持つジェシーは会社を乗っ取るまであと一歩のところまできた。しかし世界的な億万長者のリュックが邪魔をしてきて…
「あと六日だな」
 ジェシーは困惑した様子で椅子に座り直し、皿を向こうに押しやった。彼には目もくれない。「なんのこと?」
「あと六日はここから出られないということさ。きみが解放してくれない限り」
 頭のなかで日数を数え、崩れてしまった防御壁を築き直そうとジェシーは決意した。あと何日残っていようがリュックには関係ない。
「何が言いたいの?」
「つまり、きみが誘惑に屈するのにあと何日かかるかだ」
――本文より抜粋