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不思議な少年
【全9巻】完結
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あらゆる時代とあらゆる場所を「彼」は訪れる。――終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。19世紀末のロンドンを懸命に生きる身寄りのない少女。生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた1人の青年。それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。そこに1人の少年がいた。永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。『天才柳沢教授の生活』の山下和美が人間の光と闇をきらびやかに描く新シリーズ、堂々のスタート!
（※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています）
（※各巻のページ数は、表紙と奥付を含め片面で数えています）
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旧約聖書には世界最初の殺人が兄弟間でなされたと記述されているそうです。
兄弟が何故？と考えさせられますが、第一話「万作と猶治郎」では
終戦直後の日本を舞台に、永遠の生命を持つ不思議な少年が時空を超え、
場所を超えて旅をします。時に弟の猶治郎に憑依し、澄んだようなまなざしで、
兄弟を通じて「人」の中にある煌きや欲望を照らし問いかけます。
東京の焼け跡から疎開した兄弟は、田舎で病の床に伏す祖父に出会いますが、
かつての祖父は豪農として富に憑かれ、財を狙う実の兄を殺めた過去があり―。
祖父はなにか事をなすときに、必ず笛を吹いては美しい音色を奏でると、
乳母のテイは兄弟に語ります。
冒頭の旧約聖書の話から、「万作と猶治郎」はカインとその弟アベルに
置き換えたものですが、不思議な少年は兄弟達に果たして何をもたらすのか。
欲望のままに生きた人間が、時として奏でる表現や音色が美しいことも
人間の妙味として不思議なこと、と少年は振り返ります。
秋の夜長にとてもおすすめの作品ですので、ぜひご一読ください。
（編集：汐田｜作成日：2015/11/17 ）
兄弟が何故？と考えさせられますが、第一話「万作と猶治郎」では
終戦直後の日本を舞台に、永遠の生命を持つ不思議な少年が時空を超え、
場所を超えて旅をします。時に弟の猶治郎に憑依し、澄んだようなまなざしで、
兄弟を通じて「人」の中にある煌きや欲望を照らし問いかけます。
東京の焼け跡から疎開した兄弟は、田舎で病の床に伏す祖父に出会いますが、
かつての祖父は豪農として富に憑かれ、財を狙う実の兄を殺めた過去があり―。
祖父はなにか事をなすときに、必ず笛を吹いては美しい音色を奏でると、
乳母のテイは兄弟に語ります。
冒頭の旧約聖書の話から、「万作と猶治郎」はカインとその弟アベルに
置き換えたものですが、不思議な少年は兄弟達に果たして何をもたらすのか。
欲望のままに生きた人間が、時として奏でる表現や音色が美しいことも
人間の妙味として不思議なこと、と少年は振り返ります。
秋の夜長にとてもおすすめの作品ですので、ぜひご一読ください。
（編集：汐田｜作成日：2015/11/17 ）
