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快感のいらない女たち

快感のいらない女たち


発行: ぶんか社
レーベル: ぶんか社文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 酒井 あゆみ(さかい あゆみ)
 1971〜
 福島県出身。18歳で上京。すぐに風俗の世界に入り、ファッションヘルス、ホテトル、性感ヘルス、SM、ソープランド等『風俗のフルコース』を経験。風俗の他、AV女優や「愛人業」なども経験している。1994年、23歳で風俗を引退。AV系モデルのマネージメント業を経て『東京夜の駆け込み寺』で作家デビュー。現在はノンフィクション作家として、また「風俗系文学作家」として活躍中。

解説

 「ピンクの象が見える」……ある女性はセックスでイッたときのことをそう表現する。しかし、多くの女性たちは実際にそのような快感を伴う行為に耽った経験はあるのだろうか。本書では風俗嬢、教師、フリーター、OLなど立場も性体験もバラバラな女性たちへの核心に迫る取材を敢行。浮き彫りにされる真実のセックス観とは?

目次

●はじめに
●イキやすい女がいい女なの? 金子祐子(25歳)グラビアモデル他
●イッたことなくても母親になれるもんねえ 鈴木真子(37歳)ソープ嬢
●イッて、完成された女になりたい 大橋千津子(27歳)AV女優
●イケない女は不幸だと思う 村上美香(34歳)ホテトル嬢
●「なんでイクの?」っ感じ 大野由紀(21歳)フリーター
●イクって、努力しようがない 渡辺麻美(34歳)化粧品販売員
●なんでイカないか、わかるんですよ 宮本久美子(27歳)元・雑誌編集者
●セックスには答えがない 野田智恵子(28歳)私立校教諭
●満足できないと嫌な感じが残る 井上真理子(36歳)看護師
●愛しているという実感が欲しかった 酒井あゆみ ノンフィクション・ライター
●文庫版のためのあとがき

抄録

セックスには答えがない


野田智恵子(28歳/私立校教諭)
◆有名私立中学からエスカレート式の高校に入学。大学は国立大学という進学コースを歩んできた女性。父親は会社社長で教育熱心。母親は専業主婦だが、東京の、いわゆる“御三家”と呼ばれる私立高校の出身で優等生だったという。
◆教師というイメージからはかけ離れた、華やかな雰囲気を持った女性。現在、興味を持っているものは「結婚」。
◆仕事、価値観


 生徒に会いそうですねー。都内のカラオケボックスって、安いからみんな来てそう。普段はこんな派手な格好しないし、化粧もほとんどしてないですからね。職場には本当に地味な格好で行ってます。そうそう、去年、海に行ったとき、ビール飲みながらタバコ吸ってたら生徒とバッタリ会っちゃったんですよ。しょうがないから焼きそばで餌付(えづ)けしておきましたけど(笑)。人気スポットに行くのはダメですね。生徒に絶対会っちゃうから。
 職業柄かもしれませんが、自分のプライベートは見られたくないし、生徒のプライベートも見たくないんですよ、私は。なんでもそうなのかもしれませんけど、生徒も男もセックスも。つまり、私は自分の本性を他人に見られたくないんです。怖いんですよ。自分を全部出すと、他の人に避けられてしまいそうで。たぶん、これって性格なんでしょうけど、私も他人の本性を見たくないんです。一種の防衛本能でしょうね。小さい頃から何事にも無難(ぶなん)に生きることを教え込まれてきましたから。まぁ、こういうのって典型的な日本人なのかもしれませんけど。
 だからかもしれませんね、私が「イケない女」なのは。私たちの世代特有の「一生懸命やるのは滑稽(こっけい)」というのがあるからじゃないでしょうか。セックスを一生懸命にすることができないんですよ。それは、セックスがタブー視されてるから。人間だったら当たり前の行為なのに、それを話すことはタブー、こんな「イク、イカない」なんかの話をしたら、白い目で見られるじゃないですか。私が教えてるのが「生物」だからかもしれませんけど、なんで動物である交尾はテレビに映って、同じ動物である人間の交尾、セックスはダメなのって。それっておかしいと思いません?
 そういうことに「おかしい」と感じてても理屈はわかってても、私はイクことによって自分が自分でなくなる状態、その瞬間が怖いんですよ。経験がないから、情報で判断しちゃってるかもしれないんですが。こういうことの正しい答えってないじゃないですか。答えがわからない、だから怖いし、よけいに抑えつけちゃう。本当に気持ちがいいのを知らないから、よけいにそう思う。たぶん、イケる女の子って自分を「スカーン」と抜くことができるからイケるんでしょうね。
 えっ? ああ。「理科、生物教師」って、本に出してもかまいませんよ。たぶん、私、理科や生物を勉強したから考え方がそうなったんじゃないかって思いますから、性に対して。生物は性に関しても教えてますからね。
 なぜ教師になったか? うーん、ハッキリ言ってしまうと教師でなくてもよかったんでよ。別に教師にあこがれてなったわけじゃないんで……ホントにたまたまで。教員という職業にも、同僚の教師に対しての見方も冷めてますし。そんなに情熱を持ってない、といったらアレかもしれないですけど。
 でも、のめり込んじゃいけない職業だと思うんです。教師って「生徒が個人である」ということを認めなくてはいけない職業なんですよ。教師の色に染めてはいけない。学校という場所は、生徒たちに自分の色を見つけてもらう通過点なんです。たとえば、自分がどういう人間なのか、見つめ直したりとか。そういうところで教師自身が生徒にのめり込んだら、影響を及ぼすんですよ。教師はその人の生活の中に必要以上に入り込んじゃいけない。生徒たちが私たちを必要とするときには応える義務があるけど、必要じゃないときもある。それは彼らが選択することで、それを押しつけちゃいけないと思うんですよね。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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