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魔道神話1

魔道神話1


発行: オンライン出版
シリーズ: 魔道神話
価格:580pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 高千穂 遙(たかちほ はるか)
 1951年11月7日、名古屋生。本名・竹川公訓(たけかわきみよし)。法政大学社会学部社会学科卒。大学在学中にアニメーションの企画・制作集団「スタジオぬえ」を設立。1977年、「クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機」で作家デビュー。1980年「ダーティペアの大冒険」で星雲賞(日本短篇部門)受賞。1986年「ダーティペアの大逆転」で星雲賞(日本長編部門)受賞。
 日本SF作家クラブに所属。

解説

 千二百年もの昔、空海により日本に渡った“失われた真言(マントラ)”。それは、全宇宙を支配する鍵。だが真言を得るには、丹の一族の比売神子(ひめみこ)を孕ませねばならない。その相手たるは竜神の裔(すえ)のみ。地上にただ一人、竜神の血を引く超人的カンフー・竜門剛を求め、いくつもの集団が闇でうごめき始めた……。

目次

予兆 壱
予兆 弐
予兆 参
第一章 樹氷腹の竜
第二章 累卵の竜
第三章 颶風(ぐふう)の竜
第四章 虜囚の竜
第五章 夢境の竜
第六章 修羅の竜
予兆 死

抄録

 「こいつは立派な待伏せだ。偶然、襲われたんじゃない」
 「あたしたちが? どうして?」
 「俺に、わかるもんか」高之は肩をそびやかした。
 「暗器研究会は他人の恨みをかった覚えはない」
 「怨恨(えんこん)じゃなさそうだ」剛が言った。
 「あいつらの狙いは、俺にある」
 「剛に?」
 高之は剛の顔を振り仰いだ。
 「まさか、前に一度やった仕事の余波とか」
 「違う」剛はかぶりを振った。
 「あれは、完璧に片づいている」
 「じゃあ……」
 「来るわよ」
 低い声で、初枝が言った。
 包囲の輪が、せばまっていた。
 「隙を見て、ピステンに乗れ」剛は高之に囁いた。
 「あれは、まだ動く。お前なら運転できるだろう」
 「そっちは、どうする気だ。やつらと心中か?」
 「こいつらは、俺の火の粉だ。俺が自分で払う」
 「強いぞ、やつらは」
 「しかし、人間だ」
 「なに?」
 「やるぞ!」
 剛は高之を押しのけて前に進みでた。
 凄まじい“気”が剛を包んだ。その“気”に高之は圧倒された。
 止めようと思っていたが、止められなかった。
 剛が、敵の正面に立った。
 十二人の白ずくめの男たちは、樹氷原を背に弧を描いて並んでいる。金剛杖を持っているのは、ここで戦っていた二人のほかには三人だけで、あとの者は得物を手にしていない。
 かれらを見ていて、高之は気がついた。
 ガスのベールが薄くなりはじめている。
 霧の流れが速くなり、視界が広がりだしているのだ。
 「俺をどうしたい?」剛が男たちに訊いた。
 「殺すのか? それとも用があるのか?」
 「用がある」
 しばしの間を置いてから、剛の右手に立つ男が答えた。くぐもった、感情を殺した声だった。
 ――こいつがリーダーだな。
 剛は、その男に目を向けた。男は剛の利き腕を抑える位置に立っている。
 「おとなしくついてったら、ほかの者には手をださないか?」
 あらためて、リーダーとおぼしき男に訊いた。
 「約束はできん」
 返事には飾りがなかった。
 「しょうがねえな」
 剛はにやりと笑った。笑いながら、左手で頭を掻いた。
 首が下を向き、上体が低くなる。
 と、見る間に。
 剛と男たちとの距離が、すうっと縮んだ。
 鮮やかな足さばきだった。ならされているとはいえ、足首までは沈みこむ雪の上である。しかも、剛が履いているのは、脛(すね)から下の自由を奪う重いスキーブーツだ。
 剛の流れるような動きに、男たちは眩惑(げんわく)された。
 間合いが詰められているのを見逃した。
 剛の両腕が、手近な二人の男に向かって伸びた。
 指が二本ずつ、それぞれの顎の下にずぶりとめりこんだ。
 そのまま持ち上げ、剛は二人の男のからだを左右に投げ捨てた。
 五人の白ずくめが、飛びこんできた仲間の肉体に薙(な)ぎ倒された。
 それで初めて、かれらは剛が攻撃に移っていたことを知った。

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形式

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