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目覚めしものは竜《ザ・ドラゴンカンフー》

目覚めしものは竜《ザ・ドラゴンカンフー》


発行: オンライン出版
価格:580pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 高千穂 遙(たかちほ はるか)
 1951年11月7日、名古屋生。本名・竹川公訓(たけかわきみよし)。法政大学社会学部社会学科卒。大学在学中にアニメーションの企画・制作集団「スタジオぬえ」を設立。1977年、「クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機」で作家デビュー。1980年「ダーティペアの大冒険」で星雲賞(日本短篇部門)受賞。1986年「ダーティペアの大逆転」で星雲賞(日本長編部門)受賞。
 日本SF作家クラブに所属。

解説

 米国の多国籍企業が、日本支配を企み行動を開始した。それを阻もうとするCIA極東支部は、トップクラスの情報部員や非合法員を次々と消され頭を抱えていた。多国籍企業の黒幕は〈双児のあひる〉と呼ばれる2人の男。CIAは〈双児のあひる〉を始末し、組織を崩壊に追いこむ最終手段として、竜神の血を引くカンフーの達人・竜門剛に最後の望みを託した――。

目次

プロローグ
第一章 竜神の裔(すえ)
第二章 双児のあひる
第三章 殺人機械(マーダー・マシーン)
第四章 虎穴の罠
第五章 竜拳の美少女
第六章 北の要塞
第七章 幻影の崩壊

抄録

 ――嫌なやつらだな。
 剛は思った。腕の立つ相手だけなら怖くはない。技の差以前に、竜種と常人では素材が違うのだ。凄腕といっても、それはただ単に人間同士の間のことである。
 敵に回して本当に怖いのは、死生を超えた相手だった。死を恐れぬ者、みずからが傷つけられることを厭(いと)わぬ者――そういったたぐいの人間だけが竜種の敵となるのだ。
 かれらは竜種の敵だった。まさしく敵だった。凍てついた殺意を抱く十人の訓練された殺し屋(アサシン)。剛の感じた嫌な思いは、このような人間が十人以上も存在し、しかもそれが現に今、かれを取り囲んでいるところにあった。
 ――中途半端にはできない。
 剛は肚(はら)を決めた。ディスコ・カンティーナでのお遊びとは根本的に異なっていた。殺(や)る気でやらなければてこずる。こいつらは闘う機械なのだ。死なない限り、殺意を失うことはない。もし生かして帰せば、また必ず剛の敵となって戻ってくるだろう。そしていつかは殺すことになる。ならば、それは今ここですましておくべきことだった。
 包囲の輪が、せばまった。
 ひゅう、と息の漏れるような気合いが右前方の男の口から発せられた。長身の黒人だ。構えは、空手のそれである。
 剛の視野の中で、八つの影が一斉に動いた。
 互いに交差し、滑るように間を詰めてくる。よどみのない、手慣れた動きだ。
 しかし、剛はその動きを完全に捉えていた。八人のうち五人には攻撃の意志がない。フェイントである。闘うべき相手は、三人だった。ひとりは気合いを発した黒人。あとのふたりはフットボーラーかもしくはプロレスラーくずれと思われる百三十キロクラスの白人だった。
 剛は、攻撃が加えられるその寸前まで、ピクリとも動かなかった。
 白人ふたりが、押さえこもうとタックルをかけてきた。黒人の方は身動きできなくなった剛を標的(まと)に飛び蹴りをしかけるつもりらしい。
 巨大な、野球のグローブほどもある掌が、剛の腰を掴(つか)もうとした。
 剛の姿が、ふっと消えた。
 「ぐわっ!」
 「がっ!」
 同時に短い悲鳴がふたつ、血ヘドとともに吐き出された。
 黒人が跳んだ。
 剛はフェイントにまわっていた東洋人の背後にいた。白人ふたりの突進をかわしざま、身長差を利用してその中央をすり抜け、水月(みぞおち)に左右の拳をめりこませたのである。東洋人は、たまたま剛が移動した位置に来ていたにすぎない。しかし、それならそれで、この男を利用しない手はなかった。
 剛は東洋人の腰のあたりを二本の指先で、ごく軽く押した。東洋人は、風にあおられるように向きを変え、先ほどまで剛の立っていた位置にすうっと進んでいった。
 そこへ黒人の飛び蹴りが、まっすぐに伸びてきた。
 黒人の右底足が絶妙の角度で東洋人のこめかみにヒットした。
 東洋人の両眼が眼窩(がんか)から勢いよく飛び出し、首の骨が鈍い音をたてて折れた。

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