マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説先生

新婚ティーチャーはヒミツがいっぱい

新婚ティーチャーはヒミツがいっぱい


発行: イースト・プレス
レーベル: B−cube
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader” スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
購入する


解説

 誰もが憧れるエリート校。そこでひとりはみだし者の湊(みなと)と、物理教師を務める芽吏(めり)は、人に知られるわけにはいかない禁断の関係をもっていた。
 卒業まで知られないように、学校では他人のフリをしているふたり。だが、ある日密会していた様子をどうも同僚の教師・柊(ひいらぎ)に聞かれたみたいで……。
 学園の暗部も絡んで自体は意外な方向に!?

※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

 「お、湊、遅いじゃないか。二回の遅刻で一回の欠席扱いになるからな」
 「……うっせ」
 ぼそりと呟いた声に、さすがにかちんときてしまう。
 「その態度はおかしいだろう?」
 教師に対するものじゃない。
 「チッ……」
 今度は舌打ちだ。
 「こら、湊」
 芽吏の前を通り過ぎようとする湊の肩に手を伸ばして、歩みを止めさせた。
 彼を妨げたことに、不快感が募ったのだろうか。ゆっくりとこちらを振り向く。
 「……なにか?」
 目を細めて見据える彼は、すこぶる迫力がある。
 「なにか、じゃないだろう」
 芽吏は教師として、生徒から逃げてはいけない、と思っている。
 一歩前に出て彼の正面に回ろうとすると、最前列で心配そうに見守る女子生徒が目に入った。
 「あ……」
 ――そうか。
 芽吏はカッとなっていたものを治めるためにも、ひとつ大きく息を吐く。
 「まあいい。次から遅刻をしないようにな」
 それだけを言うと、芽吏は力が入っていた右の手の平をふっと彼の肩から浮かせて、ぽんぽんと叩いた。
 ――冷静でないのも、教師としていけないよな。
 危うくまた不必要な心配と恐怖を感じさせるところだった。
 芽吏はもう一度息を吐く。
 「さてと。よし、湊も席についたな。そうそう、テストだな。テストを返すぞ」
 壇上に戻った芽吏は、広げたままになっていたテストを一目して、点数を記載した成績ノートに目を移した。
 「今回の平均点は四十八点だ」
 わずかに教室内がざわめく。
 「ちょっと難しかったか? でも、最高得点は九十七点だ。獲ろうと思ったら、獲れる問題なんだからな」
 芽吏の発表に、表情豊かな生徒たちは「えぇ〜」という表情を乗せている。
 「じゃあ、まずは最高得点、湊」
 瞬間、一気に静まり返った。
 そして、次第にざわめきが広がっていくのだ。
 「今回も湊くんなんだね、すご……」
 「ね、頭いいよね〜、格好いい」
 実は湊は、成績がすこぶるいい。
 女子たちはそういったところも込みで、ファンが多いようだ。
 男子は……。
 ――ま、あんまり面白くないよな……。
 「おい、湊。早く取りに来い」
 芽吏の声に、面倒くさそうに立ち上がってテストを取りに来る。
 ――こんな態度だし……。
 「ったく。ほら」
 そこまで来た彼にテストを渡してやると、「ふん」とでも言いたげな様で手を伸ばしてくる。
 同時にバチリと目が合った。
 ――っ!!
 それは、熱い瞳。
 息が止まるかと思った。
 それはこれまでの一連の態度のように、斜に構えた腐ったものではない。
 まっすぐに見据えられて、ずくりと胸の奥が痺れてしまう。
 湊はそのまま誰にも気づかれないようにそっと口で言葉を象った。『オレ、頑張っただろ? 』と。
 ニヤッと口の端をあげる。
 うなじあたりがゾクリと痺れた。
 だけども芽吏は呆れたようなフリをして、ため息をつき、誰にも気づかれないように『バカ』と返す。
 彼はふっと表情を緩めたように思う。
 ゾクゾクとしたものが背筋にも走るが、芽吏は皆に気づかれないようにしなくてはいけない。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。