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魔道神話2

魔道神話2


発行: オンライン出版
シリーズ: 魔道神話
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 高千穂 遙(たかちほ はるか)
 1951年11月7日、名古屋生。本名・竹川公訓(たけかわきみよし)。法政大学社会学部社会学科卒。大学在学中にアニメーションの企画・制作集団「スタジオぬえ」を設立。1977年、「クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機」で作家デビュー。1980年「ダーティペアの大冒険」で星雲賞(日本短篇部門)受賞。1986年「ダーティペアの大逆転」で星雲賞(日本長編部門)受賞。
 日本SF作家クラブに所属。

解説

 竜門剛は、政財界の黒幕・諸橋蓮斎の4人の娘と喇嘛(ラマ)教の秘香の為、瞑目状態にあった。そこを謎の雲水・木喰の山楽、ドラゴンの従者・孫麗春らによって保護されたが、鎌倉に捕えた比売神子はすでに姿を消していた。
 そのころ、シヴァの化身、魔道行者のジャハーシンラも“失われた真言”を求め、成田に降り立っていた……。剛と比売神子を狙って、新たな魔の手が忍び寄る!

目次

第一章 鏖殺(おうさつ)の夜
第二章 土蜘蛛の一族
第三章 大和忍群
第四章 霧の領域
第五章 新たなる竜

抄録

 「すると、あそこが暗器研究会の道場だった山根総合治療センターだね」
 ハーツバーグは、視線を第三梅田ビルの二階に移した。
 第三梅田ビルは、外壁が煤(すす)けて、真っ黒になっていた。窓ガラスは一枚も残っていない。一階は電器店だったが、その面影を伝えているのは、ブラウン管が熔(と)けて外枠だけになった水びたしの大型テレビの残骸と、焼け落ちて半分に割れている大手弱電メーカーのブランド名がはいったプラスチック製の看板だけである。
 「どうすれば、こんなふうになるのかな」ハーツバーグは、かぶりを振った。
 「これはまるでベイルートの光景だよ」
 八王子の蓬莱飯店でこの事件のことを知った三人は、急遽予定を変更した。
 駅前でタクシーを拾い、高円寺に向かった。
 ドラゴンがからんでいる。
 三人は直感した。
 現場にきて、その思いは確信となった。
 尋常な事件ではない。人知を超えた力が、この大惨事には関わっている。
 誰かが、はっきりとした目的を持って、暗器研究会を襲ったのだ。
 その誰かは、暗器研究会がドラゴンとつながっていることを知っている。
 しかし。
 誰が、このような力を秘めているのだろう。
 「これ、神の力です」
 麗春が言った。声がうわずっていた。
 「あたし、神の力を感じます。神の力、ここに残っています」
 「神の力?」
 ハーツバーグは首をめぐらし、ドラゴンに仕える美少女の顔を見た。
 「あれは神の仕業です」
 麗春は、鉄骨が崩れた建築中のマンションを指差した。小柄な麗春は、人垣の中に埋もれてしまっていたが、いつのまにか群衆の最前列にまで進んできていて、ハーツバーグの脇に並んでいる。
 「神とは誰だ?」
 ハーツバーグは尋ねた。
 「わかりません」麗春は首を左右に振る。
 「知らない神。でも、とても強い神。――あっ!」
 いきなり麗春は、小さな叫び声をあげた。
 「どうした」
 「青頸(あおくび)の神」消え入りそうな声で、麗春は言葉をつづけた。
 「青頸の神です。竜母神(ナーギニー)がおっしゃってました。青頸の神のこと。青頸の神は日本にきています」
 「何を言ってるんですか?」
 周文恵が、ハーツバーグに訊いた。
 「シヴァのことさ」老ユダヤ人は両手を広げ、肩をすくめた。
 「青頸の神だ。ヒンドゥーの破壊神(デストロイヤー)。シヴァは、世界存亡の危機に際してヴィシュヌに哀願され、ヴァースキ竜の顎からしたたり落ちている猛毒ハーラーハラを呑み下した。ハーラーハラはシヴァの喉を灼き、その首を青黒く変色させた。以来、シヴァは、ニーラカンタ――青黒い頸をもつ者と呼ばれるようになった。『ラーマーヤナ』にも記されている有名なエピソードだよ。日本にも青頸(せいきょう)観音として、その姿が伝えられている」
 「その神が……」
 「ここを破壊し、多くの人々を死に追いやったと、この子は主張しているんだ」
 「シヴァ、います!」
 麗春の声が高くなった。
 「います、シヴァ。太子を呼んでます。強い力。網のような力。張りめぐらされていて……。呼ぶ。呼ぶ。呼んでいる。だめ。あたし、振り払えない」

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