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プティまり vol.4

プティまり vol.4


発行: マリクロ
レーベル: プティまり シリーズ: プティまり
価格:320pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
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解説

 新時代の文芸誌『プティまり』!
 『源氏物語』の分かりやすい抄訳、源氏が現代によみがえる恋愛小説も掲載。ケータイ作家必読シリーズ『携帯で読む名作』もスタート。「神わざ」といわれた昭和時代の短編小説『交尾』を堪能してください。ライト感覚のエッセーも楽しめます。ケータイ作家を目指す人、ケータイ小説を書きたい人、ケータイ読書で国語力を身につけたい人のための必携電子マガジンです。

目次

■携帯で読む名作
『交尾』梶井基次郎


■注目のキラキラ星☆
『ALICE』千羽識


■ココロ美人になるヒント
『煙る金[きん]』本房美恵


■連載エッセイ
『姫君たちのスッピン歳時記(4) スマイルで行こう!』落合千恵子


■連載☆ さくさく読める名作古典
『抄訳・源氏物語(4) 帚木[ははきぎ] その二』世良ふゆみ


■LOVEストーリー@イマドキッ
『あの男の誘いに乗っていいかしら……結菜[ゆいな]の場合(2)』坂宮あけみ


■短期連載小説
『下流娘の恋とお金の事情(上)』田代ききょう


■マリクロのデジタルブック
『ケータイ文学部 あけみの源氏物語 巻1』
『OTOMEBOOKS 浮気な彼氏をチョン切ってVOL.1』
『ライトエッセー☆ スイーツ文庫 うずうずっ草子VOL.1』

抄録

■LOVEストーリー@イマドキッ
『あの男の誘いに乗っていいかしら……結菜[ゆいな]の場合(2)』
坂宮あけみ


 敷地については、いろいろ噂があった。女グセが悪いとか、会社の上司の娘と縁談がすすんでいるだとか、だ。
 一回目こそ、結構強引に誘ったが、それ以降敷地は、「君が嫌でなければ……」という前置きをする。二回目に逢った時、敷地はホテルの部屋に入っていった。誘う時とは反対に、いいかという同意は求められなかった。ベッドに横たわると、私の首すじや乳房を指で丁寧になぞり、舐め上げた。そのたびに、体の芯[しん]が熱くなる気がした。貴也とHしている時ももちろん気持ちいい。しかし、それとは全然違う快感が広がってくる。思わずため息のような声を漏らしたが、それでも迷っている。恋人がいるのに……。彼の硬いものが太股[ふともも]に触れる。両足を開くようにあげられて、やっと声がでた。
「ごめんなさい。駄目。入れないで」
 どうしたの、という顔をして敷地が私を見た。
「ごめんなさい。私、彼がいるの。やっぱり裏切れないわ」
 少し唇をゆがめるように敷地は笑い、
「こうして男の前で素っ裸になっているのになんだよ。今更」
 とぶつぶつ言った。分かったよ、入れなきゃいいんだろう、と言って、私を裏返した。お尻の割れ目に自分のものを挟み擦[こす]りつける。微[かす]かに彼のものが、私の足の付け根に触れる。後、少しお尻を上げれば、濡れそぼった穴の中にするりと入ってしまうことだろう。
「入れてください」と涙ながらに頼みたい衝動に駆られる。でも、それはできない。したい気持ちに耐えかねて、私は思わず自分の指を噛んだ。

「ね、何、ぼーっとしているのよ」
 と陽奈子が私の肩を叩いた。
「やあねえ。きっと貴也君のことでも考えていたんでしょ」
 その時、携帯電話に短い電子音が鳴った。メールの着信があった。見ると貴也だ。
「彼氏からのメールでしょ。早くレスしてあげれば。ねえ、一日に何回メールのやり取りしてんの?」
 敷地からメールが来ることはない。アドレスも知らない。でも、着信が鳴るたびに、心の中で敷地からだったら、と思う。敷地を愛しているのか、好きなのか、自分でも分からない。彼の横にいると、誰かにバレたくないという気持ちからビクビクしてしまう。貴也の側[そば]にいる時は、笑ったり、しゃべったりと忙しい。でも、敷地の側にいると、無口になってしまう。黙っているとつまらない女と言われそうで、逢った後はいつも落ち込む。体の中から無数の触覚がでて、敷地の方に延びる。

「結菜、ね、どんな人なの? 彼氏」
 陽奈子が好奇心でキラキラした目で見ている。
「とっても明るくって、頼りがいがあって、いい人なんですぅ」
「え、いい人? 恋人をいい人なんて、形容しちゃだめよ。いい人なんて、他人がそうであればいいの。恋なんて本能なんだから、クセがある方がいいのよ」
 そういう陽奈子を七海は、先輩少し飲みすぎですよ、とたしなめている。
 いい人……そうかもしれない。敷地は私を愛してはいないだろう。敷地はいい人じゃない。そうはっきり分かっているのに、私は敷地に抱かれたいと思う。敷地を思うたびに、下半身がずしんと重くなる。後悔するまで、この想いは枯れたりしないのだろう。私は、消えない想いが溢[あふ]れて陽奈子や七海に気づかれないように、
「そんなことないですよ。彼のこと、大好きだもん」
 と明るく言った。そういいながら、私は、自分の言った「彼」がどっちの男のことなのか、自分でも分からなくなった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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